軍医・森鴎外の別大電車
大分県大分市・別府市
2022年5月 大分県大分市と別府市を訪ねました。明治以来、陸軍部隊が置かれた大分市、負傷兵の温泉療養地としての別府市。両者の距離はわずか10kmですが、海岸線まで迫った山により、往来は容易ではありません。しかし、ここにチンチン電車の愛称で呼ばれる「別大電車」が開通したのです。1900年(明治33年)のことです。そして、その開通の年に、あの森鴎外が軍医として乗車するのです。鴎外は、大分の光西寺での徴兵検査を視察しました。できてまだ1か月の電車です。
「小倉日記」には
「別府より電気鉄道に由る。車制、鉄道馬車の如くにして、機関を舗板の下に設く。天井に電灯3あり、側辺にゴム引きの布幔(まん、ぱん、まく)を懸く。32人を座せしむべし。余の電気鉄道に上るは、是を始めとす。」と書かれました。
別府市には、その停留所の記念碑がありました。また、大分市の佐野植物園には、昭和の時代の電車が展示されています。
関連資料
記念碑
電車(昭和)
当時の電車
森鴎外
現在は歩道
現在は歩道
事故のあった慰霊
当時の海岸線
関連地図