18「イギリス文化論」(2021/12/ 7) チャーチル英首相の戦時演説集

British Prime Minister Winston Churchill (1874-1965) speaks to the House of Commons on Monday 8th December 1941

1941年12月8日(月)、ウィンストン・チャーチル(Sir Winston Churchill, 1874-1965; 首相在任1940-45 & 1951-55)英首相、英国議会庶民院(下院)での演説より

[Narration] War with Japan. A speech delivered first to the House of Commons and then broadcast to the world, December 8th 1941.

[ナレーション] 対日戦争。1941年12月8日英国議会下院=庶民院(日本で言う衆議院)で為()された演説、後ほど全世界に向けてラジオで放送。

https://www.ibiblio.org/pha/timeline/411208ewp.html

https://hansard.millbanksystems.com/commons/1941/dec/08/prime-ministers-declaration#column_1358 (リンク切れ)

https://www.jewishvirtuallibrary.org/jsource/ww2/churchilljapan.html

https://www.youtube.com/watch?v=4XRsKsGA5T8 (0:10-4:25 of 4:30)

As soon as I heard last night that Japan had attacked the United States, uh, my first feeling was that Parliament should be immediately summoned. We are fighting for the maintenance of a parliamentary system, and it is indispensable to our system of Government that Parliament should play its full part in all the important acts of the state and on all the great occasions in the conduct of the war. The great number of the members who, uh, attended in spite of the shortness of the notice shows the zeal and strictness with which the members of both Houses attend to their duties.

日本が合衆国を軍事攻撃したとのことを昨晩初めて耳にするとすぐに、えー、私が最初に感じたのは議会が即座に召集されねばならないということでありました。我々は議会制度の維持のために闘っているのでありまして、議会が国家の重要案件や戦争遂行に際してあらゆる重大事で最大限の役割を果たすのは、我が国の政治システムにとりまして必要にして欠くべからざるものであります。大多数の議員が、あー、急な招集にも拘(かか)わらず出席したことは、上下両院の議員たちが自らの任務に注いでいる熱意と強固な意志を示しております。

You will remember that a month ago, with the full approval of the nation and of the Empire, I pledged the word of Great Britain that should the United States become involved in a war with Japan, a British declaration would follow within the hour. I therefore spoke to President Roosevelt on the Atlantic telephone last night with a view to arranging the timing of our respective declarations. The President told me that he would this morning send a message to Congress. And I assured him that we would follow immediately.

皆さん覚えておいででしょうが、1ヶ月前のこと、英国民と英帝国の完全なる同意を得て英国政府は約束したのでした。万一合衆国が日本との戦争に巻き込まれた場合には、英国の対日宣戦が一時間以内に布告されるという約束でありました。私はそうした次第でロウザヴェルト(日本では誤ってルーズヴェルト)大統領と昨晩大西洋電話回線を通じて話をしており、それは英米それぞれの宣戦布告の時期を決めるためでありました。大統領は今朝(12月8日(月)朝)にも米国議会下院に大統領教書(メッセージ)を出すと私に話されました。そして私は我が方もすぐその後(あと)に続くと請()け合いました。

However, it soon appeared that British territory in Malaya had also been the object of a Japanese attack, and later on it was announced from Tokyo that the Japanese High Command—not the Imperial Japanese Government—but the Japanese High Command had declared that a state of war existed with Great Britain and the United States.

しかしながら、マラヤ (現マレーシアのマレー半島部)の英領も日本軍による攻撃の標的になっていることが分かってきました。そして後に東京(日本国政府のこと)から声明が発せられました。日本の大本営、日本帝国政府ではなくてですね、日本の大本営がですよ、戦闘状態が自国と英米の間に存在すると宣言したのです。

In view of the attack, and of this declaration, there was no need to wait for the declaration by Congress, and in any case there is the complication that American time is nearly six hours behind ours. The Cabinet, therefore, which met at half past twelve today, have authorized an immediate declaration of war upon Japan. Instructions to this effect were sent to our Ambassador at Tokyo, and the Japanese Chargé d’Affaires in London and his staff have been given their passports.

攻撃とこの宣戦布告を考慮すると、米国議会下院による宣戦布告を待つ必要はありません。それにとにかく米国の時間が(時差の関係で)我が国よりも6時間近くも遅れていることで問題が複雑化しています。チャーチル内閣はしたがって本日12時半に閣議を開き、即座に対日宣戦布告を認可しました。その趣旨での指示が東京に居る英国大使に為()されました。ロンドンに居る日本国代理大使と日本の大使館員たちには、彼らの(帰国用)パスポートが渡されました。

Meanwhile, hostilities have already begun. The Japanese began a landing in British territory in Northern Malaya at about 6 o’clock, that’s 1 a.m. local time yesterday (sic). And they were immediately engaged by our troops who were there waiting for them. The Home Office measures against Japanese nationals were set in motion a little after 10 last night. You will see, therefore, that no time has been lost, and you will see also that we are actually ahead of our engagements. [The rest omitted]

そうこうするうちに、戦闘の火蓋(ひぶた)が既に切って落とされました。日本軍はマレー半島北部の英領への上陸を開始しましたが、6時頃のことで、それは現地時間の昨日(実際には今日)の午前1時です。そしてすぐに彼ら日本軍は、待ち受けていた我が軍の砲火を浴びたのです。在英の日本国民に対する英国法務省による処置が昨晩10時過ぎに発動されました。したがってお分かりですね。いかなる時間も無駄にしてはいないのです。そして英国政府が実際に各地の戦闘よりも先回りしていることもまたお分かりいただけるでしょう。[後略]

(日本語訳: 原田俊明)

