西曆2009年8月14日(金) 個人電子書簡(Greetings from Manchuria)

〇〇〇様

Ajax IME: Web-based Japanese Input Method というサイトの助けを借りて辛うじて日本語を打っています。

8月7日(金)午後に自宅を発ちました。南浦和駅から京浜東北線、東京駅から東海道山陽新幹線、博多港から高速艇ビートル号、釜山駅からフランス製KTX超特急、ソウル駅から旧国電乗り入れのソウル地下鉄1号線、仁川(Incheon)港から夜行フェリー、丹東外港からバスで、北朝鮮国境に面する中国領旧満洲国の町、旧安東こと丹東(Dandong; Tantung)に到着したのが11日(火)でした。その後、旧奉天こと瀋陽(Shenyang)と、旧新京こと長春(Changchun)を見てから今は哈爾浜(Harbin; Haerbin)に来ております。

11日(火)に辺境の丹東では容易に出来たインターネットが、他の町では中共政府発行のクレジットカード型の身分証明書がないと使わせてもらえず、困り果てました。ホントに独裁国家っていう奴は、と独りで憤っていたところ、ハルビン駅(伊藤博文暗殺の地)地下ではネットOKな上に、服務員は中国人にしては珍しく親切です。もっと値の張る外資系ホテルに泊まっていれば、こんな気苦労はなかったのでしょうが、今回は大日本帝国遺産の旧ヤマトホテル(現在では零落して中国人向けエコノミーホテル)に拘泥したため、メール書くこと能わずなる状態が続きました。

今日は旧満洲国の帝都新京こと現在の長春に残る偽満皇宮(ウェイマンコンゴン)を訪れました。敷地内にはご丁寧にも愛国教育のための日軍侵略史の巨大な博物館を拵えてくれています。よくぞここまで、と敵ながら感心します。

地を這うような生活に嫌気がさしたので、復路は計画を変更して飛行機にしました。大連(Dalian)から仁川(Incheon)経由で18日(火)に帰朝します。

ハルビン駅前地下にて

原田俊明