30「イギリス文化論」(2022/ 1/18) 平成25年度「選択科目(世界史)」入試問題の解答・解説

2013年1月27日(日)実施

平成25年度 昭和女子大学A日程試験1時限目「選択科目(世界史)」

pp.31-34、第4問(問1~問15)

問題作成者: 氏名非公開(部外秘・機密事項のため)

解答・解説: 原田俊明(問題作成者とは別人物)

問題: https://sites.google.com/site/xapaga/home/sekaishi2013exam

[問題文]

第二次世界大戦の結果、米ソ両国が戦後世界における指導的立場を獲得した半面、

ヨーロッパ諸国は指導的立場を失った。アメリカ合衆国の経済援助であるAヨーロッパ

経済復興援助計画(マーシャル・プラン)によって、西ヨーロッパは戦後の復興を軌道にのせた。この計画の受

け入れのためにつくられた ア OEEC(欧州経済協力機構)が西ヨーロッパ経済協力の出発点となった。1952

年には、BECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)を発足させ、これを全経済分野に広げる1957年の イ ローマ条約に基

づいて、1958年にEEC(欧州経済共同体)と ウ EURATOM(欧州原子力共同体)を結成した[註1]。1967年には、EECなど3つの機構は

合併して、EC(欧州共同体)となった。当初、イギリスはEECに参加せず、C1960年にEFTA(欧州自由貿易協定)を結成

していたが、1973年には、 エ デンマーク・ オ アイルランドとともにECに加盟し、西ヨーロッパの

経済統合が大きく進展した。さらに、1981年には カ ギリシア、1986年には キ スペイン

ポルトガルといった南ヨーロッパ諸国もくわえて、EC加盟国は12カ国となり、巨大

な統一市場へと発展した。さらに、EC加盟国は ク 単一欧州議定書により、1992年末までに完

全市場統合をめざすことを決定した。1990年のD東西ドイツ統一を経て、1992年に

は ケ マーストリヒト条約が採択され、翌‘93年、EU(欧州連合)が発足した。1999年には、EUは一部をのぞき

通貨統合を実現し、2002年からEユーロ紙幣および硬貨が通用するようになった。

2013年7月にはFEU加盟国は28カ国に達し[註2]、域内人口は約 コ 5億人におよぶ規模とな

り、経済的にもGアメリカ合衆国と肩を並べる大連合体へと発展している。

註1: EECは1957年3月25日(月)に設立条約が調印されたため、誤って「1957年発足」としている資料もある。しかし条約が発効したのが1958年1月1日(水・祝)のため、この入試問題では1958年の結成としている。EURATOM(欧州原子力共同体)も同様である。

註2: この入試問題が出題された2013年1月の時点では、まだ加盟27ヶ国だったが、その後の欧州情勢を反映させて一部改訂。しかしながら、2020年1月31日(金) 23:00(EU本部の中央欧州時間では24:00 = 2020年2月1日(土) 0:00)に英国が離脱したため、加盟国は再び27ヶ国となった。そして同年(2020年)12月31日(木) 23:00(EU本部の中央欧州時間では24:00 = 2021年1月1日(金・祝) 0:00)には11ヶ月の移行期間(transition period)が終了し、ブレグジット(Brexit: 英国のEU離脱)が名実ともに完了。

答え

問1: c 問2: a 問3: c 問4: c 問5: b 問6: d 問7: c 問8: b

問9: c 問10: d 問11: d 問12: a 問13: b 問14: a 問15: c

問1 下線部Aについて説明した次の文のうち、誤っているものを1つ選び、その記号をマークしなさい。

c にマーク

a この計画は、アメリカ合衆国国務長官マーシャルが提案した。 ⇒ 正しいのでマークしない。当時の米国国務長官ジョージ・マーシャル(George Marshall, 1880-1959; 国務長官在任1947-49)の名を冠して、マーシャル・プラン(Marshall Plan)と呼ぶ。

b この計画は、トルーマン大統領のとき実施された。 ⇒ 正しいのでマークしない。在任中だったロウザヴェルト(Franklin D. Roosevelt, 1882-1945; 大統領在任1933-45)が第二次世界大戦末期の1945年4月12日(木)に病死し、代わって副大統領だったトゥルーマン(Harry S. Truman, 1884-1972; 大統領在任1945-53)が合衆国憲法に則って大統領に就任した。なお、トゥルーマン大統領は日本への二発の原爆投下(1945年8月6日(月)と同月9日(木))を命令し、ソ連の対日参戦を促しながら、ソ連との冷戦を開始した。

c この計画には、ソ連や東欧も参加した。 ⇒ 誤りなので、c にマーク。1945年に冷戦が開始され、ソ連や東欧の東側陣営は、米国や西欧の西側陣営と対立した。敵対勢力である東側陣営が米国主導のマーシャル・プランの対象になることはありえない。

d この計画は、1948年から1951年にかけて実施された。 ⇒ 正しいのでマークしない。マーシャル・プランの実施年は1948-51年である。

問2 ア にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

a が正解

a OEEC ⇒ 正解。Organisation for European Economic Co-operation の略で、「欧州経済協力機構」と訳される。1948年に発足し、マーシャル・プランに連動する形でアメリカの要求による為替と貿易の自由化、そしてヨーロッパ域内諸国間と欧米間の関税引き下げを目的とした。現在のEU (European Union)、つまり欧州連合に先立つ概念をもった機関とされる。1961年にOECD (Organisation for Economic Co-operation and Development)、つまり経済協力開発機構へと拡大した。2017年1月現在、日本を含む35ヶ国が加盟。OECDに加盟することが先進国と呼ばれるための条件の一つともされる。

b OSCE ⇒ 誤り。Organization for Security and Co-operation in Europe の略で、「全欧安全保障協力機構」と訳される。1972年にヨーロッパの国境不可侵と安全保障・経済協力などを約束し、CSCE (Conference on Security and Cooperation in Europe)、つまり「全欧安全保障協力会議」という名で1973年6月25日(月)に35の原加盟国が集まって発足した。初会議は1975年7月30日(水)から8月1日(金)のことで、その会議で得られた声明をヘルシンキ宣言(Helsinki Accord; Helsinki Declaration; Declaration of Helsinki)と呼ぶ。1995年1月1日(日・祝)にOSCEに名称変更して現在に至る。2017年1月現在、57の加盟国と、日本を含む11の協力国がある。

c NATO ⇒ 誤り。North Atlantic Treaty Organization の略で、「北大西洋条約機構(ナトー)」と訳される。ドイツ語では同綴りで「ナートー」と発音されるが、英語では「ネイトウ」と発音され、イギリス英語では通常 Nato と表記される。また、フランス語では Organisation du traité de l’Atlantique nord を略すため OTAN (オタン)となる。英仏主導で西欧10ヶ国と北米2ヶ国(米加)の合計12ヶ国によって1949年4月4日(月)に結成された軍事同盟である。これに敵対する形でソ連主導のワルシャワ条約機構(Warsaw Pact)、正式には友好協力相互援助条約機構(Treaty of Friendship, Co-operation, and Mutual Assistance)が1955年5月14日(土)に結成されたが、1989年11月9日(木)のベルリンの壁崩壊(冷戦終結)後は有名無実となり、1991年7月1日(月)に解散した。しかもその中心的存在だったソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)も同年(1991年)12月26日(木)には解体した。東欧諸国(かつてのワルシャワ条約機構に加盟していた国々)は次々とNATOに加盟し、2017年1月現在、28ヶ国が加盟している。他にロシアを含む22ヶ国がNATO主導の平和のためのパートナーシップ(Partnership for Peace)に参加している。

d IBRD ⇒ 誤り。International Bank for Reconstruction and Development の略で、「国際復興開発銀行」と訳される。1944年に設立が決まり、1946年に業務を開始、1947年からは国連の専門機関となった。世界銀行グループ(World Bank Group)を構成する5つの機関のうち最初に設立された機関であり、一般には世界銀行(World Bank)として知られている。2017年1月現在、日本を含む189ヶ国が加盟。

問3 下線部Bについて説明した次の文のうち、誤っているものを1つ選び、その記号をマークしなさい。

c にマーク

ECSCとはEuropean Coal and Steel Community の略で、「欧州石炭鉄鋼共同体」と訳される。

a ECSC は、石炭・鉄鋼産業を共同運営するために結成された。 ⇒ 正しいのでマークしない。1950年5月9日にルクセンブルク生まれのフランス元首相で当時は外相だったロベール・シューマン(Robert Schuman, 1886-1963; 首相在任1947-48; 外相在任1948-53)が提唱し、仏独間で二度と戦争を起こさないよう、戦争の際に主要な資源となる石炭と鉄鋼を仏独で共同管理することにした。

b ECSC には、フランス・西ドイツ、ベネルクス3国、イタリアが参加した。 ⇒ 正しいのでマークしない。1951年にパリ条約が調印されたことを受けて翌’52年にECSCが設立されることになるが、条約の調印にはフランスと当時の西ドイツだけでなく、ベネルクス三国(ベルギーとオランダとルクセンブルク)とイタリアも加わった。

c ECSC は、アメリカ合衆国上院議員マッカーシーが提唱して創設された。 ⇒ 誤りなので、c にマーク。まったくのデタラメ。米国の反共扇動家マッカーシー(Joseph McCarthy, 1908-57; 上院議員在職1947-57)は米国内で共産主義者や社会主義者の徹底的な弾圧・思想統制を行なったことで悪名高い人物。議会内に非米活動委員会なるものを組織し、二十世紀(1901-2000年)の魔女狩りとも言えるマッカーシズム(McCarthyism)旋風を巻き起こし、米国社会を恐怖と混乱に陥れた。米国在住英国人のチャップリン(Sir Charles Spencer “Charlie” Chaplin, 1889-1977)はこれに敢然(かんぜん)と抗議してスイスに移住した。

