投稿日: Sep 18, 2016 4:26:4 PM
杉原さんはいうまでもなく、我が国の幼児体育の第一人者。だが、杉原他の研究が日本の研究の中で実は最も強力な国の保育(幼児教育)政策へのエビデンスとなったことはどれほど知られているのだろうか。
河邉さんも言うまでもないが、保育実践研究者のナンバーワン。
その二人が組めばこれ以上のものはありえない。そして、実際、まれに見る優れたテキスト&専門書ができた。私の記憶の限り、保育内容に関わり、どの領域であれ、これほどのものがあるだろうか。理論と実践、数量的実証調査と質的分析、その見事な結合がここにある。実を言えば、英語圏で見ても、これほど優れた本は運動指導について出ていない。日本語で読める読者は幸せである。
出版社による内容紹介
子どもたちは、日々の生活のなかで“遊び”を通して様々な経験をしている。その経験を通して、運動能力だけではなく、自我や社会性など人格の基礎を育んでいく。まさに、子どもは“遊び”のなかで育っていくのである。
本書では、まず、最新の発達研究から、幼児期に必要な運動とはどのようなものかを明らかにしていく。また、“遊び”を自己決定と有能さを追求している状態と捉え、指導者が体力や運動の向上を目指して行う一斉指導より、子どもが自己決定的に行う遊びとしての運動の方が、運動発達のみならず、意欲や自我、社会性など心の発達にも効果的であることを客観的な研究データから明らかにしている。これらの理論的、実証的な知見に基づいて、具体的に運動指導をどのように行えばよいかの原則を示し、その原則を生かした豊富な実践例を、多角的な視点から紹介している。
[ここがポイント]◎運動発達研究の最新の知見から、幼児期における遊びとしての運動経験の重要性を説く◎多様な実践事例と豊富なイラストで、具体的に運動遊びとその指導のポイントが理解できる。
(紹介:無藤 隆,2014年5月23日)