善光寺駅付近の陸軍演習・皇太子行啓記念塔

大分県宇佐市尾永井

2022年11月 大分県宇佐市を訪ねました。尾永井地区の善光寺駅付近(駅から300m南東)に「皇太子殿下行啓記念塔」が残されています。これは大正9年11月に宇佐平野で行われた陸軍大演習の際に皇太子時代の昭和天皇が視察した(御座所)の記念碑です。同様の塔が鷹居にもあります。皇太子は次期天皇であり、次の大元帥です。宇佐にとって、とても重要な行事だったのです。ここで外国(ロシア・イギリス・フランス・イタリア )からの観戦武官と皇太子が会談をしました。そのことを記念しての碑です。塔頂には鳩の像があります。鳩が平和の象徴となったのは戦後です。当時の鳩は、戦いの神八幡神の使いであり、実際の戦争にも軍用鳩として使われました。 

関連資料

碑文

演習の様子

宇佐平野

戦跡写真部

羽の折れた鳩像

羽の折れた鳩像

碑と火の見櫓

碑文

碑文

大正九年十一月陸軍大演習ヲ我北豐ノ野ニ於テ擧行セラルルヤ畏クモ 皇太子裕仁親王殿下此地ニ於テ親シク外國觀戰武官ニ拝謁ヲ賜ヒタリ因テ宇佐郡會ハ此光榮ヲ追慕シ建碑ノ議ヲ決ス八幡村民亦特別出資ヲナシ茲ニ本碑ヲ建設シ以テ永ク後世ニ傳フ

大正十二年三月吉日

大分縣宇佐郡長 中村茂

解説

大正9年 (※1)11月 陸軍大演習を我北豊の野に於て挙行せらるる (※2)や 畏くも 皇太子裕仁親王殿下 此地に於て親しく外国観戦武官 (※3)に拝謁(はいえつ)を賜ひたり

因て宇佐郡会は此光栄を追慕し 建碑の議を決す

八幡村民亦特別出資をなし 茲に本碑を建設し以て永く後世に伝ふ

大正12年3月吉日

大分県宇佐郡長 中村茂


  ※1西暦1920年

  ※2皇太子裕仁親王殿下(のちの昭和天皇)が陸軍大演習を見学したエピソードについては、同じく宇佐市の石碑にも同様の記載があるので参照されたい

  ※3かんせんぶかん。自国が参戦していない戦争(第三国の戦争)を観戦するために派遣された

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