【比較參考1】

BBCが伝えた真珠湾攻撃 75年前のラジオ放送(日本語字幕付)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)がこの動画をウェブ上に公開したのが2016年なので、1941年は75年前となる。

https://www.bbc.com/japanese/video-38249959

https://www.youtube.com/watch?v=ukmF1fDdcKA

【比較參考2】

大東亞戰爭開戰時の大本營(だいほんえい)陸海軍部(りくかいぐん ぶ)發表(はつぺぅ)(1941年12月8日(月))

https://www.youtube.com/watch?v=Axip22Btbmc

大本營(だいほんえい)陸海軍部(りくかいぐん ぶ)發表(はつぺぅ)。本八日(ほん やうか)六時(ろくじ)。帝國陸海軍(ていこく りくかいぐん)は本八日(ほん やうか)未明(みめい)、西太平洋(にし たいへいやう)ニ於(おひ)テ米英軍(べいえい ぐん)ト戰鬪(せんとぅ)狀態(じやぅたい)ニ入()レリ。

【比較參考3】

大東亞戰爭開戰を告げるJOAK(ジェイ・オウ・エイ・ケイ)ラヂオ(現在のNHKラジオ第1放送の前身)の臨時ニュース(1941年12月8日(月))

https://www.youtube.com/watch?v=r4xKhHfLB0s

https://www.youtube.com/watch?v=TgkkMgXWDLE

(準國歌「海(うみ)行()かば」の音)

(チャイムの音)

臨時(りんじ)ニュースを申上(まうしあ)げます。臨時(りんじ)ニュースを申上(まうしあ)げます。大本營(だいほんえい)陸海軍部(りくかいぐん ぶ)十二月八日(じふにがつ やうか)午前六時(ごぜん ろくじ)發表(はつぺう)。帝國陸海軍(ていこく りくかいぐん)ハ本八日(ほん やうか)未明(みめい)、西太平洋(にし たいへいやう)ニ於(をひ)テアメリカ、イギリス軍(ぐん)ト戰鬪(せんとぅ)狀態(じやぅたい)ニ入()レリ。帝國陸海軍(ていこく りくかいぐん)ハ本八日(ほん やうか)未明(みめい)、西太平洋(にし たいへいやう)ニ於(をひ)テアメリカ、イギリス軍(ぐん)ト戰鬪(せんとぅ)狀態(じやぅたい)ニ入()レリ。

(チャイムの音)

臨時(りんじ)ニュースを申上(まうしあ)げます。臨時(りんじ)ニュースを申上(まうしあ)げます。帝國海軍(ていこく かいぐん)は布哇(ハワイ)方面(はうめん)のアメリカ艦隊(かんたい)並(ならび)に航空兵力(かうくう へいりよく)に對(たい)し決死(けつし)の大空襲(だい くうしふ)を敢行(かんかう)し新嘉坡(シンガポール)其他(そのた)をも大爆擊(だい ばくげき)しました。

大本營(だいほんえい)海軍部(かいぐんぶ)今日(けふ)午後一時(ごゝ いちじ)發表(はつぺう)。

一(いち)、帝國海軍(ていこく かいぐん)ハ本八日(ほん やうか)未明(みめい)、布哇(ハワイ)方面ノアメリカ艦隊(かんたい)並(ならび)ニ航空兵力(かぅくう へいりよく)ニ對(たい)シ決死(けつし)ノ大空襲(だい くうしふ)ヲ敢行(かんかぅ)セリ。

二()、帝國海軍(ていこく かいぐん)ハ本八日(ほん やぅか)未明(みめい)、上海(シヤンハイ)ニ於(をひ)テイギリス砲艦(はうかん)ペトレル號(がう)を擊沈(げきちん)セリ。アメリカ砲艦(はうかん)ウェイク號(がぅ)ハ同時刻(どぅ じこく)我(われ)ニ降伏(かうふく)セリ。

三(サン)、帝國海軍(ていこく かいぐん)ハ本八日(ほん やうか)未明(みめい)、新嘉坡(シンガポール)ヲ爆擊(ばくげき)シテ大(だい)ナル戰果(せんくゎ)ヲ収(おさ)メタリ。

四(ヨン)、帝國海軍(ていこく かいぐん)ハ本八日(ほん やうか)早朝(さうてう)、ダバオ、ウエーク、グアムノ敵軍事施設(てき ぐんじ しせつ)ヲ爆擊(ばくげき)セリ。

(行進曲「軍艦」=通稱「軍艦マーチ」の音)

【比較參考4】

大東亞戰爭開戰の詔勅(せぅちよく)

http://www.shgshmz.gn.to/shgmax/public_html/news/war_declare.html

https://www.geocities.jp/taizoota/Essay/gyokuon/kaisenn.htm (リンク切れ)

https://www.youtube.com/watch?v=g_Caw7eJkyQ

https://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001300464_00000&seg_number=001

(全文+平假名ルビ補完)

詔 書 (せうしよ)

天佑(てんいぅ)ヲ保有(ほいぅ)シ(、)萬世一系(ばんせい いつけい)ノ皇祚(くゎうそ)ヲ踐()メル大日本帝國天皇(だいにつぽん ていこく てんのう)ハ(、)昭(あきらか)ニ忠[改行]

誠勇武(ちゆぅせい ゆぅぶ)ナル汝(なんぢ)有衆(いぅしゆぅ)ニ示(しめ)ス(。)[改行]

朕(ちん)茲(こゝ)ニ米國(べいこく)及(および)英國(えいこく)ニ對(たい)シテ戰(たゝかひ)ヲ宣(せん)ス(。)朕(ちん)カ陸海將兵(りくかい しやうへい)ハ全力(ぜんりよく)ヲ奮(ふるつ)テ[改行]