d ECSC は、国境を越えた共同市場創設の試みであった。 ⇒ 正しいのでマークしない。

問4 イ にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

c が正解。1957年という年号に着目。

a パリ ⇒ 誤り。「パリ条約」の名で知られた条約は歴史上数々あれど、欧州統合への礎(いしずえ)となったのは、1951年のパリ条約である。フランスと西ドイツとイタリアとベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の6ヶ国が1951年4月18日(水)にパリで調印した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC: 上記の問3を参照)を設立する条約。

b ロンドン ⇒ 誤り。「ロンドン条約」の名で知られた条約は歴史上数々あれど、欧州統合への礎(いしずえ)となったのは、1949年のロンドン条約である。1949年5月5日(木)にヨーロッパ10ヶ国によって締結され、この条約に基づいて、欧州統合に取り組む国際機関である欧州評議会(Council of Europe)が設立された。

c ローマ ⇒ 正解。「ローマ条約」とは、1957年3月25日(月)に調印された欧州連合の2つの基本条約(欧州経済共同体設立条約と欧州原子力共同体設立条約)を指す。フランスと西ドイツとイタリアとベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)によって調印され、1958年1月1日(水・祝)に発効した。

d ベルリン ⇒ 誤り。「ベルリン条約」の名で知られた条約は、「パリ条約」や「ロンドン条約」ほどではないにしても歴史上数々あれど、欧州統合に関する「ベルリン条約」は今のところ存在しない。

問5 ウ にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

b が正解

a COMECON ⇒ 誤り。Council for Mutual Economic Assistance の略で、「経済相互援助会議」と訳される。1949年にマーシャル・プラン(上記の問1a)に対抗してソ連が中心になって設立した機関。東欧諸国やキューバやベトナムが加盟していたが、1991年に解散した。

b EURATOM ⇒ 正解。他にEAECとも略されるが、European Atomic Energy Community の略で、「欧州原子力共同体」と訳される。1957年のローマ条約(上記問4c参照)に基づいてEEC (European Economic Community)、つまり欧州経済共同体とともに1958年1月1日(水・祝)に設立された。

c CSCE ⇒ 誤り。Commission on Security and Cooperation in Europe の略で、「全欧安全保障協力委員会」と訳される。1976年に発足した米国政府独立機構の一つ。全欧安全保障協力機構(OSCE: 上記の問2bを参照)が条約の条文をきちんと履行しているか否かを監視し、履行を促すために設置された。

d CENTO ⇒ 誤り。Central Treaty Organization の略で、「中央条約機構」と訳される。中東に於けるソ連の影響力を封じ込めるため、1955年にイラク、トルコ、パキスタン、イラン、イギリスがバグダッド条約を調印して発足した。発足時の名称はMETO (Middle East Treaty Organization)、つまり中東条約機構だった。米国もオブザーバーとして参加したが、1979年のイラン革命(イランの王政打倒とイスラム政権の樹立と米国との国交断絶)を契機に解体された。

問6 下線部Cについて、EFTAに加盟した国として誤っているものを1つ選び、その記号をマークしなさい。

d にマーク

EFTAとは、European Free Trade Association の略で、「欧州自由貿易連合」と訳される。1960年にイギリスが中心となって設立された自由貿易連合であり、EEC(欧州経済共同体)の枠外の欧州諸国が加盟してきた。しかし1973年1月1日(月・祝)にイギリスとデンマークが当時のEC(欧州共同体)に加盟するに当たってEFTAを脱退した。1986年1月1日(水・祝)にはポルトガルも、1995年1月1日(日・祝)にはオーストリアとスウェーデンとフィンランドも同様の動きをした。現在は4ヶ国しか加盟していない。

a スイス ⇒ 正しいのでマークしない。1960年当初からの原加盟国。

b オーストリア ⇒ 正しいのでマークしない。1960年当初からの原加盟国だったが、上記の通り1995年に脱退。

c ノルウェー ⇒ 正しいのでマークしない。1960年当初からの原加盟国。

d ルクセンブルク ⇒ 誤りなので、d にマーク。1991年にリヒテンシュタインがEFTAに加盟したことと混同する受験生を引っかけようとした選択肢(小国でともにLで始まることから混同しやすい)。ルクセンブルクはEU(欧州連合)の原加盟国であるため、EFTAに加盟することはありえない。

問7 エ - オ にあてはまる組合せはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

c が正解。1973年、イギリスと同時加盟という点に着目。

a スウェーデン - フィンランド ⇒ 誤り。スウェーデンとフィンランドはオーストリアとともに1995年1月1日(日・祝)、EUに加盟。

b ポーランド - ハンガリー ⇒ 誤り。ポーランドとハンガリーは、バルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)とチェコとスロヴァキアとスロヴェニアとマルタとキプロスとともに、2004年5月1日(土)にEUに加盟した。EU史上最大の10ヶ国による一挙加盟が実現した。

c デンマークアイルランド ⇒ 正解。デンマーク王国(及びデンマーク王国海外郡グリーンランド)とアイルランド共和国が、連合王国=英国(及び英海外領土ジブラルタル)とともに1973年1月1日(月・祝)、当時のEC(現EU)に加盟。グリーンランドは1979年にデンマーク王国海外郡からデンマーク王国自治領に昇格し、1985年に当時のEC(現EU)から脱退した。連合王国=英国は2016年6月23日(木)に実施されたEU離脱の是非を巡る国民投票(通称 Brexit)の結果、残留(Remain)派が48.11%、離脱(Leave)派が51.89%という僅差(きんさ)で離脱派が勝利し、以後二年以内のEU離脱に向けてEU側との交渉に入ったが、交渉は難航した。結局、2020年1月31日(金) 23:00(EU本部の中央欧州時間では24:00 = 2020年2月1日(土) 0:00)に英国が離脱したため、加盟国は再び27ヶ国となった。そして同年(2020年)12月31日(木) 23:00(EU本部の中央欧州時間では24:00 = 2021年1月1日(金・祝) 0:00)には11ヶ月の移行期間(transition period)が終了し、ブレグジット(Brexit: 英国のEU離脱)が名実ともに完了。

d フィンランド - デンマーク ⇒ 誤り。デンマークのみが正解(上記c参照)で、フィンランドは誤り(上記 a 参照)。

問8 カ - キ にあてはまる組合せはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

b が正解。全15問中、最も簡単な(難易度が低い)問題。

a スイス - スペイン ⇒ 誤りだが、スペインのみ正解。スイスは南欧ではない。また、スイスは1997年と2001年の二度、国民投票の結果を受けてEUとの加盟交渉開始案を否決した。

b ギリシアスペイン ⇒ 正解。ともに南欧。1981年1月1日(木・祝)にギリシア、1986年1月1日(水・祝)にスペインとポルトガルがそれぞれ当時のEEC(現EU)に加盟。

c ギリシア - エストニア ⇒ 誤りだが、ギリシアのみ正解。エストニアは南欧ではない。エストニアのEU加盟は2004年5月1日(土)。

d スイス - エストニア ⇒ 誤り。スイス(上記aを参照)もエストニア(上記cを参照)も、ともに南欧ではない。

問9 ク にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

c が正解

a パリ憲章 ⇒ 誤り。パリ憲章(Paris Charter; Charter of Paris for a New Europe)とは、1990年にパリで開催された全欧安全保障協力機構(OSCE: 上記の問2bを参照)で採択された憲章。

b シェンゲン協定 ⇒ 誤り。シェンゲン協定(Schengen Agreement)とは、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定。欧州連合(EU)の前身である欧州共同体(EC)に加盟していた当時の10加盟国のうち、フランスと西ドイツとベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の計5ヶ国が、圏内における国境検査の撤廃を目的に、1985年6月14日(金)にルクセンブルクのシェンゲン町付近を流れるモーゼル川に投錨(とうびょう)していた船の上で署名した文書。その五年後の1990年6月19日(火)には第2次シェンゲン協定(シェンゲン協定施行協定)が結ばれ、1995年3月26日(日)に発効した。2017年1月現在、26ヶ国が加盟してシェンゲン圏(Schengen Area)を形成し、渡航者が圏(エリア)内に入域、または圏外へ出域する場合にはパスポートや所持品の国境検査を受けるが、圏内の国境(仏独国境や仏伊国境など)を越える際には検査を受けない取り決めになっている。この点で加盟26ヶ国がまるで単一の国家のようになっている。島国の英国(連合王国)とアイルランドはシェンゲン圏には含まれない。

c 単一欧州議定書 ⇒ 正解。単一欧州議定書(SEA: Single European Act)とは、ローマ条約(問4cを参照)を初めて大規模に修正し、単一欧州市場と欧州政治協力を正式に設立した議定書。1986年2月28日(金)に調印され、1987年7月1日(水)に発効。

d ヘルシンキ宣言 ⇒ 誤り。ヘルシンキ宣言(Helsinki Accords; Helsinki Declaration; Declaration of Helsinki)とは、1975年7月30日(水)から8月1日(金)にヘルシンキ(フィンランドの首都)で開催された全欧安全保障協力機構(OSCEの前身であるCSCE: 上記の問2bを参照)で採択された最終合意文書。

