海軍指定料亭「なるみ」の揮毫
大分県別府市楠町
温泉の町 別府市。戦前から保養地としてにぎわいました。戦時下においては、傷病兵の治療、療養の場としての役割を期待されました。陸軍や海軍の病院も建設されます。隣接の日出、大分に海軍基地があったことや別府自体が港町であったこともあり、特に海軍との関係が深くなりました。海軍の兵士たちが、ぞくぞくと別府を訪れたのです。旅館、料亭、劇場などが彼らを受け入れていきます。なかでも、料亭「なるみ」はたくさんの海軍兵でにぎわいました。ここは、ふぐの毒を抜いて調理する方法を考案した店なのです。「なるみ」は将校専用の高級料亭となりますが、下士官や兵士にもふるまいます。そして、彼らに揮毫を書いてもらい、巻物として保存していたのです。300筆を超すその巻物は、現在は宇佐や佐伯に残されています。そこには、死を決意した文や覚悟の書が多くありますが、中にはユーモラスなものもあり、なおさらに心の痛みが伝わります。
関連資料
なるみがあった楠町
当時の面影を残す界隈
界隈の劇場「松濤館」
なるみの経営者・高岸源太郎
高岸源太郎が寄贈した大谷公園
大谷公園の足湯
大谷公園の広場
高岸源太郎の碑
師走の8日は真珠湾攻撃
ユーモラスでもある揮毫
漫画家のような揮毫
敵成語とされた英語が含まれた揮毫
関連地図
関連動画