西曆2015年 2月 9日(月) 個人電子書簡(公共ラジオ出演者への質問状)

〇〇女子大学

〇〇〇〇先生

2015年2月9日(月)0時台のNHKラジオ●●●「●●●●●●●●●●●●●●●英語」を拝聴しましたが、気になった箇所が3点(その内2点は事実誤認)ありましたので、簡略乍らメールで指摘して措きます。

1)イタリア出身の探検家・地理学者のアメリーゴ・ヴェスプッチ(伊 Amerigo Vespucci, 西 Américo Vespucio; 羅 Americus Vespucius, 1454-1512) の名からアメリカ(America)という地名が作られたのは確かに事実ですが、それはイタリア語名アメリーゴ(Amerigo)から直接ではなく、羅典語名アメリクス(Americus)を女性名詞化した地名であるという言及が欲しいと思いました。

2)コロンブス(伊 Cristoforo Colombo; 西 Cristóbal Colón; 羅 Christophorus Columbus; 英 Christopher Columbus, c.1451-1506)の名は合衆国首都ワシントンとイコールの関係で結ばれるコロンビア特別区(DC: District of Columbia)の名に反映されたが、国名には反映されなかったとする先生の言説は北米しか見ていない近視眼的な見方だと私は考えます。1886年から続く南米のコロンビア共和国(西 República de Colombia; 羅 Respublica Columbiana; 英 Republic of Colombia)を忘れてもらっては困るという感想を抱きました。なお、コロンビア合衆国としては1863年に成立していますし、コロンビアという地名自体はベネズエラの革命家フランシスコ・デ・ミランダ(Francisco de Miranda, 1750-1816)が十九世紀初頭に思いついています。

3)ケルト系民族である「古代ブリトン人」を表すBritonの現代英語の発音は、「ブリテン島」や広義には「英国」を表すBritainの現代英語の発音と同音であるにも拘わらず、先生は番組中、前者を「ブりトン」のように発音し、後者を「ブりトゥン」としておられたので、奇異な印象を受けました。

以上

原田俊明

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