問10 下線部Dについて説明した次の文のうち、誤っているものを1つ選び、その記号をマークしなさい。

d にマーク

a 1989年10月に東ドイツ社会主義統一党書記長ホーネッカーが退陣した。 ⇒ 正しいのでマークしない。

b 1961年に東ドイツが構築したベルリンの壁が1989年11月に開放された。 ⇒ 正しいのでマークしない。

c 1990年3月に東ドイツの自由選挙で早期統一を主張する連合党派が勝利した。 ⇒ 正しいのでマークしない。

d 西ドイツ首相がキリスト教民主同盟のブラントのとき、正式にドイツは統一した。 ⇒ 誤りなので、d にマーク。社会民主党(SPD エスペーデー)の党首だったブラント(Willy Brand, 1913-92; 首相在任1969-74)が誤りで、正しくはキリスト教民主同盟(CDU ツェーデーウー)の党首だったコール(Helmut Kohl, b.1930; 首相在任1982-98)。

問11 ケ にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

d が正解

a ローマ ⇒ 誤り。「ローマ条約」については上記の問4cを参照。

b アムステルダム ⇒ 誤り。アムステルダムはオランダ王国の首都。「アムステルダム条約」とは、1957年3月25日(月)のローマ条約(上記の問4cを参照)やマーストリヒト条約(下記のdを参照)などの欧州連合(EU)の基本条約に大幅な変更を加えた条約。1997年10月2日(木)に調印され、1999年5月1日(土)に発効した。

c ブリュッセル ⇒ 誤り。ブリュッセルはベルギー王国の首都であるばかりでなく、欧州連合(EU)の事実上の首都機能を持つ。「ブリュッセル条約」とは、欧州の3共同体(欧州石炭鉄鋼共同体、欧州経済共同体、欧州原子力共同体)の組織体制を統合する条約。1965年4月8日(木)にブリュッセルで調印され、1967年7月1日(土)に発効した。

d マーストリヒト ⇒ 正解。マーストリヒト条約とは、通貨統合と政治統合の分野について協議を重ね、欧州連合の創設を定めた条約。1991年12月9日(月)に欧州共同体(EC)加盟国間での協議がまとまり、1992年2月7日(金)に調印、1993年11月1日(月)に発効した。

問12 下線部Eについて、ユーロを導入していない国はどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

a が正解

a イギリス ⇒ 正解。今でも自国通貨である英貨ポンド(the pound sterling)を使い続けている。

b オーストリア ⇒ 誤り。通貨同盟原加盟国(ユーロ導入の最古参)のうちの一つ。

c イタリア ⇒ 誤り。通貨同盟原加盟国(ユーロ導入の最古参)で尚(なお)且(か)つ欧州連合の原加盟国のうちの一つ。

d ベルギー ⇒ 誤り。通貨同盟原加盟国(ユーロ導入の最古参)で尚且つ欧州連合の原加盟国のうちの一つ。

問13 下線部Fについて、この28カ国に含まれない国はどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

b が正解

a ハンガリー ⇒ 誤り。2004年5月1日(土)に他の9ヶ国とともに加盟。

b トルコ ⇒ 正解。イスラム教徒が多数派を占める国がEUに加盟した例は今のところない。

c キプロス ⇒ 誤り。2004年5月1日(土)に他の9ヶ国とともに加盟。

d ブルガリア ⇒ 誤り。2007年1月1日(月・祝)にルーマニアとともに加盟。

問14 コ にあてはまるものはどれか。1つ選び、その記号をマークしなさい。

a が正解

a 5億 ⇒ 正解。地球人口の約7%に相当。米国ですら約3億人超の人口しかおらず、ロシアですら約1億4千万人の人口しかいない。

b 10億 ⇒ 誤り。インドですら約12億人しかいない。

c 15億 ⇒ 誤り。中国ですら約13億人しかいない。

d 20億 ⇒ 誤り。地球人口は約70億人とされている。地球人口の30%近くが欧州に集中することはありえない。

問15 下線部Gについて、アメリカ合衆国がEUに対抗する目的もあって1994年に発足させたカナダ・メキシコとの自由貿易協定はどれか。1つを選び、その記号をマークしなさい。

c が正解

a ANZUS ⇒ 誤り。Australia, New Zealand, United States Security Treaty の略で、「太平洋安全保障条約(アンザス)」と通常は訳されるが、直訳すれば、「豪州・NZ・米国安全保障条約」となる。文字通り豪州・NZ・米国の3国がアジアの共産化を阻止する目的で1951年9月1日(土)に調印した。1985年にニュージーランドが非核宣言したため、同国は事実上この同盟から離脱している。

b APEC ⇒ 誤り。Asia-Pacific Economic Cooperation の略で、「アジア太平洋経済協力(エイペック)」と訳される。環太平洋地域における多国間経済協力を進めるための非公式なフォーラムとして1989年に発足した。APEC には、多くの国から国家承認されていない台湾や、中国の特別行政区(初参加当時は英領)である香港が参加しているため、参加国・地域を指す場合には、「国」ではなく「経済圏」という意味の「エコノミー」という語が用いられる。参加しているのは計21エコノミー。

c NAFTA ⇒ 正解。North American Free Trade Agreement の略で、「北米自由貿易協定(ナフタ)」と訳される。EUに対抗して米国がカナダとメキシコを誘って作った北米独自の多国間経済圏のための協定で、1994年1月1日(土)に効力を発揮。ところが2017年1月20日(金)に就任した米国のトランプ(Donald Trump, b.1946; 大統領在任2017-)大統領は、米国のNAFTAからの離脱を示唆し、カナダとメキシコに再交渉を求めている。

d OAS ⇒ 誤り。Organization of American States の略で、「米州機構」と訳される。1948年4月30日(金)に調印されたボゴタ憲章(米州機構憲章)に基づいて、1951年12月13日(木)に発足した国際機関。アメリカ合衆国の連邦首都ワシントンDC市に本部を置く。2017年1月現在、北米・中米・南米の南北アメリカ大陸(the Americas)とカリブ海の全独立国35ヶ国が加盟している。日本を含む69ヶ国と欧州連合(EU)が常任オブザーバーの資格をもつ。平和と安全保障・紛争の平和解決や加盟諸国の相互躍進を謳(うた)っているが、1970年代以降、機構は形骸化(けいがいか)し、最重要の問題を扱う場ではなくなった。

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【附録】前期授業資料17番~19番(https://sites.google.com/site/xapaga/home/universitytimeline4 / https://sites.google.com/site/xapaga/home/universitytimeline5 / https://sites.google.com/site/xapaga/home/universitytimeline6 )の年表から一部を抜粋

1973年1月1日(月・祝) 保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)のヒース(Sir Edward Heath, KG, MBE, 1916–2005)内閣の主導で、連合王国(UK: United Kingdom)がスペインと陸続きの英国海外領土(a British Overseas Territory)ジブラルタル(Gibraltar)と同時に、漸(ようや)く現在の欧州連合(EU: European Union)の前身である欧州共同体(EC: European Community; 資料によっては European Communities)に加盟。それまではフランス共和国のドゴール(Charles de Galle, 1890-1970; 共和国大統領在任1959-69)大統領が英国の加盟を強硬に阻止してきたが、ドゴールの死去を受けて加盟が可能となった。なお、デンマーク王国(及びデンマーク王国海外郡グリーンランド)とアイルランド共和国も同時に加盟したが、グリーンランドは1979年にデンマーク王国海外郡からデンマーク王国自治領に昇格し、加盟から約十二年後の1985年2月1日(金)に当時のEC(現EU)から脱退した。

1975年6月5日(木) 二年半前の1973年1月1日(月・祝)に加盟した現在の欧州連合(EU: European Union)の前身に相当する欧州共同体(EC: European Community; 資料によっては European Communities)への残留の是非(ぜひ)を問う国民投票(Referendum)を労働党(Labour Party)のウィルソン(Harold Wilson, 1916-95; 首相在任1964-70 & 1974-76)内閣が実施。賛成票67.23%、反対票32.77%、無効票0.21%の結果となり、残留派の圧勝となる。なお、これは英国全土で実施された史上初の国民投票(1975 United Kingdom European Communities membership referendum)であるが、地域限定の住民投票としては二年前の1973年5月8日(火)に実施された北アイルランド国境線住民投票(1973 Northern Ireland border poll)が英国史上初である。

1989年11月9日(木) 分断国家の東西ドイツを残酷に分け隔て、しかも米英仏の戦勝三ヶ国の軍隊に占領された西ドイツ領の西ベルリン(独 West-Berlin; 英 West Berlin)を包囲して内陸の島のように孤立化させるべく、東ドイツの独裁政権が二十八年前の1961年に築いたベルリンの壁(独 Berliner Mauer; 英 Berlin Wall)を、抑圧された東ベルリン(独 Ost-Berlin; 英 East Berlin)市民たちが部分的に破壊。これ以後は、東西ドイツの行き来が自由になる。「ベルリンの壁の崩壊」という世界史的大事件。

1989年12月3日(日) 米ソ首脳会談を開催中の地中海の真ん中に位置する旧英領マルタ島(マルタ共和国)にて冷戦終結が宣言される。第二次世界大戦(Second World War; World War II, 1939-45)末期から続いていた米ソ両陣営による「冷たい戦争」こと、冷戦(Cold War, 1945-89)の終結をアメリカ合衆国(USA: United States of America)のブッシュ(George H. W. Bush, 1924-2018; 大統領在任1989-93)大統領=通称 パパ・ブッシュ(Papa Bush)と、ソヴィエト連邦(ソ連)のゴルバチョフ(Михаил Сергеевич Горбачёв = Mikhail Sergeyevich Gorbachov; 英 Mikhail Gorbachev, b.1931; ソ連最高指導者・ソ連共産党中央委員会書記長在任1985-91; 大統領在任1990-91)書記長=通称 ゴルビー(Gorby)が高らかに宣言。世界のマスコミは「ヤルタからマルタへ」(From Yalta to Malta)という語呂合わせで、1945年2月4日(日)から11日(日)にかけて開催されたヤルタ会談(Yalta Conference)で冷戦が開始されたが、四十五年近く後のマルタ会談(Malta Conference)で冷戦が終結したことを祝福した。

