投稿日: Sep 19, 2016 2:15:19 AM
近年のコンピタンシー(主要能力)を基本とする学校教育の考え方を解説し、そのための授業実践を紹介する。大変分かりやすい。
奈須さんの解説や久野さんの議論が立ち入ったものでありがたい。知識基盤社会において、コンテンツ・ベースに対してコンピテンシー・ベースへの転換(といってもコンテンツも大事だとはしているのだが)の必然性がよく分かる。授業実践も大手町小学校を始めとして理解しやすい。
育成すべき学力をこう整理している(奈須)。
単なる事実に関する暗記的・連想的知識、
意味的理解を伴う領域固有の知識・技能、
教科の本質(その教科ならでは...のものの見方や考え方,処理や表現の方法)
汎用的認知スキル、
意欲・自己調整能力、
社会スキル、
メタ認知。
例えば、それは授業では、「再現性と一般性という重要な数学的着眼の価値がそこにある。そして、それを用いた吟味を通して多様な考え方を比較検討する上質な経験を子どもに組織できるということに気付けていること。さらに、それを子どもがむきになるような文脈で授業内に適切に配置できる手立てを考案できるということが、教師には不可欠になってくるわけです。」
(紹介:無藤 隆,2014年12月1日)