投稿日: Sep 18, 2016 4:48:35 PM
丸山眞男の元学生であり、終生、弟子としてまた対話相手としてその元で学んできた人(企業人で音楽評論家でもあるらしい)が丸山眞男の折々の言葉を伝えてくれる。
例えば、
結論を言えば、学校を出てからも、本人が自分の意志で、好奇心と探究心を忘れることなく、独りで学び続ける-それ以外に方法はないです。
でも、勉強とは、いまさら言ってみてもはじまらないけれど、本を読むことだけじゃないでしょう。実社会の経験と、何より他人に出会って、相手から”何か”を吸収することですよ。組織の中に埋没しないで、広くヨコに付き合うことが大切です。
精神活動というのは三角形を成していて、一番下に叡知があって、その上に知識がある。更にその上に情報が乗っかっている。それが人間精神活動の構造なんです。現代の問題点は、あらゆることの情報化現象なんです。よく「知識過剰」なんていうけれど、ぼくはそうは思わない。情報が過剰なだけです。知識というものは、情報を組み合わせていくものなんです。
叡知というのは、情報量とか知識の量がその価値を決めるものではなくて、別次元の要素、つまり経験から何を学ぶかという、その人物の思考力のもんだいなんです。
いくら経験を重ねても、何も学べない人もいるし、ただ一度の経験からでも、人生の根源に関わる教訓を得られる人もいる。とにかく考えることですよ。
丸山眞男の座談集も他に何冊も出ているようです。読んでみたくなりました。
(紹介:無藤 隆,2014年8月2日)