1989年末 同年11月9日(木)のベルリンの壁の崩壊を受けて東欧諸国で独裁体制が連鎖(ドミノ)的に倒れ、米ソ両陣営の冷戦(Cold War, 1945-89)が事実上終結。

1990年10月3日(水) 前年(1989年)11月9日(木)のベルリンの壁の崩壊を受け、西ドイツが東ドイツを吸収合併する形で東西ドイツが統一。

1990年11月1日(木) 英国最大の発行部数を誇る右翼系の大衆紙ザ・サン(The Sun: 「太陽」の意)が一面トップに Up Yours Delors (アッピョーズ・ドゥローズ: 「くたばれドゥロール」の意 https://www.thesun.co.uk/archives/politics/116590/europes-dream-it-crumbled-and-died/ )という見出し(headline)を載せ、欧州委員会(European Commission)のジャック・ドゥロール(Jacques Delors, b.1925; 欧州委員会委員長在任1985-95)委員長を名指しで挑発。しかもサン紙は逆Vサイン(reverse V sign: 日本では誤って「逆ピースサイン」)の写真も併(あわ)せて掲載。英国や豪州の文化で逆Vサインは、北米(米国+カナダ)で中指を相手に対して突き立てる動作に相当し、喧嘩(ケンカ)を売る行為(相手に対する侮辱や威嚇や挑発など)とされている。

1990年11月22日(木) 仏独が中心となって推進している欧州統合(European integration)に冷や水を浴びせ続けたサッチャー(Margaret Thatcher; Baroness Thatcher, 1925-2013; 首相在任1979-90)内閣総理大臣=後のサッチャー女男爵(Baroness Thatcher, 1925-2013)が、辞任を表明。前年(1989年)に正式名称「共同体課金」(Community Charge)=通称「人頭税」(じんとうぜい: poll tax or capitation tax)という時代錯誤した金持ち優遇の税金を導入して国民の反撥を買い、各地で暴動が起きていた。保守党内にもサッチャー続投では次の選挙で勝てないとする声が高まっていた。「共同体課金」(Community Charge)は1993年に「地方自治体税」(Council Tax)に置き換わるまで続いた。なお、この日はアメリカのケネディー(JFK: John Fitzgerald Kennedy, 1917-63; 大統領在任1961-63; ハーヴァード大学卒)大統領暗殺事件から二十七周年に相当。

1990年11月28日(水) サッチャー(Margaret Thatcher; Baroness Thatcher, 1925-2013; 首相在任1979-90)内閣が退陣。後任には同じ保守党(Conservative Party; 通称・別称・蔑称 Tories)でサッチャーの忠実な部下だったジョン・メイジャー(Sir John Major, b.1943; 首相在任1990-97)による内閣が組閣。

2004年5月1日(土) 欧州連合(EU: European Union)が東欧・南欧10ヶ国(北から順にエストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、スロヴェニア、キプロス、マルタ)を取り込み、史上最大の急拡大を実現すると同時に東西欧州市場が統合される。この歴史的大変革に際し、英国は独仏と異なり新規加盟国に甘い顔をしてしてしまう。つまり独仏が東欧労働移民を段階的に何年もかけて渋々受け入れたのとは対照的に、イギリスとアイルランドとスウェーデンは2004年の時点で彼らを大々的に受け入れる。このため不良分子がポーランドなどから英国に大量に入り込んで社会問題を引き起こす。2004年以降に英国に入って来た移民60万人の内、約半数はポーランド人である。 彼らは英国に合法的に好きなだけ居住でき、国民健保(NHS: National Health Service)も受診でき、労働許可証(work permit: たとえば日本国籍者には絶対に必要)も取得せずに勝手に英国内で働ける。

2014年9月18日(木) 三百七年前の1707年5月1日にイングランドと合併しているスコットランドで独立の是非を問う史上初の住民投票(Scottish independence referendum, 2014)が、満16歳以上のスコットランド住民を対象に実施される。接戦が予測されたが、蓋(ふた)を開けてみると、独立派が44.7%、連合王国存続派が55.3%で、スコットランドの独立は取り敢えずは否決される。

2016年5月9日(月) 四日前の5月5日(木)の市長選挙で勝利した労働党(Labour Party)のサディク・カーン(Sadiq Khan, b.1970)英国議会下院議員が史上初のパキスタン系イスラム教徒のロンドン市長(Mayor of London)に就任。国会議員の職は同日辞職。大都市の市長にイスラム教徒が就任するのは欧州初のこと。

2016年6月16日(木) 連合王国(UK: United Kingdom)の欧州連合(EU: European Union)からの離脱の是非(ぜひ)を問う所謂(いわゆる) Brexit referendum (グジット・れファれンダム)なる国民投票が一週間後に迫ったこの日、EU残留派(the Remain side)として言論活動していた最大野党労働党(Labour Party)の下院議員ジョー・コックス(Helen Joanne “Jo” Cox, 1974-2016)女史がEU離脱派(the Leave side)の男によって路上で銃撃され殺害される。残留派への同情票(sympathy votes)が集まることが想定される。なお、Brexit (グジット)とは Britain (ブトゥン: 英国)と exit (グジット: 出ること)を組み合わせた新造語。

2016年6月23日(木) 連合王国(UK: United Kingdom)の欧州連合(EU: European Union)からの離脱の是非(ぜひ)を問う所謂(いわゆる) Brexit referendum (グジット・れファれンダム)なる国民投票が実施される。

2016年6月24日(金) 未明 連合王国のEUからの離脱の是非(ぜひ)を問う国民投票で、EU残留派(the Remain side)が48.11%、EU離脱派(the Leave side)が51.89%という僅差(きんさ)で離脱派が勝利し、今後二年以内の離脱に向けてEUとの交渉に入る。残留派のキャメロン(David Cameron, b.1966; 首相在任2010-16)内閣総理大臣は2016年10月の保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)大会までに今回の敗北の責任を取って辞任することを表明。

2016年6月26日(日) 連合王国のEUからの離脱が決まった直後の週末、ロンドン西部のポーランド社会文化協会(POSK: Polski Ośrodek Społeczno-Kulturalny; 英称 Polish Social and Cultural Association)、通称 ポーランド文化センター(Polish culture centre)が暴徒に襲撃されて損傷を受け、人種差別的な落書きをされる。「英国は今後EUを離脱するのだから、お前たちポーランド人はもう英国に居られなくなってザマァ見ろ!」というメッセージが込められていた。

2016年7月13日(水) 保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)のキャメロン(David Cameron, b.1966; 首相在任2010-16)内閣が総辞職。与党保守党内の対立候補が総裁選に出馬することを断念したため、同日にキャメロン内閣で内務大臣(Home Secretary: 日本の「法務大臣」に相当)を六年間務めてきたメイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)夫人の内閣が組閣。メイ夫人(英 Mrs May; 米 Mrs. May)は英国史上二番目の女性首相(the second Prime Minister in British history)となる。メイ夫人自身は元々欧州懐疑派(Eurosceptic ユーろスプティック)で、ブレグジット国民投票では残留派(the Remain side)に身を置いていたが、皮肉にもEUとの離脱交渉を引き受ける羽目になる。メイ首相は私生活ではテリーザ・ブレイジャー(Theresa Brasier, b.1956)嬢としてオクスフオッド大学聖ヒュー学寮(St Hugh’s College, Oxford)在学中に知り合った1歳年下の同大学リンカン学寮(Lincoln College, Oxford)在学中のフィリップ・メイ(Philip May, b.1957)氏と、同大学卒業後の1980年に満24歳の誕生日が来る前に結婚したが、子供はいない。夫のメイ氏は投資ファンド(investment fund)の顧客関係管理職(customer relationship manager)の職に就いている。

2017年3月29日(水) 英国政府メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣が欧州連合(EU: European Union)に対して離脱の意思を正式通告。EUの規定により、この通告から2年以内に英国はEUから離脱する必要がある。

2017年4月18日(火) メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が大ロンドン市ウェストミンスター区ダウニング街10番地(10 Downing Street, City of Westminster, Greater London)の首相官邸前に記者団を集め、玄関前の階段に立って記者会見を実施。その内容は、議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(the House of Commons)の選挙日程を三年早めた総選挙(General Election)を六週間後の同年6月8日(木)に実施するとの突然の発表だった。英国の首相は日本の首相同様に(日本が単に英国を模倣しただけだが)議会解散権(mandate to dissolve Parliament)を有している。但し、2011年定期議会法(FTPA: Fixed-term Parliaments Act 2011)が施行されて以来、首相による議会解散権が制限され、下院議員の三分の二(two thirds of MPs)が解散総選挙への賛成票を投じない限りは成立しない。欧州連合(EU: European Union)からの離脱の方針・方法について国民の信を問うための選挙であり、既に決まっているEU離脱の是非を再度問うわけではないとのことだが、EU当局は英首相の突然の発表に当惑したという。メイ首相の発表のニュースは欧州委員会(European Commission)の定例記者会見中に飛び込んだが、同委員会の広報官は「ノーコメント」を貫く。英マスコミ各社は「抜き打ち総選挙」(snap general election: 日本で言う「解散総選挙」に相当)と一斉に報じたが、首相本人は「抜き打ち(snap)」という用語には同意せず。なお、議会上院(the Upper House of Parliament)=貴族院(the House of Lords)に選挙は無く、無給ボランティア議員がいるのみ。そして翌日(2017年4月19日(水))に下院議員の三分の二を大幅に超える賛成票が投じられ、同年(2017年)6月8日(木)に総選挙を実施することが正式決定。

