前期09「イギリス文化論」(2021/ 5/20 + 5/27) 階級によるアクセントの違いの例

国家元首による毎年恒例の12月25日15時のクリスマス・メッセージとして当時93歳の英女王エリザベス二世(Elizabeth II, b.1926; 在位1952-)がスピーチ

The Queen’s Christmas Broadcast 2020

https://sites.google.com/site/xapaga/home/xmasmessage2020

国家元首による毎年恒例の12月25日15時のクリスマス・メッセージにて初の白黒テレビ放送で当時31歳の女王が初めてテレビを通じて国民に語りかける

(1957年12月25日(水・祝)放映の短いバージョン=原稿の最初の3つの段落と最後の2つの段落のみに編集されており、1分05秒で終わり)

The Queen’s Christmas Broadcast 1957

https://sites.google.com/site/xapaga/home/queenxmas1957

2021年4月9日(金)に満100歳の誕生日まであと2ヶ月ほどで薨去(こうきょ)した( https://www.bbc.com/news/uk-11437314 )王婿(おうせい: Prince Consort: 「女王の夫」の意)であるエディンバラ公フィリップ殿下(Prince Philip, Duke of Edinburgh, 1921-2021)のキャラが活躍した人形劇、つまり1984-96年に英民放最大手ITV(Independent Television)で放映された『瓜二つ(Spitting Image)』という人気番組の中から第10シリーズ・第3エピソード(1990年6月3日(日)放映)

Spitting Image: Royal Family lose fortune in recession & move to council flat

https://www.express.co.uk/videos/4045145402001/Spitting-Image-Royal-Family-lose-fortune-in-recession-move-to-council-flat (リンク切れ)

https://www.facebook.com/the90sdecade/videos/808896529529278/

https://www.youtube.com/watch?v=xujHlWzWW98 (リンク切れ)

動画は途中で切れてしまっているが、王室が重税のために破産して「小便タワーズ(Urine Towers)」という名の団地に住む羽目になる様子が描かれる。税務署職員2名が豚(ブタ)の姿をしていて、役人らしくネクタイをしてダークスーツを着ているが、典型的な労働者階級の喋り方をしている点に注目。

上記の動画(2:02-4:26)が含まれる第10シリーズ・第3エピソードのすべて

Spitting Image Series 10 Episode 3 (Full Episode)

http://www.youtube.com/watch?v=dFQSozrezGg (リンク切れ)

【参考】

後期10「イギリス文化論(2021/11/ 2) エディンバラ公フィリップ殿下の問題発言集

https://sites.google.com/site/xapaga/home/princephilipgaffes

下層中産階級の出身ながら努力して上流階級の発音を身に着けた例

サッチャー(Margaret Thatcher or Baroness Thatcher, 1925-2013; 首相在任1979-90)首相辞任直前の英国議会下院=庶民院でのやり取り(1990年11月)

Thatcher’s Last Stand Against Socialism

http://www.youtube.com/watch?v=rv5t6rC6yvg

上流風の気取った階級方言(posh accent)で喋る上層中産階級(upper middle class)の金持ちイングランド人を徹底的に皮肉った諷刺番組 The Catherine Tate Show by BBC (2004–06, 2007, 2009 & 2014-15)

https://www.youtube.com/watch?v=YUNssEtAwr8

なお、英単語 posh(ポッシュ)の語源(etymology)として、次のことが多くの英国人に信じられている。十九世紀から二十世紀前半にかけて英本国と英領印度を結ぶ航路で上等な船室が port out starboard home (往路は左舷で復路は右舷で)とされていて、当時の金持ちは悉(ことごと)く直射日光の当たらない北側の船室を予約した。北側の部屋を確保するためには、往路が左舷(port: 「港」の意味に由来し、港で乗り降りする側だから)で、復路が右舷(starboard: 古英語の stēorbord =「舵板」に由来)を予約する必要があった。この四語の言い回しの頭文字を取って略したのが posh であるが、これは俗説であるとして、現在では否定されている( https://en.oxforddictionaries.com/definition/posh )。