交戰(かうせん)ニ從事(じゆぅじ)シ(、)朕(ちん)カ百僚有司(ひやくれういぅじ)ハ勵精(れいせい)職務(しよくむ)ヲ奉行(ほぅかう)シ(、)朕(ちん)カ衆庶(しゆぅしよ)ハ各々(おの/\)[改行]

其()ノ本分(ほんぶん)ヲ盡(つく)シ(、)億兆一心(おくてぅ いつしん)國家(こつか)ノ總力(そぅりよく)ヲ擧()ケテ征戰(せいせん)ノ目的(もくてき)ヲ達成(たつせい)[改行]

スルニ遺算(ゐさん)ナカラムコトヲ期()セヨ(。)

抑々(そも/\)東亞(とうあ)ノ安定(あんてい)ヲ確保(かくほ)シ(、)以(もつ)テ世界(せかい)ノ平和(へいわ)ニ寄與(きよ)スルハ(、)丕顕(ひけん)ナル[改行]

皇祖考(くゎうそかう)丕承(ひしよぅ)ナル皇考(くゎうかう)ノ作述(さくじゆつ)セル遠猷(ゑんいぅ)ニシテ朕(ちん)カ拳々(けん/\)措()カサル所(ところ)(。)[改行]

而(しか)シテ列國(れつこく)トノ交誼(かぅぎ)ヲ篤(あつ)クシ(、)萬邦共榮(ばんぱう きよぅゑい)ノ樂(たのしみ)ヲ偕(とも)ニスルハ(、)之亦(これまた)帝[改行]

國(ていこく)カ常(つね)ニ國交(こつかう)ノ要義(えうぎ)ト爲()ス所(ところ)ナリ(。)今(いま)ヤ不幸(ふかう)ニシテ米英兩國(べいえい りやうこく)ト釁[改行]

端(きんたん)ヲ開(ひら)クニ至(いた)ル(。)洵(まこと)ニ已()ムヲ得()サルモノアリ(。)豈(あに)朕(ちん)カ志(こゝろざし)ナラムヤ(。)中[改行]

華民國政府(ちゆぅくゎみんごく せいふ)曩(さき)ニ帝國(ていこく)ノ眞意(しんい)ヲ解(かい)セス(、)濫(みだり)ニ事(こと)ヲ構(かま)ヘテ東亞(とうあ)ノ平和(へいわ)[改行]

ヲ攪亂(かうらん)シ(、)遂(つひ)ニ帝國(ていこく)ヲシテ干戈(かんくゎ)ヲ執()ルニ至(いた)ラシメ(、)茲(こゝ)ニ四年(よねん)有餘(いぅよ)ヲ[改行]

經()タリ(。)幸(さいわひ)ニ國民政府(こくみん せいふ)更新(かうしん)スルアリ(。)帝國(ていこく)ハ之(これ)ト善隣(ぜんりん)ノ誼(よしみ)ヲ結(むす)ヒ(、)相[改行]

提携(あい ていけい)スルニ至(いた)レルモ(、)重慶(ぢゆぅけい)ニ殘存(ざんそん)スル政權(せいけん)ハ米英(べいえい)ノ庇蔭(ひいん)ヲ恃(たの)ミテ(、)[改行]

兄弟(けいてい)尚(なほ)未(いま)タ牆(かき)ニ相鬩(あいせめ)クヲ悛(あらた)メス(。)米英兩國(べいえい りやぅこく)ハ殘存政權(ざんそん せいけん)ヲ支援(しゑん)シテ(、)[改行]

東亞(とうあ)ノ禍亂(くゎらん)ヲ助長(じよちやう)シ(、)平和(へいわ)ノ美名(びめい)ニ匿(かく)レテ東洋制覇(とうやう せいは)ノ非望(ひばう)ヲ逞(たくまし)ウ[改行]

セムトス(。)剰(あまつさ)ヘ與國(よこく)ヲ誘(いざな)ヒ(、)帝國(ていこく)ノ周邊(しうへん)ニ於(おひ)テ武備(ぶび)ヲ增强(ぞぅきやう)シテ我(われ)ニ[改行]

挑戰(てうせん)シ(、)更(さら)ニ帝國(ていこく)ノ平和的通商(へいわてき つうしやう)ニ有()ラユル[改行]

妨害(ばうがい)ヲ與(あた)ヘ(、)遂(つひ)ニ經濟斷[改行]

交(けいざい だんかう)ヲ(を)敢(あへ)テシ(、)帝國(ていこく)ノ生存(せいぞん)ニ重大(ぢゆぅだい)ナル脅威(けふゐ)ヲ加(くは)フ(。)朕(ちん)ハ政府(せいふ)ヲシテ事[改行]

態(じたい)ヲ平和(へいわ)ノ裡(うち)ニ囘復(くゎいふく)セシメムトシ(、)隠忍(いんにん)久(ひさ)シキニ彌(わた)リタルモ(、)彼(かれ)ハ[改行]

毫(がぅ)モ交讓(かうじやう)ノ精神(せいしん)ナク(、)徒(いたづら)ニ時局(じきよく)ノ解決(かいけつ)ヲ遷延(せんえん)セシメテ(、)此()ノ間(かん)(、)却(かへ)ツ[改行]

テ益々(ます/\)經濟上(けいざいじやう)軍事上(ぐんじじやう)ノ脅威(けふゐ)ヲ增大(ぞうだい)シ(、)以(もつ)テ我(われ)ヲ屈從(くつじゆぅ)セシメムトス(。)[改行]