2017年6月8日(木) 同年(2017年)5月22日(月)に三番目の規模の都市マンチェスターで、そして6月3日(土)に首都ロンドンで、イスラム教過激派によるテロ事件が相次いだ(同年3月22日(水)のロンドンでのテロを入れると3連続)にも拘(かか)わらず、議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(the House of Commons)の総選挙(General Election)が予定通り実施される。メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣の与党保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)は選挙直前の1週間で最大野党の労働党(Labour Party)党首コービン(Jeremy Corbyn, b.1949)氏の猛烈な追い上げを受け、しかもキャプテン・スカー(Captain SKA)によるメイ首相に対する中傷ソング ‘Liar Liar’ (「ライヤー・ライヤー」: 「嘘つき嘘つき」の意 https://www.youtube.com/watch?v=HxN1STgQXW8 )なる楽曲がネット上で大ヒット。英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)は選挙での中立公正性(neutrality and fairness)に支障が出ることを恐れ、聴取者たち(listeners)のリクエストに応じることを拒否。

2017年6月9日(金) 未明 前日(2017年6月8日(木))の総選挙(General Election)の開票とその後の修正発表の結果( http://www.bbc.com/news/election/2017/results )、保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)が得票率42.4%で13議席減の318議席にとどまり、定数650の議会で過半数割れ(議席率48.9%)を起こす。つまり議会の半数を抑(おさ)えるのにあと7議席が足りず、過半数にはあと8議席が足りなかった。それでも保守党が議会最大政党であることには変わりがなく、政権交代はない。対する労働党(Labour Party)は得票率40.0%で30議席増の262議席(議席率40.3%)と大健闘した。これは保守党が推進していた緊縮財政(austerity measures)に対して有権者の嫌気がさしたことが最大の理由と考えられる。緊縮財政とは、メイ夫人(英 Mrs May; 米 Mrs. May)がキャメロン(David Cameron, b.1966; 首相在任2010-16)内閣の内務大臣(Home Secretary: 日本の「法務大臣」に相当)を六年間務めていた時代に警察組織を2万人も削減したことや、やはりキャメロン内閣時代に起きた大学の学費(tuition fee)の高騰(こうとう)、それにメイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣での国民健康保険制度(NHS: National Health Service)の予算削減や身障者への補助金削減が含まれる。そのため保守党は大学生をはじめとした若者の間で不人気である。迎え撃つ労働党は、そうした有権者の不満をうまく引き出し、議席の大幅増に繋(つな)げる。抜き打ちの選挙を実施することで政権基盤を盤石(ばんじゃく)なものにしようと画策(かくさく)したメイ首相だったが、蓋(ふた)を開けてみれば大誤算と判明。キャメロン前首相が二年前の2015年5月7日(木)の総選挙で大勝利した折角(せっかく)のレガシー(legacy)を台無しにしてしまう。そして議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(House of Commons)は、今や決定的な勝者としての政党が無い所謂(いわゆる)「宙づり議会」(a hung parliament)となる。以後は英国の政策決定に多大な障碍(しょうがい)が出る。メイ首相は、自党の過半数割れという事態を乗り切るため、北アイルランドのプロテスタント系地域政党である民主ユニオニスト党(DUP: Democratic Unionist Party; 「ユニオニスト」とは北アイルランドが今後とも連合王国の一部であることを望む立場)に政権への協力を促す。結果として僅(わず)か10議席しか持たないミニ政党であるDUPがキャスティングヴォート(casting vote: 議会で賛否が対立しているとき、会議の議決を決める決定権を少数の第三党が持ってしまうこと)を握るのではないかと危惧する声が出る。

2017年11月9日(木) 深夜 メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が2017年11月9日(木) 23:30更新、紙版では同年(2017年)11月10日(金)付の日刊テレグラフ紙(The Daily Telegraph)に寄稿し、「英国は2019年3月29日午後11時に欧州連合から離脱することを法律に明記する」( http://www.telegraph.co.uk/news/2017/11/09/determined-give-country-best-possible-brexit/ )と表明。メイ首相がEU離脱の具体的な日時を明言したのはこれが初めて。午後11時=23時とは、一見中途半端な時間に見えるが、英国時間よりも常に1時間進んでいる中欧時間(CET: Central European Time)という時間帯に位置するベルギー王国首都ブリュッセル(仏 Bruxelles; 蘭 Brussel; 独 Brüssel; 英 Brussels)市=欧州連合(EU: European Union)の事実上の首都では、2019年3月29日(金) 24時=2019年3月30日(土) 夜半0時ということになる。メイ首相は半年以上前の2017年3月29日(水)の時点で連合王国(UK: United Kingdom)の離脱の意思をEUに対して正式に通告していたが、EUの規定により、通告から2年以内に英国はEUから離脱する必要があるため、ギリギリの時間を選んだ次第。

2018年7月8日(日) 欧州連合離脱省(Department for Exiting the European Union)のトップであるデイヴィッド・デイヴィス(David Davis, b.1948)欧州連合離脱大臣(Secretary of State for Exiting the European Union)=通称ブレグジット大臣(Brexit Secretary)が辞任。テリーザ・メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が、英国の欧州連合(EU: European Union)からの離脱=ブレグジット(Brexit)後もEUと強固な経済関係を保持する柔軟路線(EUとの貿易や人の移動などについてEU規則との協調継続を受け入れる計画)で党内を纏(まと)めようとしていることに反撥したものと見られている。ブレグジットをめぐる内閣の意見の不一致が露(あら)わになり、メイ内閣に大きな痛手となる。デイヴィス氏は「ブレグジットの顔」としてEUとの交渉団を率いていたが、2018年になるとメイ首相とその側近らが重要な交渉を担うことが多くになり、デイヴィス氏の影響力は低下していた。

2018年7月9日(月) 前日(2018年7月8日(日))の欧州連合離脱省(Department for Exiting the European Union)のデイヴィス(David Davis, b.1948)大臣の辞任に続いて、スティーヴ・ベイカー(Steve Baker, b.1971)政務官(Parliamentary Under-Secretary of State for Exiting the European Union )が辞任。デイヴィス氏に同調してメイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣に反撥したものと見られている。また、追加で飛び込んできたニュースとして、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)外相も同日に辞任。そもそもジョンソン氏は二年前の2016年6月23日(木)に実施された連合王国(UK: United Kingdom)の欧州連合(EU: European Union)からの離脱の是非(ぜひ)を問う所謂(いわゆる) Brexit referendum (グジット・ファれンダム)なる国民投票で、EU離脱派(the Leave side)の急先鋒だったため、投票前は欧州懐疑派(Eurosceptic)で尚且(なおか)つEU残留派(the Remain side)であり、投票後は離脱穏健派(soft Brexit bench)のメイ首相とは意見が大きく異なっていた。離脱強硬派(hard Brexit bench)のジョンソン氏はメイ首相を蹴落として首相の座を手に入れる野心を持つ者と理解されており、メイ内閣崩壊の序曲とも考えられる。ブレグジットをめぐる内閣の意見の不一致が二日連続で露(あら)わになり、メイ内閣に大きな痛手となったことは確かである。

2018年11月25日(日) メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が欧州連合(EU: European Union)27ヶ国首脳たちとの間で、英国の離脱条件を具体的に示したEU離脱協定案に合意。ところがこの協定案は僅(わず)か七週間後の2019年1月15日(火)に英国議会下院(Lower House of Parliament)=庶民院(House of Commons)での採決で歴史的大差をもって否決されることになる。

2019年1月14日(月) 19:00 女性博士による体を張った講演。ケイムブリヂ大学ゴンヴィル&キーズ学寮(Gonville and Caius College, Cambridge)のヴィクトリア・ベイトマン(Victoria N. Bateman, b.1979)博士(経済学)=39歳が、ケイムブリヂ市内の劇場(1990年開館)であるケイムブリヂ・ジャンクション(Cambridge Junction)にてブレグジット(Brexit: 英国のEUからの離脱)に抗議するため「ブレグジット: 丸裸の真実」(Brexit: The Naked Truth)と題して18歳未満入場禁止の全裸パフォーマンス( http://vnbateman.com/brexit.html / https://vimeo.com/314265471 )を敢行する。講演の最後には聴衆に対して自分の体にブレグジットに反対するための署名をするよう呼びかける。この異様なパフォーマンスのお蔭で、内外のマスコミの注目を浴びる。なお、ベイトマン博士は常日頃から売春婦の権利やその経済効果を擁護(ようご)してきた論客として一部の人々には知られている。

2019年1月15日(火) メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が欧州連合(EU: European Union)27ヶ国首脳たちとの間で、ほんの七週間前の前年(2018年)11月25日(日)に合意したばかりのEU離脱協定案が英国議会下院(Lower House of Parliament)=庶民院(House of Commons)での採決で、歴史的大差をもって否決される。政権与党の保守党(Conservative Party; 通称・別称・蔑称 Tories)からも造反組を出してしまったことが首相の敗因。

2019年1月29日(火) 二週間前の同年(2019年)1月15日(火)に英国議会下院(Lower House of Parliament)=庶民院(House of Commons)での採決で前年(2018年)11月25日(日)に合意したばかりのEU離脱協定案が否決されたことを受け、アイルランド共和国と北アイルランドとの複雑な国境問題を含む修正案の7本中2本が議会下院で可決される。メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)首相は離脱協定案をEU側と再交渉する羽目になる。