Posh and Posher. CLASS POLITICS IN THE UK. Documentary. Prejudice. Discrimination. Andrew Neil

(上流風に、もっと上流風に。英国に於ける階級政治。ドキュメンタリー。偏見。差別。アンドルー・ニール)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)、2011年放映

https://www.youtube.com/watch?v=9RtWKZ7H9l0 (17:02-17:32 of 58:53)

https://www.youtube.com/watch?v=wQFUOAXlZR0 (6:53-7:23 of 12:59)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)のアンドルー・ニール(Andrew Neil, b.1949)記者から What class are you? (あなたはどの階級か)と訊かれたジェイコブ・リーズ=モグ(Jacob Rees-Mogg, b.1969; イートン校から牛津大学三位一体学寮卒)保守党員・下院議員は、I’m, I’m a man of Somerset. (私は、私はサマセット州の男だ)と言葉を濁す。ニール記者は「それは地理的な出身地であって答えになってない。敢えて言っておくが、言葉は悪いけど、あなたは上層中産階級(upper middle class)といったところだ、上流階級(upper class)というわけではなく。」と突っ込む。するとリーズ=モグ議員は「私は確かに貴族階級(aristocracy)というわけではないし、確かにその通り。」と回答すると、記者は「それでは上層中産ってことで決着か。」としつこく問う。すると議員は、「私は人民の側だ。」と言ってから、わざわざ教養の高さを示すべくラテン語で「民(たみ)の声は神の声」(Vox populi, vox dei. =朝日新聞のコラム「天声人語」の基になった言葉)という格言を吐く。

なお、英単語 posh(ポッシュ)の語源(etymology)については上記を参照されたし。

綺麗な中産階級(知識階級)のオクスブリヂ(Oxbridge = Oxford + Cambridge)英語の例

オクスフオッド大学新学寮(New College, Oxford)名誉教授(Emeritus Professor)で動物行動学者・進化生物学者・無神論者のリチャード・ドーキンズ(Richard Dawkins, b.1941)博士がその自著 『神は妄想である 宗教との決別』(The God Delusion, 2006)の一部を朗読する

[原文] The God of the Old Testament is arguably the most unpleasant character in all fiction: jealous and proud of it; a petty, unjust, unforgiving control-freak; a vindictive, bloodthirsty ethnic cleanser; a misogynistic, homophobic, racist, infanticidal, genocidal, filicidal, pestilential, megalomaniacal, sadomasochistic, capriciously malevolent bully. (p.52 or p.31 or p.51 in other editions)

[和訳] 『旧約聖書』の神は、おそらくまちがいなく、あらゆるフィクションのなかでもっとも不愉快な登場人物である。嫉妬深くて、そのことを自慢にしている。けちくさく、不当で、容赦のない支配魔。執念深く、血に飢え、民族浄化をおこなった人間。女嫌い、ホモ嫌い、人種差別主義者、幼児殺し、大虐殺(ジェノサイド)者、実子殺し、悪疫を引き起こし、誇大妄想で、サドマゾ趣味で、気まぐれな悪さをするいじめっ子だ。(垂水雄二訳, p.51)

ドーキンズ自身による自著朗読動画

http://www.youtube.com/watch?v=ovWs8JQN7FE (2006年10月23日(月))

中産階級(知識階級)の発音例

Kazuo Ishiguro delivered his Nobel Lecture on 7 December 2017 at the Swedish Academy in Stockholm.