斯(かく)ノ如(ごと)クニシテ推移(すいゝ)セムカ(。)東亞安定(とうあ あんてい)ニ關(くゎん)スル帝國(ていこく)積年(せきねん)ノ努力(どりよく)ハ[改行]

悉(こと/\゛)ク水泡(すいはう)ニ歸()シ(、)帝國(ていこく)ノ存立(そんりつ)亦(また)正(まさ)ニ危殆(きたい)ニ瀕(ひん)セリ(。)事(こと)旣(すで)ニ此(こゝ)ニ至(いた)ル[改行]

帝國(ていこく)ハ(、)今(いま)ヤ自存自衞(じそんじゑい)ノ爲(ため)(、)蹶然(けつぜん)起()ツテ(、)一切(いつさい)ノ障礙(しやうがい)ヲ破碎(はさい)スルノ外(ほか)[改行]

ナキナリ(。)[改行]

皇祖皇宗(くゎうそ くゎうそぅ)ノ神靈(しんれい)(、)上(かみ)ニ在()リ(、)朕(ちん)ハ汝(なんぢ)有衆(いぅしゆぅ)ノ(の)忠誠勇武(ちゆぅせい ゆぅぶ)ニ信倚(しんい)シ(、)祖宗(そそぅ)ノ[改行]

遺業(ゐげふ)ヲ恢弘(かいこぅ)シ(、)速(すみやか)ニ禍根(くゎこん)ヲ芟除(はんじよ)シテ東亞(とうあ)永遠(えいゑん)ノ平和(へいわ)ヲ確立(かくりつ)シ(、)以(もつ)テ帝國(ていこく)ノ(の)光榮(くゎうゑい)ヲ保全(ほぜん)セムコトヲ期()ス(。)[改行]

御 名 御 璽 (ぎよめい ぎよじ) [改行]

昭和十六年(せうわ じふろくねん)十二月八日(じふにがつ やうか)[改行]

各國務大臣(かく こくむだいじん)副署(ふくしよ)

【比較參考5】

大東亞戰爭開戰を告げる東條英機(とうでう ひでき; とうじょう ひでき, 1884-1948; 首相在任1941-44)陸軍大將・内閣總理大臣による演說「大詔(たいせう; おほみことのり)を拜(はい)し奉(たてまつ)りて」

JOAK(ジェイ・オウ・エイ・ケイ)ラヂオ(現在のNHKラジオ第1放送の前身)で1941年12月8日(月)正午に放送(動畫は映畫館で上映)

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1092825

https://rekion.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3573546

https://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/jpnews/movie.cgi?das_id=D0001300464_00000&seg_number=001

https://www.youtube.com/watch?v=EvDlpwWz9Ag

只今(ただいま)宣戰(せんせん)の御詔勅(ごせぅちよく)が渙發(かんぱつ)せられました。精銳(せいえい)なる帝國(ていこく)陸海軍(りくかいぐん)は今(いま)や決死(けつし)の戰(たゝか)ひを行(おこな)ひつゝあります。東亞(とうあ)全局(ぜんきよく)の平和(へいわ)は之(これ)を念願(ねんぐゎん)する帝國(ていこく)のあらゆる努力(どりよく)にも拘(かゝは)らず、遂(つひ)に決裂(けつれつ)の已()むなきに至(いた)つたのであります。

過般來(くゎはんらい)、政府(せいふ)はあらゆる手段(しゆだん)を盡(つく)し對米(たいべい)國交(こつかう)調整(てうせい)の成立(せいりつ)に努力(どりよく)して參(まい)りましたが、彼(かれ)は従來(じゆぅらい)の主張(しゆちやう)を一歩(いつぽ)も讓(ゆず)らざるのみならず、却(かへ)つて英蘭支(えい らん し)と聯合(れんがふ)して支那(シナ)より我()が陸海軍(りくかいぐん)の無條件(むでうけん)全面(ぜんめん)撤兵(てつぺい)、南京(ナンキン)政府(せいふ)の否認(ひにん)、日獨伊(にち どく い)三國條約(さんごく でうやく)の破棄(はき)を要求(えうきう)し帝國(ていこく)の一方的(いつぱうてき)讓歩(じやうほ)を强要(きやうえう)して參(まい)りました。

之(これ)に對(たい)し帝國(ていこく)は飽()く迄(まで)平和的(へいわてき)妥結(だけつ)の努力(どりよく)を續(つゞ)けましたが、米國(べいこく)は何等(なんら)反省(はんせい)の色(いろ)を示(しめ)さず今日(こんにち)に至(いた)りました。若()し帝國(ていこく)にして彼(かれ)らの强要(きやうえう)に屈從(くつじゆぅ)せんか、帝國(ていこく)の權威(けんゐ)を失墜(しっつい)し支那事變(シナ じへん)の完遂(かんすい)を期()し得()ざるのみならず、遂(つひ)には帝國(ていこく)の存立(そんりつ)をも危殆(きたい)に陷(おちい)らしむる結果(けつくゎ)となるのであります。

事(こと)茲(こゝ)に至(いた)りましては、帝國(ていこく)は現下(げんか)の危局(ききよく)を打開(だかい)し、自存自衛(じそん じゑい)を全(まつた)うするため斷固(だんこ)として立()ち上(あが)るの已()むなきに至(いた)つたのであります。今(いま)宣戰(せんせん)の大詔(だいせう)を拜(はい)しまして恐懼(きよぅく)感激(かんげき)に堪()へません。私(わたくし)は不肖(ふせう)なりと雖(いへど)も一身(いつしん)を捧(さゝ)げて決死報國(けつし ほうこく)、唯々(ただ/\) 宸襟(しんきん)を安(やす)んじ奉(たてまつ)らんとの念願(ねんぐゎん)のみであります。國民(こくみん)諸君(しよくん)も、また己(おの)が身()を顧(かへり)みず、醜(しこ)の御楯(みたて)たるの光榮(くゎうゑい)を同(おな)じうされるものと信(しん)ずるものであります。(3:01 of 7:20)