2019年1月30日(水) 前日(2019年1月29日(火))の英国議会下院(Lower House of Parliament)=庶民院(House of Commons)での修正案可決を受け、欧州連合(EU: European Union)のユンケル(Jean-Claude Juncker, b.1954)欧州委員会委員長とバルニエ(Michel Barnier, b.1951)首席交渉官が欧州議会で声明(statement)を発表。両名は離脱協定を再交渉することはないと明言し、英国側に釘を刺(さ)す。同年(2019年)3月29日(金) 23:00の期限を目前に「合意なき英国離脱」(no-deal Brexit)の可能性が高まる。

2019年3月29日(金) 連合王国(UK: United Kingdom)が欧州連合(EU: European Union)から離脱する予定だったが、この日に内閣の提案する離脱案が英国議会で三度目の否決の憂き目に遭い、離脱は同年(2019年)4月12日(金) 23:00まで延期となる。

2019年4月5日(金) 連合王国(UK: United Kingdom)の欧州連合(EU: European Union)からの離脱をめぐり、英国のメイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が欧州理事会(European Council)のトゥスク(Donald Tusk, b.1957; 大統領在任2014-19)大統領に書簡を送り、離脱期限になっている2019年4月12日(金)を同年(2019年)6月30日(日)まで再延期するよう要請。

2019年4月11日(木) 英国のメイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣の要請を受けた欧州連合(EU: European Union)が緊急首脳会議を開き、英国の離脱期限を2019年10月31日(木) 23:00にまで再延期することで合意に達する。

2019年5月24日(金) テリーザ・メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が、ダウニング街10番地(10 Downing Street, City of Westminster, Greater London)の首相官邸前でスピーチを読み上げ( https://sites.google.com/site/xapaga/home/theresamayspeech24may2019 )、二週間後の同年(2019年)6月7日(金)に首相の職を辞任すると発表。スピーチの最後には涙声を詰まらせ、背中を見せて官邸に入る。

2019年6月10日(金) テリーザ・メイ(Theresa May, b.1956; 首相在任2016-19)内閣総理大臣が二週間前の発表通り首相を辞任。但し、与党保守党内で後継の首相を選出するまでは、暫定首相(acting Prime Minister)として職務を継続。

2019年7月23日(火) 離脱強硬派(a hard Brexiter; a hard Brexiteer)のボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)元外務大臣・元ロンドン市長=55歳が、与党保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)の党首選(leadership election)の最終局面の一騎打ちでジェレミー・ハント(Jeremy Hunt, b,1966)外務大臣=52歳を得票数92,153対46,656の大差(ジョンソン氏の得票を100とした場合、ハント氏は50.63%)で下し、党首に選出されたことで、翌日(票数92,153対46,656)2019年7月24日(水))にも総理大臣(Prime Minister)に就任することが決定。

2019年7月24日(水) ボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)元外務大臣・元ロンドン市長=55歳が総理大臣(Prime Minister)に就任(https://sites.google.com/site/xapaga/home/borisjohnsonspeech24july2019 )。

2019年10月31日(木) ブレグジット(Brexit: 「連合王国(UK: United Kingdom)の欧州連合(EU: European Union)からの離脱」)の期限だったが、UKとEU加盟27ヶ国との交渉が纏(まと)まり、北アイルランドとアイルランド共和国の間の国境線での検問・税関を復活させないという合意ができ、離脱期限が2020年1月31日(金)に延長となる「合意なき英国離脱」(no-deal Brexit)はひとまず回避されたことが好感され、離脱期限は三ヶ月後の2020年1月31日(金) 23:00まで延期。

2019年12月12日(木) ボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)内閣総理大臣が議会を同年(2019年)11月6日(水)に解散したことを受け、議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(the House of Commons)の解散総選挙(general election)が実施される。なお、; 首相在任2019-2011年定期議会法(FTPA: Fixed-term Parliaments Act 2011)が施行されて以来、首相による議会解散権が制限され、下院議員の三分の二(two thirds of MPs)が解散総選挙への賛成票を投じない限りは成立しない。

2019年12月13日(金)朝 前日(2019年12月12日(木))実施された議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(the House of Commons)総選挙(General Election 2019)の結果が発表され、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-; オクスフオッド大学ベァリオル学寮卒)内閣総理大臣=55歳が率いる与党保守党(Conservative Party; 別称・蔑称 Tories)が大方の予想に反して圧勝し、議会での安定多数(a working majority)を確保。保守党が大勝し、サッチャー(Margaret Thatcher; Baroness Thatcher, 1925-2013; 首相在任1979-90)内閣第三期(the third government of Margaret Thatcher, 1987-90)に繋(つな)がった1987年総選挙(General Election 1987)以来、三十二年ぶりの大勝利と成った。今回の選挙の大きな特徴は、従来まで労働党(Labour Party; 略称 Labour)の牙城(がじょう: strongholds)とされてきた選挙区(constituencies)で保守党が勝利したことである。そして野党第一党の労働党は惨敗し、コービン(Jeremy Corbyn, b.1949)氏=70歳はテレビカメラの前で党首を辞す考えを示す。また、野党第三党の自由民主党(Liberal Democrats; 略称 Lib Dems)も惨敗し、党首のスウィンソン(Joanne “Jo” Kate Swinson, b.1980)女史=39歳ですら落選という憂き目に遭う。落選した元議員が党首の座に留まることは許されないため、スウィンソン女史は即日党首の職も失う。ジョンソン首相にとって議会での賛成票を獲得しやすい環境が整ったため、2020年1月31日(金) 23:00迄にブレグジット(Brexit: 連合王国の欧州連合からの離脱)が実現できる公算が高まる。ジョンソン首相にとって最大の頭痛の種は、スコットランド民族党(Scottish Nationalist Party; 通称 SNP)の大躍進である。この政党はスコットランドの連合王国(UK: United Kingdom)からの分離独立と欧州連合(EU: European Union)への新規加盟を目指している。ニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon, b.1970; 自治政府首相在任2014-)SNP党首・スコットランド自治政府首相=49歳は、2014年9月18日(木)に55.3%対44.7%で否決されたスコットランド住民投票(Scottish Referendum 2014)を2020年にも再度実施することをジョンソン首相に要求すると公言している。しかしながら、ジョンソン首相は二度目の住民投票を認める積りは無いと明言している。また、北アイルランドでは連合王国からの分離と南のアイルランド共和国との統合(United Ireland)を目指すシン・フェイン(Sinn Féin; 略称 SF: アイルランド・ゲール語で「我ら自身」の意)が大躍進していることも悩みの種である。この勢いで行くと2025年頃には連合王国(UK: United Kingdom)という国体(national polity)は消滅し、イングランド&ウェールズ王国(Kingdom of England and Wales)という小国に転落する可能性すら見えてきている。

2020年1月31日(金) 23:00 連合王国(UK: United Kingdom)が欧州連合(EU: European Union)から離脱。EUの事実上の首都ブリュッセルの時刻(中欧時間)では一時間早いため、2020年1月が終わると共にブレグジット(Brexit: 「英国の離脱」)が遂に実現。但し、この時点では完全な離脱ではなく、2020年12月31日(木)までの十一ヶ月間の移行期間に入ったことになる。ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)内閣総理大臣は移行期間の延長を法律で禁じるとしている。EU側にとってみれば、1958年1月1日(水・祝)発効のローマ条約(Treaty of Rome)以来、常に拡大発展を続けてきた多国間組織が初めて一国の離脱という事態(但し、過去には1973年1月1日(月・祝)に連合王国等と同時に加盟したデンマーク王国領グリーンランドが約十二年後の1985年2月1日(金)に離脱した例はある)に直面し、加盟国は27ヶ国に減少。