元日本人・現英国籍ノーベル文学賞受賞者カズオ・イシグロ(石黒一雄; Sir Kazuo Ishiguro, b.1954)氏が2017年12月7日(木)に瑞典アカデミー(典 Svenska Akademien; 英 Swedish Academy)にてノーベル・レクチャーを披露(完璧なイギリス英語であり、日本語訛りは皆無)。

https://sites.google.com/site/xapaga/home/ishiguro2017

My Twentieth Century Evening – and Other Small Breakthroughs

(我が二十世紀の夕べ—そしてその他の小さな突破口)

*題名中の Twentieth Century Evening は1934年公開のアメリカ映画の題名に由来し、邦題は『特急二十世紀』だった。

「もしあなたが1979年の秋に私と出会っていたなら、私を社会的に、そして人種的にも、どこへ置いて定義すべきか困り果てたことでしょう。当時の私は24歳でした。私の外見は日本人に見えたことでしょうが、当時英国で見かけた他の日本人男性の大半とは異なり、私は長髪を肩まで伸ばし、盗賊のようにダラッと垂らした口髭を生やしていました。私の話し方から認識される唯一のアクセント(=階級方言)は、イングランド南部州のどこかで育った者のアクセントであり、それが時折だらけた様子の、当時にして既(すで)に時代遅れになっていたヒッピー風の喋り方と混じって屈折していたということです。もしその当時あなたと私で会話することができたとすれば、その話題はサッカー(イギリス発音でソッカー)のオランダ代表ティームのトータルフットボール(蘭 totaalvoetbal; 英 total football)という戦術や、ボブ・ディラン(Bob Dylan, or Robert Allen Zimmerman, b.1941)の最新アルバムや、ひょっとしたら私がロンドンでホームレスの人々と(ボランティアとして)過ごした一年間についてだったことでしょう。もしあなたが日本について言及し、その文化(=日本文化)について私に質問していたなら、私の態度に微(かす)かな苛(いら)立ちが混じる様子に気づかれたことでしょう。それも私が(日本に関して)何も知らないと断言するからでした。その理由は私が5歳で去ってから一度として、それも休暇旅行としてでですら、その国(=日本)の地面を踏んでいないということでした。」(第一段落終わり・後略)

上記レクチャーの全文(英語原文、他に典仏独西の四言語への翻訳もあり)

https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/literature/laureates/2017/ishiguro-lecture_en.html

動画(英語のみ)

https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/literature/laureates/2017/ishiguro-lecture.html (3:00-4:17 of 49:05)

https://www.youtube.com/watch?v=ZW_5Y6ekUEw (3:00-4:17 of 49:05)

中産階級(知識階級)の発音例

多量のドイツ語訛りと少しの日本語訛りのイギリス英語を話すロンドン在住の元日本人・現英国籍ピアニスト内田光子(Dame Mitsuko Uchida, b.1948)女史がベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)のピアノ協奏曲全集について語る(2010年、ドイツ首都ベルリンにて)

https://www.youtube.com/watch?v=_jQUbLkDEVo (2:40-3:40)

「(前略)私の人生で最も重要な土地はウィーンでした。音楽的に私の人生で唯一無二の最も重要な場所です。その後で重要な土地は、もちろんロンドンです。そこ(ロンドン)がノーマンズランド[註]だからです。英国人は(ドイツ語圏の人々)より寛大です。英国人はベートーヴェンやモーツァルトのような大作曲家を所有したことがないからです。ところがウィーンは大作曲家を所有したわけで、ウィーンの人は 『フランツ! そうだよな!』 などと(シューベルトに)気軽に話しかけることも、まるで知り合いであるかのように可能です。それはウィーンが彼ら大作曲家たちを所有してきたから、ずっと知ってきたからです。一方、英国人は自分らが大作曲家を所有してこなかったことを知っています。そして英国人は大作曲家が大好きで、(ドイツ語圏の人々)より寛大なのです。そしてそこはノーマンズランド[註]で、選択の自由という美徳があります。そこ(ロンドン)こそ私が好き好んで居る場所であり、そんなわけで私はロンドンに住んでいて、ロンドン市民なのです。でもウィーン、そうですね。(後略)」

訳註: ノーマンズランド(noman’s land)とは、「所有者のいない土地」「荒地」「無人地帯」「軍事中間地帯(軍事対立の中間の、いずれの勢力によっても統治されていない領域)」を意味する英熟語で、第一次世界大戦(the Great War; the First World War; World War I, 1914-48)中に成立した語である。

[参考1]

