西曆2018年10月18日(木) スコットランドのグラーズゴウ訛り(Glaswegian accent)が英国議会で通じず

英議会 スコットランドなまりキツすぎ質問聞き取れず すれ違い

NHKオンライン

2018年10月20日(土) 9:11

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181020/k10011678991000.html (リンク切れ)

イギリス議会で、与党の議員がスコットランドの政党の議員から質問を受けたところ、スコットランドなまりの強い英語を何度聞いても聞き取れず、質問が理解できなかったため、最後には文書で問題を解決するよう促されることになり、2人のすれ違いぶりが話題となっています。

イギリスの議会下院で18日、スコットランド民族党のデビッド・リンデン議員が障害者のバリアフリー対策について質問をしました。

ところが質問を受けた、ニュージーランド生まれでイギリスとの二重国籍を持つ与党 保守党のポール・ベレスフォード議員は、リンデン議員のスコットランドなまりの強い英語が聞き取れなかったため、もう一度質問するよう求めました。

このやり取りに議場は笑いに包まれ、最後には副議長から文書で問題を解決するよう促されて質疑を終えました。

(改行・後略)

BBC地方局での報道

Forget the idea that some MPs are out of touch with the electorate ...one can’t even understand a fellow English-speaking politician!

(国会議員の中には有権者と没交渉になっている者がいるとする考えは忘れろ、、、英語話者の同僚政治家が喋る内容が理解できない議員だっているのだから!)

BBC Scotland

2018年10月18日(木)

https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/3yHS9fRxqWKGplhHGGwsJPs/forget-the-idea-that-some-mps-are-out-of-touch-with-the-electorate-one-can-t-even-understand-a-fellow-english-speaking-politician

左派系高級紙、ガーディアン紙(The Guardian)提供の動画(英語字幕付)

https://www.theguardian.com/politics/video/2018/oct/18/tory-mp-fails-to-understand-glaswegian-accent-of-snps-david-linden-video

MP David Linden (SNP): Mr Speaker, I know from speaking to a number of parliamentary colleagues that there are still certain aspects of the estate, including the northern estate, that are not great for disabilities. Can I ask the honourable Gentleman what work is being done to make sure this place is more accessible, particularly for some of our colleagues who have a disability?

デイヴィッド・リンデン議員(野党スコットランド国民党): 議長さん、私が何人かの議会の同僚と話をして知るところでは、今なお議会には幾つかの箇所があると、それは北側の箇所を含みますが、障碍(しょうがい)者にとって使い勝手の悪い箇所があるとのことです。議員さんに質問して宜しいでしょうか、どんな改善策が為されているのか、こういった場所へのアクセスがしやすくなるようにと、特に障碍を抱えた私たちの同僚にとってですが。

Another MP: Hear, hear.

別の議員: 清聴、清聴。

MP Sir Paul Beresford (Conservatives): Sorry. This must be something to do with my Antipodean background. Could he please repeat the question, because I didn't follow it?

英勲爵士ポール・ベレスフォード議員(与党保守党): すみません。これは私が地球の反対側(アンティパディーアン: イギリス英語で豪州とNZを総称した言い方)の出身であることと関係しているに違いありません。ご質問を繰り返していただけますか。というのも、理解できなかったもので。

[Laughter]

[哄笑]

Another MP: Wow!.

別の議員: ワーオ。

MP Linden: Well, [I’m] very popular today. I was saying that a number of parliamentary colleagues who have disabilities do find it difficult getting around certain parts of the estate. Given that we are doing this refurbishment work, what can be done to make sure that those with a disability are able to move around more freely and that this place is accessible?

リンデン議員: ふむ、今日(私)は人気者ですね。私が申し上げたのは、議会の同僚たちの中で障碍を抱えた人たちが、議会内の幾つかの箇所を通行するのが困難だということです。改修工事を進めている現状に鑑(かんが)みて、障碍者が確実に自由に動き回れるようにするため、そしてこの場所(=議会)が確実にアクセス可能な場所となるように、どんなことができますか。

Sir Lindsay Hoyle, Deputy Speaker of the House of Commons (Labour): Sir Paul.

英勲爵士リンジー・ホイル下院副議長(野党労働党): サー・ポール。

MP Beresford: I’m really sorry, but please could he do it very slowly in Antipodean English?

ベレスフォード議員: 本当にすみませんが、非常にゆっくりと、地球の反対側の英語でやってくれませんか。

[Laughter]

[哄笑]

Another MP: Just give any old answer.

別の議員: 何でもいいから古い回答をすればいいよ。

Deputy Speaker Hoyle: I think the answer, I think the answer might be helped if you can reply in writing when you read about it. Chris Elmore.

ホイル下院副議長: 私が思うに答えは、私が思うに答えは、文書で回答すれば何とかなるでしょう、読めば分かるでしょうから。クリス・エルモー。

MP Chris Elmore (Labour): Thank you, Mr Deputy Speaker. I’ll try [to get] it on the first go, because I’m Welsh, so God help him! Can the honourable Gentleman confirm that ...

クリス・エルモー議員(野党労働党): ありがとうございます、副議長さん。私は最初に聞いた時から理解しようと努めています。というのも、私自身ウェールズ人ですので。なので彼(=リンデン議員)に神のご加護がありますように。議員さん(註: ベレスフォード議員を指す)に確証していただけますか、、、

(英文書き取り・日本語訳: 原田俊明)

【参考】

イギリス議会での作法

https://sites.google.com/site/xapaga/home/ukparliamentetiquette