凡(およ)そ勝利(しよぅり)の要訣(えうけつ)は「必勝(ひつしよぅ)の信念(しんねん)」を堅持(けんぢ)することであります。建國(けんこく)二千六百年(にせん ろつぴやく ねん)、我等(われら)は未(いま)だかつて戰(たゝか)ひに敗(やぶ)れたことを知()りません。この史績(しせき)の囘顧(かいこ)こそ、如何(いか)なる强敵(きやぅてき)をも破碎(はさい)するの確信(かくしん)を生(しやう)ずるものであります。我等(われら)は光輝(くゎうき)ある祖國(そこく)の歷史(れきし)を斷(だん)じて穢(けが)さざると共(とも)に、更(さら)に榮(はゑ)ある帝國(ていこく)の明日(あす)を建設(けんせつ)せんことを固(かた)く誓(ちか)ふものであります。顧(かへり)みれば我等(われら)は今日(こんにち)まで隱忍(いんにん)、自重(じちよう)との最大限(さいだいげん)を重(かさ)ねたのでありまするが、斷(だん)じて安(やす)きを求(もと)めたものでなく、又(また)敵(てき)の强大(きやうだい)を惧(おそ)れたものでもありません。只管(ひたすら)世界平和(せかい へいわ)の維持(いぢ)と人類(じんるい)の慘禍(さんくゎ)の防止(ばうし)とを顧念(こねん)したるに外(ほか)なりません。然(しか)も、敵(てき)の挑戰(てうせん)を受()け、祖國(そこく)の生存(せいぞん)と權威(けんゐ)とが危(あやう)きに及(およ)びましては、蹶然(けつぜん)起()たざるを得()ないのであります。

當面(たうめん)の敵(てき)は物資(ぶつし)の豐富(ほうふ)を誇(ほこ)り、之(これ)に依(よつ)て世界(せかい)の制覇(せいは)を目指(めざ)して居()るのであります。此()の敵(てき)を粉碎(ふんさい)し、東亞(とうあ)不動(ふどぅ)の新秩序(しんちつじよ)を建設(けんせつ)せんが爲(ため)には、當然(たうぜん)長期戰(ちやうきせん)たることを豫想(よさう)せねばなりません。之(これ)と同時(どぅじ)に絕大(ぜつだい)の建設的(けんせつてき)努力(どりよく)を要(えう)すること言(げん)を要(えう)しません。斯()くて我等(われら)は飽()く迄(まで)最後(さいご)の勝利(しよぅり)が祖國(そこく)日本(につぽん)にあることを確信(かくしん)し、如何(いか)なる困難(こんなん)も障碍(しやうがい)も克服(こくふく)して進(すゝ)まなければなりません。これこそ、昭和(せうわ)の御民(みたみ)我等(われら)に課()せられたる天與(てんよ)の試鍊(しれん)であり、この試鍊(しれん)を突破(とつぱ)して後(のち)にこそ、大東亞(だいとうあ)建設者(けんせつしや)としての榮譽(ゑいよ)を後世(こうせい)に擔(にな)ふことが出來(でき)るものであります。

この秋(とき)に當(あた)り滿洲國(まんしう こく)及(および)中華民國(ちゆぅくゎ みんこく)との一德一心(いつとく いつしん)の關係(くゎんけい)いよ/\敦(あつ)く、獨伊(どく い)兩國(りやうごく)との盟約(めいやく)益々(ます/\)堅(かた)きを加(くは)へつゝあるを、快欣(くゎいきん)とするものであります。帝國(ていこく)の隆替(りゆぅたい)、東亞(とぅあ)の興廢(こぅはい)、正(まさ)に此()の一戰(いつせん)に在()り、一億國民(いちおく こくみん)が一切(いつさい)を擧()げて、國(くに)に報(むく)ひ、國(くに)に殉(じゆん)ずるの時(とき)は今(いま)であります。(6:39 of 7:20)八紘(はつくゎう)を宇(いへ)と爲()す皇謨(くゎうぼ)の下(もと)にこの盡忠報國(じんちゆぅ ほうこく)の大精神(だいせいしん)ある限(かぎ)り、英米(えいべい)と雖(いへど)も何等(なんら)(おそ)るゝに足()らないのであります。勝利(しよぅり)は常(つね)に御稜威(みゐづ)の下(もと)にありと確信(かくしん)致(いた)すものであります。私(わたくし)は茲(こゝ)に、謹(つゝし)んで微衷(びちゆぅ)を披瀝(ひれき)し國民(こくみん)と共(とも)に、大業翼贊(たいげふ よくさん)の丹心(たんしん)を誓(ちか)ふ次第(しだい)であります。終(をは)り。

【比較參考6】

1941年12月8日(月)、米国議会に於けるロウザヴェルト(FDR: Franklin D. Roosevelt, 1882-1945; 大統領在任1933-45)米大統領の演説

https://www.loc.gov/resource/afc1986022.afc1986022_ms2201/?st=text

https://www.archives.gov/education/lessons/day-of-infamy

https://www.archives.gov/publications/prologue/2001/winter/crafting-day-of-infamy-speech.html

https://millercenter.org/the-presidency/presidential-speeches/december-8-1941-address-congress-requesting-declaration-war

https://www.youtube.com/watch?v=pYE2I9RcvEE (0:30-7:20end)

Mr. Vice President, (and) Mr. Speaker, (and) Members of the Senate and House of Representatives:

副大統領閣下、議長殿、上下両院の議院の皆さん、

Yesterday, December 7th, 1941 — a date which will live in infamy — the United States of America was suddenly and deliberately attacked by naval and air forces of the Empire of Japan.