上記の内田光子(Dame Mitsuko Uchida, b.1948)女史がドビュッシー(Claude Debussy, 1862-1918)の12の練習曲についてウィーン訛りのドイツ語を使って実演つきで語る(動画に日本語字幕、ウェブページに英訳掲載)

https://www.youtube.com/watch?v=TA1Pn_pv4Y8

[参考2]

上記の内田光子(Dame Mitsuko Uchida, b.1948)女史がまだ日本国籍だった1995年10月19日(木)、日本語で喋る様子

テレビ朝日「徹子の部屋」 ゲスト: 内田光子

https://www.youtube.com/watch?v=b4OX59HPA2U

労働者階級(或いは犯罪者階級)のケチな犯罪者と、中産階級の被害者のやり取り(但し、俳優の演技)

「海賊版ビデオ: ぼったくり(Pirate Videos: Daylight Robbery)」のメッセージでお馴染(なじ)みの著作権侵害防止連盟(FACT: Federation Against Copyright Theft)による違法コピー撲滅キャンペーン動画(1996年)

Pirate Videos? Daylight Robbery!

https://www.youtube.com/watch?v=jF6cXnb0_dg

https://en.wikipedia.org/wiki/Federation_Against_Copyright_Theft#1990s

悪徳業者: おーい、みんなー、『フォーウェディングズ』(英米をはじめ世界中で大ヒットした1994年公開のイギリス映画で、原題 Four Weddings and a Funeral = 直訳『四つの結婚式と一つの葬式』= 邦題『フォー・ウェディング』)だよ! ラッキーな4つ。5つもな。

男性客: すいません。

悪徳業者: 6つも。

男性客: すいません。ここで先週土曜にこのビデオを買ったんですが。

悪徳業者: それで?

男性客: 一言も言葉が聞き取れません。

悪徳業者: 別に驚きゃーしねーぜ。スコットランド訛(なま)りだろ?

男性客: いや、って言うか、音声です。どうしようもないんです。完全にどうしようもないんです。

悪徳業者: そーだよな。もう一度やってみなよ。それを言ってなかった俺の所為(せい)ってこともあるよな。おーい、みんなー、『フォーウェディングズ』だよ! 999円(原文では、4ポンド99ペンス)だ。

男性客: それに画質もどうしようもないんです。

悪徳業者: そいつぁーお前さん、トラッキングだよ。

男性客: 僕は自分の持ってる他のビデオテープも確認しましたよ。

悪徳業者: トラッキングの説明でも読むんだな。

ナレーション: 気をつけてください。大抵の海賊版ビデオは視聴不能です。それにお金も戻ってきません。

悪徳業者: 海賊版だよ、お前さん。海賊版!

男性客: あなたは先週言いましたよね。

悪徳業者: まったくムダってこと、お前さん。全部契約に書いてある。千円札(原文では、五ポンド札)の価値もねぇな。おーい、みんなー、『フォーウェディングズ』だよ! お得だよ。おーい、誰か『クライムストッパーズ』を視たかい?

ナレーション: 海賊版ビデオはボッタクリ。

(日本語訳: 原田俊明)

トレイシー・オルマン(Tracey Ullman, b.1959; 日本では誤ってトレーシー・ウルマン)演じる白人下層階級ドラッグジャンキーが有色人種を含む富裕層の子供たちに汚い言葉を教えるという設定の諷刺動画

英国放送協会テレビ第1放送(BBC One)

Posh kids trying to act normal - Tracey Ullman's Show: Episode 4 Preview - BBC One

https://www.youtube.com/watch?v=vUYaMFC3kAA

下層中産階級及び労働者階級の方言の発音例30種

複雑で多岐にわたる英国各地の労働者階級の方言を取り敢えず30種に纏(まと)めた動画

https://www.youtube.com/watch?v=2pZ-Ny8q22o

下層中産階級の発音例

スカウス(Scouse)という名のイングランド北西部リヴァプール(Liverpool)及び周辺部(Merseyside)の方言

下層中産階級(lower middle class)出身者を中心に組織された元ビートルズのジョン・レノン(John Lennon, 1940-80)の発言「世界は狂人によって支配されている」(1968年6月6日(木))