2020年12月24日(木) 連合王国(UK: United Kingdom)と欧州連合(EU: European Union)は自由貿易協定(FTA: free trade agreement)を締結し、ブレグジット(Brexit)の交渉が完了。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson, b.1956; 首相在任2019-)内閣総理大臣が、欧州連合(EU: European Union)のフォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen, b.1958; 欧州委員会委員長在任2019-)欧州委員会委員長・医学博士・公衆衛生学修士とのトップ会談により、交通や漁業などの分野でも協力関係を維持することで合意に達する( https://www.gov.uk/government/publications/agreements-reached-between-the-united-kingdom-of-great-britain-and-northern-ireland-and-the-european-union / https://www.gov.uk/government/publications/agreements-reached-between-the-united-kingdom-of-great-britain-and-northern-ireland-and-the-european-union/summary-explainer / https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/948093/TCA_SUMMARY_PDF.pdf )。2021年の年明けに関税が復活して経済・社会に混乱をもたらす事態が土壇場で回避される。2016年6月23日(木)のブレグジット国民投票(Brexit referendum)から約四年半をかけてEU離脱を名実ともに完了させた連合王国は今後、「人、モノ・サービス、資本」の自由な移動を保証するEUの単一市場(single market)から抜ける経済的打撃にも直面する。そして選挙公約だったブレグジット(Brexit)を報告すべく、ジョンソン首相はダウニング街10番地(10 Downing Street, City of Westminster, London, UK)の首相官邸から国民へ向けてスピーチを披露( https://sites.google.com/site/xapaga/home/borisjohnsonspeech24dec2020 )し、「我々は新しい、本当に独立した国になる。」と強調。EUの執行機関である欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、ザ・ビートルズ(The Beatles)解散前の楽曲を引用して「長く曲がりくねった道のり(a long and winding road)だったが、われわれはついに合意に達した。合意は公平で、バランスのとれたものだ。合意はイギリスの利益にもかなうと思っており、古くからの友人と新たな関係を始めるうえでの強固な基盤になるものだ。ブレグジット(Brexit)は過去のものとなり、ヨーロッパは前に進み続ける。」と合意を歓迎。英国とEUはFTAを結んだことで、英国がEU加盟国と同等の扱いを受ける移行期間(transition period)が同年(2020年)12月31日(木)の終了後も関税ゼロの貿易を継続する。エネルギーや犯罪捜査などの分野での協力でも合意。同年(2020年)3月から続けてきた交渉では、EU側が英国の海域でフランスやベルギーなどの漁業権継続を求めたのに対し、主権の回復を主張する英国が反発していた。企業間の公平な競争条件を保つ仕組み作りを巡っても、双方は対立してきた。交渉は難航が続き、年内に合意に至らなければ、英国とEUの間で関税が復活し、取引する物品の値段が急激に上がるといった混乱が懸念されていた。英仏の国境には、交渉決裂を想定し、駆け込みで物資を運び込もうとしたトラックが殺到し、しかも新型コロナウイルス(new coronavirus; novel coronavirus; WHO国際名称 Covid-19)の影響も重なり未曽有の大混乱が起きていた。今回の合意が発効するには、双方の議会による承認が必要となる。連合王国(UK)と欧州連合(EU)による合意のポイントとしては、「1)自由貿易協定(FTA: free trade agreement)を結び、2021年1月1日(金・祝)以降も関税ゼロの貿易を続けるが、通関手続きは必要となり、双方の境界では混乱も予想される。2)英国とEUの間で公平な競争が担保されない場合は是正措置を講じる。3)気候変動やエネルギー安全保障など共通の課題について協力を続ける。4)EUの漁業が予見可能性を持てるよう、五年半に亙(わた)る漁業権を確保する。この間、EU側の漁船はこれまで通り英国海域で操業できるが、EUが漁獲枠の25%をイギリスに返すとしている。移行期間が終了した後は毎年協議を行なう。」としている。(同日付の BBC News のオンライン記事と、2020年12月25日(金)付のNHKオンラインの記事と、2020年12月25日(金)付のヤフーニュースに転載された讀賣新聞の広瀬誠ロンドン特派員・畠山朋子ブリュッセル特派員共同署名オンライン記事に依拠)

2020年12月30日(水) 英国議会が欧州連合(EU: European Union)との自由貿易協定(FTA: free trade agreement)を賛成521票、反対73票の大差で承認。EU側のミシェル(Charles Michel, b.1975; 大統領在任2019-)大統領とフォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen, b.1958; 欧州委員会委員長在任2019-)欧州委員会委員長・医学博士・公衆衛生学修士は、英議会の審議に先立って合意文書に署名。本来は欧州議会(European Parliament)による批准手続きが必要だが、間に合わないための措置で、欧州議会は翌年(2021年)以降に批准手続きを行なうとする。(同日付の BBC News のオンライン記事と、産經新聞の板東和正ロンドン特派員署名オンライン記事に依拠)

2020年12月31日(木) 23:00(EUの事実上の首都であるブリュッセルの中央欧州時間では24:00、日本標準時では元日8:00)、欧州連合(EU: European Union)との従来の経済関係が一時的に維持されるとした「移行期間」(transition period)が終了。四年半前の2016年6月23日(木)のブレグジット国民投票(Brexit referendum)から予想以上の紆余曲折を経て、連合王国(UK: United Kingdom)と、スペイン王国と陸続きで隣接する英国海外領土(BOT: British Overseas Territory)ジブラルタル(Gibraltar)はEUから名実ともに離脱する。

2021年3月3日(水) 欧州連合(EU: European Union)加盟国の墺太利(Austria)政府が、オクスフオッド大学(University of Oxford; 通称 Oxford University)と英典合同のアストラゼネカ公開有限会社(AstraZeneca plc: 本社在英国ケイムブリヂ州ケイムブリヂ市)が共同開発した新型コロナウイルス(new coronavirus; novel coronavirus; WHO国際名称 Covid-19)ワクチン(Covishield; 騒動の中、2021年3月25日(木)にVaxzevriaと改名)の使用を停止したと発表。接種を受けた患者2名に血栓(blood clots)が生じ、そのうちの1名が死亡したことを受けての措置。同年(2021年)3月9日(火)までにエストニア、リトアニア、ルクセンブルク、ラトヴィア(Estonia, Lithuania, Luxembourg, Latvia)の4ヶ国も後に続く。更には同年(2021年)3月16日(火)までにはデンマーク、ノルウェー、アイスランド、ブルガリア、アイルランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、オランダ、スロヴェニア(Denmark, Norway, Iceland, Bulgaria, Ireland, Italy, Spain, Germany, France, the Netherlands, Slovenia)の11ヶ国も後に続く。背景には英国のEU離脱(Brexit)による英国とEUの対立があると見られる。同年(2021年)1月第3週にアストラゼネカ社はベルギー工場の稼働が遅れたため、英国へのワクチン供給を優先し、EUへのワクチン供給は当初の約束通りには達成できないとしていて、EUはこれに反撥していた。(2021年3月10日(水)付の欧州医薬品庁(EMA: European Medicines Agency)のウェブページ https://www.ema.europa.eu/en/news/covid-19-vaccine-astrazeneca-prac-preliminary-view-suggests-no-specific-issue-batch-used-austria と、2021年3月11日(木)付の米ワシントンポスト紙のオンライン記事と、2021年3月14日(日)付の BBC News のオンライン記事と、ウィキペディア英語版の Oxford–AstraZeneca COVID-19 vaccine と European Commission–AstraZeneca COVID-19 vaccine dispute の項目2種に依拠)

【参考】

英国議会(UK Parliament)による公式タイムライン

https://commonslibrary.parliament.uk/research-briefings/cbp-7960/

イギリスのEC加盟で「白人優遇法律」が廃止! その意外な理由

ダイヤモンド・オンライン

代々木ゼミナール「東大地理」講師、日本地理学会企画専門委員 宮路秀作(みやじ しゅうさく, 生年非公開)

2021年8月24日(火)

https://diamond.jp/articles/-/280218

https://diamond.jp/articles/-/280218?page=2

https://news.yahoo.co.jp/articles/c3cfdecf0380a421c8294e7a0ea47590cc557499

https://news.yahoo.co.jp/articles/c3cfdecf0380a421c8294e7a0ea47590cc557499?page=2

https://news.yahoo.co.jp/articles/c3cfdecf0380a421c8294e7a0ea47590cc557499/comments

イギリスとEUの“微妙な関係”

NHKニュースウェブ

掲載日・更新日ともに不詳(2016年5月か6月辺り)

http://www3.nhk.or.jp/news/special/brexit/article1.html (リンク切れ)

Brexitで北アイルランド国境問題はどうなるのか

岡崎研究所

2018年1月4日(木)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11445

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11445?page=2

Brexit「合意なき離脱」という崖っぷち

岡崎研究所

2019年2月13日(水)

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15296

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15296?page=2

【施光恒】ヨーロッパ文明の死?

新経世済民新聞

施光恒(せ てるひさ, b.1971)九州大学大学院准教授(政治学)

2018年8月31日(金)

https://38news.jp/europe/12345

欧州「移民受け入れ」で国が壊れた4ステップ

これから日本にも「同じこと」が起きる

東洋経済 Online

施光恒(せ てるひさ, b.1971)九州大学大学院准教授

2018年12月30日(日)

https://toyokeizai.net/articles/-/256915

https://toyokeizai.net/articles/-/256915?page=2

https://toyokeizai.net/articles/-/256915?page=3

https://toyokeizai.net/articles/-/256915?page=4

https://toyokeizai.net/articles/comment/256915

出入国管理法改正案が、12月8日、参議院本会議で可決、成立した。これにより、今後5年で外国人単純労働者を最大約34万人受け入れることが見込まれ、2025年には50万人超を受け入れることも視野に入れていると言われている。

本稿では第2次大戦後、直近では「アラブの春」やシリア内戦以降、欧州による大量の移民受け入れによってどのような深刻な問題が生じたかを描いた『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』を気鋭の政治学者が解説。実質的な「移民法」で、日本がどのようにして移民国家化へ進むのかを予測する。

小見出し1: 「平和ボケ」が「国のかたち」を変えてしまう

(中略)

小見出し2: 入れ替えられる欧州の国民と文化

イギリスをはじめとする欧州各国では、大量移民の影響で民族構成が大きく変わりつつある。本書で挙げられている数値をいくつか紹介したい。各国のもともとの国民(典型的には白人のキリスト教徒)は、少数派に転落していっている。

2011年のイギリスの国勢調査によれば、ロンドンの住人のうち「白人のイギリス人」が占める割合は44.9%である。また、ロンドンの33地区のうち23地区で白人は少数派である〔ちなみに、この数値を発表したイギリスの国家統計局のスポークスマンは、これはロンドンの「ダイバーシティ」(多様性)の表れだと賞賛したそうである!〕。

ロンドンではすでに数年前に白人のイギリス人は少数派になっているのだ。2014年にイギリス国内で生まれた赤ん坊の33%は、少なくとも両親のどちらかは移民である。オックスフォード大学のある研究者の予測では、2060年までにはイギリス全体でも「白人のイギリス人」は少数派になると危惧されている。

(中略)

小見出し3: 欧州社会を統合していたキリスト教の信仰は風前の灯火

(中略)

小見出し4: 同じことが日本でも起こる

(後略)

上記で施准教授が紹介している現在イギリスで最も注目を集める論客、ダグラス・マリー(Douglas Murray, b.1979: 但し、日本では誤ってマレー)