昨日、1941年12月7日(註: 日本時間では1941年12月8日(月)のこと)汚辱に塗(まみ)れた日として今後生き続ける日に、アメリカ合衆国は唐突にそして故意に攻撃を受けました。海軍と航空兵力によってです。日本帝国の。

The United States was at peace with that Nation and, at the solicitation of Japan, was still in conversation with its Government and its Emperor looking toward the maintenance of peace in the Pacific. Indeed, one hour after Japanese air squadrons had commenced bombing in the American Island of Oahu, the Japanese Ambassador to the United States and his colleague delivered to our Secretary of State a formal reply to a recent American message. And while this reply stated that it seemed useless to continue the existing diplomatic negotiations, it contained no threat or hint of war or of armed attack.

合衆国はその国(日本)とは和平の状態に在()りました。そして日本の誘いでその国の政府と皇帝(天皇)とまだ対話していました。太平洋での和平の維持を模索してのことです。確かに日本の航空編隊が爆撃をアメリカのオアフ島に開始した一時間後に駐米日本大使(註: 野村吉三郎のこと)とその同僚(註: 來栖三郎のこと)は我が国の国務長官(註: Cordell Hull のこと)に最近の我が国のメッセージに対する正式な回答を寄越(よこ)してきたのです。そしてこの回答は現行の外交交渉を続けるのは無意味かも知れないと表明しながらも、脅(おど)し文句や仄(ほの)めかしも書かれていませんでした。戦争になるぞとか、武装攻撃をするぞといったことは。

It will be recorded that the distance of Hawaii from Japan makes it obvious that the attack was deliberately planned many days or even weeks ago. During the intervening time the Japanese Government has deliberately sought to deceive the United States by false statements and expressions of hope for continued peace.

記録にとどめられるのは、日本からハワイへの距離からして、今回の攻撃は故意にそれも何日も前に、それどころか何週間も前に計画されたものであるということは明白だということです。その間には日本政府は意図的に合衆国を欺(あざむ)こうとして、恰(あたか)も和平の継続を希求するような虚偽の声明や表現を出していたのです。

The attack yesterday on the Hawaiian Islands has caused severe damage to American naval and military forces. I regret to tell you that very many American lives have been lost. In addition American ships have been reported torpedoed on the high seas between San Francisco and Honolulu.

昨日のハワイ諸島への攻撃はアメリカの海軍及び軍隊に深刻な損害を与えました。残念ながら言わねばなりません。非常に多くのアメリカ人が命を落としました。加えて、伝えられている情報によれば、アメリカの船舶がサンフランシスコとホノルルの間の公海上で(日本海軍から)魚雷攻撃を受けているとのことです。

Yesterday the Japanese Government also launched an attack against Malaya. Last night Japanese forces attacked Hong Kong: Last night Japanese forces attacked Guam. Last night Japanese forces attacked the Philippine Islands. Last night the Japanese attacked Wake Island. And this morning the Japanese attacked Midway Island.

昨日、日本政府(註: この文脈では日本軍のこと)はマラヤ(註: 当時の英領で現在のマレーシアながら約三年八ヶ月間も日本軍の支配下に入ることになる)への攻撃も開始しました。昨晩、日本軍は香港(註: 当時の英領で現在の中華人民共和國特別行政區ながら約三年九ヶ月間も日本軍の支配下に入ることになる)を攻撃しました。昨晩、日本軍はグアム(註: 当時も現在も米領ながら約二年間七ヶ月間も「大宮島」として日本軍の支配下に入ることになる)を攻撃しました。昨晩、日本軍はフィリピン諸島(当時の米領で現在のフィリピン共和国ながら約三年四ヶ月間も「比島」として日本軍の支配下に入ることになる)を攻撃しました。昨晩、日本軍はウェーク島(註: 当時も現在も米領ながら約三年間八ヶ月間も「大鳥島」として日本軍の支配下に入ることになる)を攻撃しました。そして今朝、日本はミッドウェイ島(註: 当時も現在も米領で、日本海軍はここで約半年後の1942年6月に初の大敗北を喫することになる)を攻撃しました。

Japan has, therefore, undertaken a surprise offensive extending throughout the Pacific area. The facts of yesterday and today speak for themselves. The people of the United States have already formed their opinions and well understand the implications to the very life and safety of our Nation.

日本はしたがって奇襲攻撃に着手したのです。攻撃は太平洋地域の至る所(註: 実際には西太平洋に限定)に拡がっています。昨日と今日の事実が自(おの)ずと物語っています。合衆国の人民は既(すで)に自分の意見を固めていて、我が国のまさに生命と安全に齎(もたら)す影響についてよく理解しています。

As Commander in Chief of the Army and Navy I have directed that all measures be taken for our defense.