https://www.bnoshipka.org/en/index.php?special=videos&cat=1&id=27

https://www.youtube.com/watch?v=8t5awfxTbmM

労働者階級の方言の発音例

英国外の人々の間で最も有名な、ロンドン東部の労働者街に住む人々のことをコックニー(Cockney)と呼び、その訛りも同名

https://www.youtube.com/watch?v=nUN0RLF-WuU

和製英語で言う「モンスターペアレント」=イギリス英語には言い回し無し=アメリカ英語で言う helicopter parents(専(もっぱ)ら父親)が子供の成績不良と不品行(disruptive behaviour)のことで学校に呼び出されるも却(かえ)って逆ギレして教員に怒りをぶちまける(但し、俳優の演技)。

労働者階級の方言の発音例

サッカー界のスーパースター、ベッカムの発音が時代と共に変化

How David Beckham’s English Accent Has Changed | Cockney to Posh?

(デイヴィッド・ベッカムの英語発音が如何(いか)に変化してきたか コックニーから上流風に)

https://www.youtube.com/watch?v=GFMZDfqt-Vs

労働者階級の方言の発音例

英国第二の大都市バーミンガム(Birmingham)を中心とするイングランド西中国地方(West Midlands)地方、特にバーミンガムより西に位置するブラックカントリー(Black Country; 中文繁体字では「黑郡」)で話されていて、英国で最も醜悪(the ugliest)と考えられているブラミー(Brummie or Brummy)という名の方言

https://www.youtube.com/watch?v=hzIbKOCHG6Q (0:25-2:25)

バーミンガム市役所・市議会(Birmingham City Council)が1100万ポンド(£11,000,000 = 11 million pounds)≒当時のレートで約19億1400万円もかけて導入した音声認識(voice recognition)装置に電話をかけてきた市民たちのブラミー(Brummie or Brummy)訛りが通じず問題になっていることが英マスコミで報道され、英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)のトーク番組 Have I Got News for You (直訳「あなた向けのニュースを私は持っているか」)で物笑いの種になる(2014年12月)。

労働者階級の方言の発音例

ホテル予約サイト Hotels4u (ホルズフォユゥ; 直訳「あなたのためのホテルたち」)がブラミー(Brummie or Brummy)訛りカップルのパリ観光旅行という設定のCMをテレビとインターネットで流したことで視聴者のバッシングに遭って炎上したと、英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)のニュース番組が報道(2014年1月)。

https://www.youtube.com/watch?v=JnvZoGkuKu0

労働者階級の発音の例

イングランド西中国地方(West Midlands)地方出身でブラミー(Brummie or Brummy)訛りのラップグループ The Streets (ザ・ストリーツ; 直訳 「往来」)の楽曲 ‘Has It Come To This?’ (直訳 「それはここまで来たかい?」、2001年発表)

[動画]

https://www.youtube.com/watch?v=22U2LLVRwtk (0:07に開始)

[歌詞]

http://lyrics.songonlyrics.net/the-streets-has-it-come-to-this-lyrics

労働者階級の方言の発音例

イングランド北東部のヨークシヤ(Yorkshire)訛り

https://www.youtube.com/watch?v=h2eERK3S9Hc

金持ち政党である保守党(Conservative Party; 通称・蔑称 Tories)の古参議員でありながらヨークシヤ(Yorkshire)訛りが抜けないウィリアム・ヘイグ(William Hague, b.1961)外務大臣(当時)・筆頭国務大臣(当時)、政界引退後はリッチモンド男爵ヘイグ(Baron Hague of Richmond, b.1961)が司会者を務める2013年チャタム・ハウス賞(Chatham House Prize 2013)の授賞式で米国人受賞者ヒラリー・クリントン(Hillary Rodham Clinton, b.1947)国務長官(当時)を讃える(2013年10月)。

