2022年5月、大分県中津市を訪ねました。ここには巨大な軍需工場地帯がありました。中心は神戸製鋼中津工場です。敷地面積255ヘクタールで同市鶴居・大幡両地区一帯に広がり、10棟以上の工場群、事務所棟や職員寮、耶馬渓鉄道からの引き込み線や駅舎なども備えていました。6千人の従業員が働き、月800トンの航空機用ジュラルミンを生産。戦争末期には米軍の爆撃目標になりうる地帯だったのです。そのため、攻撃を見張る監視哨も造られました。その工場のシンボルともいえる巨大煙突が残されています。現在の(株)メタリックスジャパン中津工場の敷地内です。稼働はしていません。中津市は1945年7月21日の対日爆撃の中間総括を試みる報告書「中小工業都市地域への爆撃」の中で180の攻撃目標都市の一つにあげられるほどでした。終戦により大規模な空爆はありませんでしたが、機銃掃射の空襲が行われました。その銃撃痕が煙突に残されています。
関連資料
煙突遠景
現在の工場
銃撃痕
監視哨
関連地図
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