陸海軍(註: 米空軍が新たに発足するのは第二次世界大戦から二年が経過した1947年9月のこと)の最高司令官として私は我が国の防衛のためにあらゆる方策が講じられるよう指示を出しました。

But always will our whole Nation remember the character of the onslaught against us. [Applause]

しかし常に我が国全体が我々に対する襲来の性質を記憶するのであります。(拍手)

No matter how long it may take us to overcome this premeditated invasion, the American people in their righteous might will win through to absolute victory. [Cheers and applause]

この事前に計画された侵略を我々が克服するのにどれほどの時間がかかろうとも、アメリカ国民はその正義の力で以(もっ)て絶対的な勝利まで勝ち抜きます。(拍手喝采)

I believe that I interpret the will of the Congress and of the people when I assert that we will not only defend ourselves to the uttermost but will make it very certain that this form of treachery shall never again endanger us. [Applause]

私が信ずるところでは、これは議会下院の意志であり、人民の意志であると私は解釈します。それは私が次のように主張するときです。我々は最大限まで自(みずか)らを防衛するのみならず、(敵国による)この種の卑怯な背信行為が二度と我々を危険に晒(さら)すことが絶対ないようにすると主張するときです。(拍手)

Hostilities exist. There is no blinking at the fact that our people, our territory, and our interests are in grave danger.

戦闘状態は存在します。目を瞑(つぶ)るわけにはいきません。我らの人民、我らの領土、我らの国益が重大な危機に瀕(ひん)しているという事実に。

With confidence in our armed forces with the unbounding determination of our people we will gain the inevitable triumph so help us God. [Applause]

我が軍に信頼を託し、我らの人民の確固たる決意を以(もっ)て、我々は必然的大勝利を獲得します。ですので神よ我らを助け給(たま)え。(拍手)

I ask that the Congress declare that since the unprovoked and dastardly attack by Japan on Sunday, December 7th, 1941, a state of war has existed between the United States and the Japanese Empire. [Cheers and applause]

私は議会下院に求めます。1941年12月7日(日曜日)の日本による正当性の無い卑劣な攻撃以来、交戦状態が合衆国と日本帝国の間に存在していることを議会が宣言することを。(拍手喝采)

(日本語訳: 原田俊明)

【比較參考7】

1941年12月9日(火)、ロウザヴェルト(FDR: Franklin D. Roosevelt, 1882-1945; 大統領在任1933-45)米大統領のラジオ演説「ファイヤサイド・チャット」(Fireside Chat: 「暖炉端でのお喋り」の意)

https://millercenter.org/the-presidency/presidential-speeches/december-9-1941-fireside-chat-19-war-japan

https://www.youtube.com/watch?v=E0wnG8MlA4A (0:04-1:47 of 9:01)

My Fellow Americans:

我が同志アメリカ人たちよ

The sudden criminal attacks perpetrated by the Japanese in the Pacific provide the climax of a decade of international immorality.

太平洋で日本が凶行に及んだ唐突にして犯罪的な攻撃の数々は、国際的な不道徳が続いたこの十年間の山場(クライマックス)を齎(もたら)しました。

Powerful and resourceful gangsters have banded together to make war upon the whole human race. Their challenge has now been flung at the United States of America. The Japanese have treacherously violated the longstanding peace between us. Many American soldiers and sailors have been killed by enemy action. American ships have been sunk; American airplanes have been destroyed.

強力にして資源の有り余るギャングども(註: 日独伊のこと)が徒党を組んで人類全体に向かって戦争を仕掛けてきました。連中の挑戦は今やアメリカ合衆国にも突き付けられました。日本は卑劣にも日米両国間の長年に亘(わた)る和平をぶち壊しました。多くのアメリカ人兵士や水兵が敵の戦闘行為によって殺されました。アメリカの船舶は沈められ、アメリカの航空機は破壊されました。

The Congress and the people of the United States have accepted that challenge.

議会下院と合衆国人民はその挑戦を受けて立つことにしました。

Together with other free peoples, we are now fighting to maintain our right to live among our world neighbors in freedom, in common decency, without fear of assault.

他の自由諸国民らと共に我々は今や戦っているのです。生存権を維持するためです。我らが世界の隣人たちと、自由で共通の品位を保ち、襲われる恐怖なしでです。

I have prepared the full record of our past relations with Japan, and it will be submitted to the Congress. It begins with the visit of Commodore Parry to Japan eighty-eight years ago. It ends with the visit of two Japanese emissaries to the Secretary of State last Sunday, an hour after Japanese forces had loosed their bombs and machine guns against our flag, our forces and our citizens. [The rest omitted]

私は我が国の日本との過去の関係の全記録をここに用意しましたので、議会下院に提出いたします。それ(=日米関係)はペリー海軍准将の八十八年前の日本訪問に端を発しています。それ(=日米関係)は日本から派遣されてきた二人の特使(註: 野村吉三郎と來栖三郎のこと)が直近の日曜(註: 1941年12月7日(日)のこと)に我が国務長官(註: Cordell Hull のこと)の所を訪れた時点で終わりを告げます。それは日本軍が既に我が国の国旗に、我が国の軍隊に、我が国の市民たちに向けて積んでいた爆弾の発射口を緩(ゆる)め、機関銃を発砲した一時間も後のことだったのです。(後略)

(日本語訳: 原田俊明)

【比較參考8】

西曆1941年12月 高橋掬太郎作詞「英國東洋艦隊潰滅」對譯

https://sites.google.com/site/xapaga/home/horobitari

British Prime Minister Winston Churchill speaks to the Joint Congress in Washington, DC on Friday 26th December 1941

1941年12月26日(金)、ウィンストン・チャーチル英首相、米議会上下両院での演説より

https://en.wikiquote.org/wiki/Winston_Churchill#The_Second_World_War_.281939.E2.80.931945.29

https://www.youtube.com/watch?v=fhUXdolcIPQ

The fact that my American forebears have for so many generations played their part in the life of the United States, and that here I am, an Englishman welcomed in your midst, makes this experience one of the most moving and thrilling in my life, which is already long and has not been entirely uneventful. (Laughter). I, I wish, I wish indeed that my mother whose memory I cherish across the veil of years could have been here to see [me]. By the way, I cannot help for (sic) reflecting that if my father had been an American and my mother British, ahem, instead of the other way around, I might have got here on my own. (Laughter & Applause). https://www.youtube.com/watch?v=pYDLTDL-YD8 (0:50-2:00 of 16:05)