https://www.youtube.com/watch?v=ZgIZTzEqYUw

労働者階級の方言の発音例

イングランド最北部の大都市ニューカッスル(Newcastle upon Tyne)を中心とするジョーディー(Geordie)という名の方言

英国方言保存協会(BSPRA: British Society for the Preservation of Regional Accents)が若いドイツ人女性にジョーディー訛りのレッスンを提供

https://www.youtube.com/watch?v=phIR36Tmcrg

労働者階級の発音の例

英国旧国鉄ヴアヂェンツレインズ社(Virgin Trains)の一等車輛内にて、軽食や飲み物の給仕サーヴィス停止についてイングランド北部またはスコットランド南部訛りの車掌がマイク越しにお詫び

https://www.youtube.com/watch?v=yzOGQV3vUCw

英国旧国鉄ヴアヂェンツレインズ社(Virgin Trains)の一等車輛内にて、イングランド北部またはスコットランド南部訛りの車掌の声がランカスター到着を知らせる

https://www.youtube.com/watch?v=lhtVZ6LF7UQ

労働者階級の方言の発音例(BBC Scotland の提供)

スコットランド訛りの漫才(a two-man comic act)、「音声認識エレベーター(Voice Recognition Lift)」

https://www.youtube.com/watch?v=J3lYLphzAnw

スコットランド訛(なま)りの歌うような(lilting)独特の抑揚は、音声認識(voice recognition)装置に通じず、‘I’m sorry. Could you please repeat that?’ (すみませんが、もう一度言っていただけますか?)や ‘Could you speak slowly and clearly?’ (ゆっくりはっきり喋ってください)などと言われてしまう。なお、音声認識装置はアメリカ英語を喋っているため、エレベーターのことを elevator と言い(イギリス英語では lift)、not の発音が「ナット」(イギリス英語では「ノット」)になっている。動画冒頭で右上に Contains adult humour (成人向けユーモアを含む)とあるのは、漫才師の一人が怒り出したという設定で、‘Suck my willie!’ (俺のウィリー=「男性器」を意味する俗語を吸え!)がスコットランド式に訛(なま)った ‘Suck my wullie!’ (俺のリー=「男性器」を意味する俗語を吸え!)と音声認識装置に向かって言い出すことから。

労働者階級の方言の発音例

アイルランド英語の歌うような(lilting)独特の抑揚

https://www.youtube.com/watch?v=M8QkDPXTvYQ

スコットランドのグラーズゴウ訛り(Glaswegian accent)は英本国でも通じない

英議会 スコットランドなまりキツすぎ質問聞き取れず すれ違い

NHKオンライン

2018年10月20日(土) 9:11

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181020/k10011678991000.html (リンク切れ)

イギリス議会で、与党の議員がスコットランドの政党の議員から質問を受けたところ、スコットランドなまりの強い英語を何度聞いても聞き取れず、質問が理解できなかったため、最後には文書で問題を解決するよう促されることになり、2人のすれ違いぶりが話題となっています。

イギリスの議会下院で18日、スコットランド民族党のデビッド・リンデン議員が障害者のバリアフリー対策について質問をしました。

ところが質問を受けた、ニュージーランド生まれでイギリスとの二重国籍を持つ与党 保守党のポール・ベレスフォード議員は、リンデン議員のスコットランドなまりの強い英語が聞き取れなかったため、もう一度質問するよう求めました。

このやり取りに議場は笑いに包まれ、最後には副議長から文書で問題を解決するよう促されて質疑を終えました。

(改行・後略)

BBC地方局での報道

Forget the idea that some MPs are out of touch with the electorate ...one can’t even understand a fellow English-speaking politician!

(国会議員の中には有権者と没交渉になっている者がいるとする考えは忘れろ、、、英語話者の同僚政治家が喋る内容が理解できない議員だっているのだから!)