Douglas Murray (b.1979), The Strange Death of Europe: Immigration, Identity, Islam (London: Bloomsbury Continuum, 2017)

直訳 『欧州の奇妙な死 移民、自己同一性、イスラム』)

https://en.wikipedia.org/wiki/Douglas_Murray_(author)

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Strange_Death_of_Europe

https://www.amazon.co.jp/product-reviews/1472958004/ref=acr_dpproductdetail_text?ie=UTF8&showViewpoints=1

上記の邦訳本

『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』(東洋経済新報社, 2018年)

https://www.amazon.co.jp/product-reviews/4492444505/ref=acr_dpproductdetail_text?ie=UTF8&showViewpoints=1

上記書籍の関連動画(英語のみ)

The Death of Europe, with Douglas Murray

(欧州の死、ダグラス・マリーと共に)

2019年10月7日(月) 公開

https://www.youtube.com/watch?v=eQXHc-tJMXM

【ブレグジット発生前後】

[動画]

Brexit Basics: The transition

(ブレグジットの基本: 移行期間)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年1月22日(水)

https://www.bbc.com/news/av/uk-45965825/brexit-basics-the-transition-period-explained

Brexit: All you need to know about the UK leaving the EU

(ブレグジット: UKがEUを離脱することについてあなたが知るべき全て)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年1月27日(月)

https://www.bbc.com/news/uk-politics-32810887

【解説】 ブレグジットで変わること、変わらないこと

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

トム・エディントン(Tom Edgington)記者署名記事

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/news/uk-politics-51194363

[上記記事の英語版]

Brexit: What will change after Friday, 31 January?

(ブレグジット: 1月31日(金)の後で何が変わるのか)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

トム・エディントン(Tom Edgington)記者署名記事

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/news/uk-politics-51194363

【寄稿】 ブレグジットについてイギリス人はもう合意しているのか?

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

サー・ジョン・カーティス(Sir John Curtice)英ストラスクライド大学教授署名コラム

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51321391

[上記コラムの英語版]

Brexit: Do Britons now agree about leaving the EU?

(ブレグジット: 英国人たちはEUを離脱することについて今や合意しているのか)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

サー・ジョン・カーティス(Sir John Curtice)英ストラスクライド大学教授署名コラム

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/news/uk-politics-51268688

[動画]

ブレグジットへの道 43カ月を116秒で

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/japanese/video-51321497

[上記動画の英語版]

Brexit: How did we get here? The past four years in two minutes

(ブレグジット: 我々はどうやってここまで来たのか。過去4年を2分で)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/news/av/uk-politics-51296015/brexit-how-did-we-get-here-the-past-four-years-in-two-minutes

[動画]

イギリスのEU離脱、何がどう変わる?

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/japanese/video-51321614

[上記動画の英語版]

Brexit: What happens now?

(ブレグジット: 今何が起こるのか)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年1月31日(金)

https://www.bbc.com/news/av/world-51317490/brexit-what-happens-now

[動画]

イギリス、EU離脱の瞬間 ビッグベンの録音で

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

2020年1月31日(金)(日本時間 2020年2月1日(土))

https://www.bbc.com/japanese/video-51336388

[動画]

Brexit: Celebrations and commiserations

(ブレグジット: 祝賀会と慰めの言葉)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年2月1日(土)

https://www.bbc.com/news/video_and_audio/headlines/51335804/brexit-celebrations-and-commiserations

【参考記事とツイッター動画】

「紅茶は英国製ではありません」。EU離脱でBBCの教育番組が強烈な皮肉(動画)

ヴィクトリア女王に扮した女性に次々と「不都合な真実」が突きつけられる動画は、290万回以上再生されています。

ハフポスト(Huffpost)日本版

中崎太郎(なかざき たろう)記者署名記事

2020年2月2日(日)

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story-bbc-britishthings_jp_5e368eb9c5b6f262332ac3b3

https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1580708253/

イギリスの公共放送BBCが、子ども向けチャンネルであるCBBCの番組で、イギリスのEU離脱を揶揄したとして、注目を集めている。動画を投稿したTwitter上では、賛否の意見が飛び交っている。

話題になっているのは、CBBCの人気番組「Horrible Histories(おそろしい歴史)」。学校で教わらない歴史の側面を、面白おかしく紹介するコメディー番組だ。イギリスがEUから離脱した1月31日に、CBBCの公式アカウントで動画をTwitterに投稿。2月2日までに290万回以上再生されている。

https://twitter.com/cbbc/status/1223170327188058113

動画は、「イギリスはヨーロッパを去る。行け、イギリス!」と男性が呼びかけて始まる。ヴィクトリア女王に扮した女性が、「イギリスのもの、イギリスのもの」と歌いながら、紅茶を頼み、砂糖を入れようとする。すると、サーブしようとしたばとら男性が「紅茶はイギリスのものではなく、インドから持ってきたものです」「砂糖はカリブ海から輸入されました」と矢継ぎ早に、「不都合な真実」を女王に告げる。

ヴィクトリア女王は、世界中に植民地支配を広げた大英帝国時代を象徴する存在として知られる。紅茶の紹介では、インド支配の過程で多数の犠牲があったことや、カリブ海での砂糖生産は奴隷労働があったことなどにも触れられている。

(改行・後略)

ついに完結…結局「ブレグジット」とは何だったのか?

現代ビジネス

ジャーナリスト(元毎日新聞欧州総局長) 笠原敏彦(かさはら としひこ, b.1959)長崎県立大学教授署名記事

2020年12月30日(水)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78835

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78835?page=2

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78835?page=3

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78835?page=4

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78835?page=5

https://news.yahoo.co.jp/articles/fa1142afba008602e6154ce6807eb6ab7ccb9672 (リンク切れ)

イギリスにとって新時代始まる EU離脱完了

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

2021年1月1日(金・祝)

https://www.bbc.com/japanese/55504697

https://news.yahoo.co.jp/articles/cd768661370a7597a9aefcb642a646509599e83d (リンク切れ)

[もとの英語記事]

Brexit: New era for UK as it completes separation from European Union

(ブレグジット: 連合王国にとっての新時代 欧州連合からの離脱完了で)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)日本語版

2021年1月1日(金・祝)

https://www.bbc.com/news/uk-politics-55502781

一周回って当然の結果に終わったブレグジット

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版

コリン・ジョイス(Colin Joyce, b.1970)署名コラム

2021年1月11日(月・祝)

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/01/post-211.php

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/01/post-211_2.php

https://news.yahoo.co.jp/articles/e5e990ccf40ad37821f9fc2b8e8e9d643db5d569 (リンク切れ)

EU復帰はあり得ない──イギリスの将来を示すスイスの前例

We’re All Brexiteers Now

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版

同誌2021年1月26日(火)号掲載

米外交政策研究所フェロー ヨゼフ・ドベック(Joseph de Weck: ヨーゼフ・ドゥ・ヴェックの誤り)

2021年1月23日(土)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/01/post-95441.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/01/post-95441_2.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/01/post-95441_3.php

https://news.yahoo.co.jp/articles/4976937059bbfcccc7a1be54847e40ae63ad69ef (リンク切れ)

[もとの米語記事]

We’re All Brexiteers Now

(我々は全員がEU離脱派だ)

A look at Swiss politics shows that Euroskepticism is in the United Kingdom to stay.

(スイスの政治を見ればEU懐疑主義が今後ともイギリスに在り続けると分かる)

米フォーリンポリシー誌(Foreign Policy: 『外交政策』の意)

同誌2021年1月26日(火)号掲載

米外交政策研究所フェロー ヨーゼフ・ドゥ・ヴェック(Joseph de Weck, 生年非公開)

2021年1月11日(月)

https://foreignpolicy.com/2021/01/11/switzerland-brexit-euroskeptic-united-kingdom-economic-decline/

ブレグジットしたら意味不明なルールから解放された件

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版

コリン・ジョイス(Colin Joyce, b.1970)署名コラム

2021年1月25日(月)

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/01/post-212.php

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/01/post-212_2.php

https://news.yahoo.co.jp/articles/2fabf7e95e5d0055e208b032611aeb77fcdf891d (リンク切れ)

EUはイギリスの何に怒っているのか。なぜ輸出規制をし始めたのか:アストラゼネカ社製コロナワクチン問題

ヤフーニュース(Yahoo! Japan News)個人

在仏研究者・執筆家・編集者 今井佐緒里(いまい さおり, 生年非公開)

2021年1月31日(月)

https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20210131-00220329/

小見出し1: イギリスの一方的な契約違反

小見出し2: 奇妙な「3ヶ月」理論

小見出し3: 業を煮やした欧州委員会

小見出し4: 失われている信頼関係

小見出し5: 最高品質より量

小見出し6: 続く両者のケンカ

聞こえてきた英連合王国分裂の足音

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版

伊藤さゆり(いとう さゆり, 生年非公開)署名記事

2021年3月2日(火)

ニッセイ基礎研究所レポート(2021年2月25日(木)付)からの転載

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/post-95728.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/post-95728_2.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/post-95728_3.php

https://news.yahoo.co.jp/articles/3ba14757eb5809c57e331dd14d59c5d05c1b8822 (リンク切れ)

欧州が直面する21世紀の「革命」とは

毎日新聞

欧州総局長 服部正法(はっとり まさのり, b.1970)

2021年7月17日(土)

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20210715/pol/00m/010/017000c

ヤフーニュース転載

2021年7月24日(土)

https://news.yahoo.co.jp/articles/392c427309a97a9ddc1559d24b2ff8b1022a5bf9

https://news.yahoo.co.jp/articles/392c427309a97a9ddc1559d24b2ff8b1022a5bf9/comments