西曆2017年 6月17日(土) 女王公式誕生日での女王声明(音声・動画無し)

The Queen’s Official Birthday 2017

Published 17 June 2017

https://www.royal.uk/queens-official-birthday-2017

https://www.royal.uk/queens-birthday

Today is traditionally a day of celebration. This year, however, it is difficult to escape a very sombre national mood. In recent months, the country has witnessed a succession of terrible tragedies.

今日(6月第二土曜日)[註1]は伝統的にお祝いの日です。今年はしかしながら、非常に重苦しい国民的ムードを逃れるのは難しいです。この数ヶ月で我が国は一連の恐ろしい悲劇[註2]を目撃してきました。

註1: 現女王エリザベス二世(Elizabeth II, b.1926; 在位1952-)は、実際には1926年4月21日(水)生まれだが、公式誕生日(official birthday)を毎年6月第二土曜日(たまに第三土曜日)に祝っている。誕生日が年に二回もあるわけだが、ともに国民の祝日にはなっていない。これは1841年11月9日(火)生まれの曽祖父で国王の故エドワード七世(Edward VII, 1841-1910; 在位1901-10)の治世、つまり二十世紀(1901-2000年)初頭から百年以上も続く伝統である。11月のイギリスは暗く寒いため、国王公式誕生日の行事を毎年5月または6月に実施した。同様に4月も春とはいえまだ寒いので、イギリスが最も明るく輝く6月に女王公式誕生日の行事を実施している。代替わりして、1948年11月14日(日)生まれのチャールズ皇太子(Charles, Prince of Wales, b.1948)が王位に就いたとしても、国王公式誕生日の行事は現在と変わらず毎年6月第二土曜日(たまに第三土曜日)に祝うことになる。しかしながら、1982年6月21日(月)生まれのケイムブリヂ公ウィリアム王子(Prince William, Duke of Cambridge, b.1982)が王位に就いた場合は、毎年6月第三土曜日に祝うことが考えられる。

註2: 2017年3月22日(水)に実行犯1名を含む計5人が死亡し、40人が負傷したロンドンのウェストミンスター橋(Westminster Bridge)通り魔テロ事件と、同年(2017年)5月22日(月)に実行犯1名を含む23人が死亡し、59人が負傷したマンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)爆破事件と、同年(2017年)6月3日(土)に実行犯3名を含む10人が死亡し、48人が負傷したロンドン橋(London Bridge)通り魔テロ事件と、同年(2017年)6月14日(水)夜から15日(木)にかけてロンドンの北ケンジントン(North Kensington)地区で起こり、女王のこの声明が発表された同年6月17日(土)の時点では死者数が不明とされたグレンフェルタワー火災(Grenfell Tower Fire)といった、2017年3月から6月にかけて多数の死者を出した事件・事故について女王は言及している。なお、後者グレンフェルタワー火災では、声明の翌日の同18日(日)未明の段階で58人の死亡が確認され、同19日(月)昼までには79人が死亡または行方不明とされた。最終的な犠牲者は100人を超える恐れもあるとされたが、同年(2017年)の年末までに71人(うち1名は間接的な死)へと若干(じゃっかん)ながら下方修正された。また、声明の二日後の同年(2017年)6月19日(月) 午前0:15頃(日本時間では同日(月) 朝8:15頃)にロンドン北部のイズリントン行政区(London Borough of Islington)にて1人が死亡したフィンズベリーパーク事件(2017 Finsbury Park incident)も発生している( https://sites.google.com/site/xapaga/home/shockingcrimes2 )。

As a nation, we continue to reflect and pray for all those who have been directly affected by these events. During recent visits in Manchester and London, I have been profoundly struck by the immediate inclination of people throughout the country to offer comfort and support to those in desperate need.

国民として私たちは、これらの出来事で直接の影響を受けた人々全員に思いを馳(は)せ、お祈りします。最近マンチェスターとロンドンを訪れた時には、絶望的な困窮状態に陥(おちい)っている人々に慰めと支援を提供しようと即座に行動を起こした全国の人々の心意気に私は深く心打たれました。

Put to the test, the United Kingdom has been resolute in the face of adversity. United in our sadness, we are equally determined, without fear or favour, to support all those rebuilding lives so horribly affected by injury and loss.

(神によって)試練を与えられると、連合王国は逆境に直面して揺るがないでここまで来ました。悲しみに於(お)いて連合して、私たちは同様に決然として、恐れず依怙贔屓(えこ ひいき)もせず支援するのです、生活を再建している人々全員を。怪我(けが)や喪失であまりにもひどい影響を受けてしまった生活の再建です。

ELIZABETH R

17th June, 2017

女王エリザベス

2017年6月17日

(日本語訳: 原田俊明)