BBC Scotland

2018年10月18日(木)

https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/3yHS9fRxqWKGplhHGGwsJPs/forget-the-idea-that-some-mps-are-out-of-touch-with-the-electorate-one-can-t-even-understand-a-fellow-english-speaking-politician

左派系高級紙、ガーディアン紙(The Guardian)提供の動画(英語字幕付)

https://www.theguardian.com/politics/video/2018/oct/18/tory-mp-fails-to-understand-glaswegian-accent-of-snps-david-linden-video

MP David Linden (SNP): Mr Speaker, I know from speaking to a number of parliamentary colleagues that there are still certain aspects of the estate, including the northern estate, that are not great for disabilities. Can I ask the honourable Gentleman what work is being done to make sure this place is more accessible, particularly for some of our colleagues who have a disability?

デイヴィッド・リンデン議員(野党スコットランド国民党): 議長さん、私が何人かの議会の同僚と話をして知るところでは、今なお議会には幾つかの箇所があると、それは北側の箇所を含みますが、障碍(しょうがい)者にとって使い勝手の悪い箇所があるとのことです。議員さんに質問して宜しいでしょうか、どんな改善策が為されているのか、こういった場所へのアクセスがしやすくなるようにと、特に障碍を抱えた私たちの同僚にとってですが。

Another MP: Hear, hear.

別の議員: 清聴、清聴。

MP Sir Paul Beresford (Conservatives): Sorry. This must be something to do with my Antipodean background. Could he please repeat the question, because I didn't follow it?

英勲爵士ポール・ベレスフォード議員(与党保守党): すみません。これは私が地球の反対側(アンティパディーアン: イギリス英語で豪州とNZを総称した言い方)の出身であることと関係しているに違いありません。ご質問を繰り返していただけますか。というのも、理解できなかったもので。

[Laughter]

[哄笑]

Another MP: Wow!.

別の議員: ワーオ。

MP Linden: Well, [I’m] very popular today. I was saying that a number of parliamentary colleagues who have disabilities do find it difficult getting around certain parts of the estate. Given that we are doing this refurbishment work, what can be done to make sure that those with a disability are able to move around more freely and that this place is accessible?

リンデン議員: ふむ、今日(私)は人気者ですね。私が申し上げたのは、議会の同僚たちの中で障碍を抱えた人たちが、議会内の幾つかの箇所を通行するのが困難だということです。改修工事を進めている現状に鑑(かんが)みて、障碍者が確実に自由に動き回れるようにするため、そしてこの場所(=議会)が確実にアクセス可能な場所となるように、どんなことができますか。

Sir Lindsay Hoyle, Deputy Speaker of the House of Commons (Labour): Sir Paul.

英勲爵士リンジー・ホイル下院副議長(野党労働党): サー・ポール。

MP Beresford: I’m really sorry, but please could he do it very slowly in Antipodean English?

ベレスフォード議員: 本当にすみませんが、非常にゆっくりと、地球の反対側の英語でやってくれませんか。

[Laughter]

[哄笑]

Another MP: Just give any old answer.

別の議員: 何でもいいから古い回答をすればいいよ。

Deputy Speaker Hoyle: I think the answer, I think the answer might be helped if you can reply in writing when you read about it. Chris Elmore.

ホイル下院副議長: 私が思うに答えは、私が思うに答えは、文書で回答すれば何とかなるでしょう、読めば分かるでしょうから。クリス・エルモー。

MP Chris Elmore (Labour): Thank you, Mr Deputy Speaker. I’ll try [to get] it on the first go, because I’m Welsh, so God help him! Can the honourable Gentleman confirm that ...

クリス・エルモー議員(野党労働党): ありがとうございます、副議長さん。私は最初に聞いた時から理解しようと努めています。というのも、私自身ウェールズ人ですので。なので彼(リンデン議員)に神のご加護がありますように。議員さん(ベレスフォード議員を指す)に確証していただけますか、、、

(英文書き取り・日本語訳: 原田俊明)

【一方、隣国では】

フランス、なまりに基づく差別を禁止

フランス通信社(AFP: Agence France-Presse)日本語版

2020年11月27日(金)

https://www.afpbb.com/articles/-/3318217

https://news.yahoo.co.jp/articles/13fca30b7569206844eccd9ee46f61306320abda (リンク切れ)