尾紀の陸軍演習・東宮駐駕碑
大分県中津市今津
大分県中津市今津
2023年1月 大分県中津市を訪ねました。今津地区に「東宮(皇太子)駐駕碑」が残されています。約5mほどの高さの塔碑です。ここは、尾紀村役場があったところです。これは大正9年11月に中津・宇佐平野で行われた陸軍大演習の際に皇太子時代の昭和天皇が視察したことの記念碑です。同様の碑が宇佐市立四日市北小学校にもあります。皇太子は次期天皇であり、次の大元帥です。今津だけでなく、中津にとって、とても重要な行事だったのです。犬丸平野を視察した時の椅子が碑の下に埋められているそうです。大演習時の様子が尾紀尋常小学校同窓会誌に残されています。ちなみに御大典碑(尾紀の御大典碑/大分県中津市今津 )が隣接しています。なお取材にあたり、今津コミュニティーセンターの館長さんのご協力をいただきました。感謝申し上げます。
関連資料
碑
同窓会誌
演習の様子
碑文
碑文
東宮駐駕碑
正四位勲四等二 爵菅原長言謹書
大正九年十一月陸軍大簡兵ニ豊之〇九日東宮〇親駐駕ニ下毛郡尾紀村役場事〇村民相議樹石碑其跡於文〇所以専甘棠之清也村長請余記其由
大正十年十一月 千田清撰
解説
東宮 (※1)駐駕 (※2)碑
正四位勲四等二 爵菅原長言謹書
大正9年 (※3)11月 陸軍大簡兵 (※4)に 豊之〇九日 東宮〇親駐駕に 下毛郡尾紀村役場事〇村民 相議樹石碑其跡於文〇所以専甘棠 (※5)之清也 村長請余記其由
大正10年11月 千田清撰
※1とうぐう。皇太子
※2高貴な人が滞在すること
※3西暦1920年
※4かんぺい。兵を選んで集め訓練すること
※5かんとう。「ずみ」という植物の古名、またはりんご、さるなしの木のこと※甘棠之愛という故事成語があるが、これは優れた為政者を慕う気持ちが強いことを意味する言葉
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