アメリカの私の(母方にあたる)先祖が合衆国の歴史の中でその役割を果たしてきたという事実、そしてイングランド人である私が皆さんの中にあって歓迎を受けて今この場に居るという事実は、この体験を我が人生で特に感動的かつスリルに満ちたものにしております。我が人生はもう既に長いものになっておりまして、 ここまで全く平穏無事だったという訳ではありません。(笑)。私は、私は願わくば、願わくば、何年も前に亡くなっている(米国生まれの)母、その思い出を私は大切にしているのですが、その亡き母がここへ(私を)見に来ることができたならと思います。ところで私はもし父がアメリカ人で母が英国人だったなら、ゴホン(咳)、その反対ではなくですね、そうなっていたら私は自力でここ(米国議会)へやって来た(つまり米国の議員になっていた)かも知れないとつくづく思わざるを得ません。(笑・拍手喝采)

I am so glad to be able to place (sic) before you, members of the Senate and of the House of Representatives. At this moment when you are entering the War, the proof that with proper weapons and proper organisation we are able to beat the life out of the savage nutty. (Applause). https://www.youtube.com/watch?v=fhUXdolcIPQ (音声のみ 19:47-20:20 of 35:57)

私は上下両院の議員の皆さんとここに対面することができ、なんとも嬉しく思っております。あなた方が戦争に突入しているこの瞬間、適切な武器と適切な準備計画がありさえ すれば野蛮なクルクルパーを懲らしめることができるという証拠です。(拍手)。

Lastly, if you will forgive me for saying it, to me the best tidings of all, the United States, united as never before, has drawn the sword for freedom and cast away the scabbard. (Applause). https://www.youtube.com/watch?v=fhUXdolcIPQ (音声のみ 21:48-22:10 of 35:57)

最後にこのように言うのをお許しいただければですが、私にとって最高の好機に合衆国はかつてないほど一致団結して自由の太刀(たち)を抜き、(刀の)鞘(さや)をかなぐり捨てたのです。(拍手喝采)

Many people are… have been astonished that Japan should in a single day have plunged into war against the United States and the British Empire. (…) They have certainly embarked upon a very considerable undertaking. (Laughter) (…) What kind of a (sic) people do they think we are? Is it possible they do not realise that we shall never cease to persevere against them until they have been taught a lesson which they and the world will never forget? (Applause). 動画 https://www.youtube.com/watch?v=UGOdNB5_CTo (3:09-3:50 of 4:35)& 全文版音声のみ https://www.youtube.com/watch?v=fhUXdolcIPQ (26:35-30:00 of 35:57)

多くの人は大変… 驚いております、日本がたった一日で合衆国と大英帝国に対する戦争に突入したことに。(中略)(日本の)連中は確かに着手したものですな、実に大掛かりな事業にね。(笑)(中略)。連中は我々をどういう国民と見做(みな)しているのでしょうか。連中が気づかないなどということがありえましょうか、我々が連中に対して飽くまでも辛抱強く戦い貫くということに、連中を含めて世界中の人が決して忘れることのない教訓でもって連中が思い知らされる日まで。(拍手喝采)

British Prime Minister Winston Churchill speaks to the Canadian Parliament in Ottawa on Tuesday 30th December 1941

1941年12月30日(火)、ウィンストン・チャーチル英首相、カナダ議会での演説より

http://teachingamericanhistory.org/library/document/some-chicken-some-neck/

https://www.britishpathe.com/video/churchill-in-ottawa (1:41-2:18 of 5:11)

https://www.britishpathe.com/video/some-chicken-some-neck-mr-churchill-at-ottawa (1:51-3:10end)

https://www.youtube.com/watch?v=y6JxSHmVB5g (1:51-3:09end)

We have been concerting the united tact and resolves of more than thirty states and nations to fight on in unity together, and in fidelity, one with another, without any thought except the total and final extirpation of the Hitler tyranny, of the Japanese frenzy and the Mussolini flop. (Laughter).

我々は三十を超える国々の結束した機転と決意について協議してきました。それは一致団結して闘うためであり、お互いに忠誠を誓って、頭の中には完全かつ最終的な害虫駆除しかありません。ヒトラーの恐怖政治と、日本の気違いと、ムッソリーニのズッコケという害虫の駆除であります。(笑)

Their generals misled them. When I warned them that Britain will fight on alone whatever they did, their generals told their prime minister and his divided cabinet, in three weeks England will have a neck wrung like a chicken. Some chicken. (Laughter and applause). Some neck. (Laughter).

彼ら(フランス)の将軍たちが彼ら(フランス国民)を誤った方向に導いたのです。私(チャーチル)が彼ら(フランス)に向かって、英国一国であっても何が何でも(対独戦を)戦い抜きますぞと警告したところ、フランス軍の将軍どもはフランス首相とその配下の意見がバラバラの内閣に向かってこう言い放ちました。三週間でイングランド(この文脈では「英国」を表す)はニワトリのように首をへし折られるとね。 大したニワトリですな。(笑・拍手)。大した首ですぞ。(笑)

(日本語訳: 原田俊明)

註: 上記は「チャーチルの チキン演説」(Churchill’s ‘chicken’ speech)として、歴史的にも非常に名高い演説。カナダの国会議員たちの大爆笑の渦(うず)も音声記録として残っている。

【比較參考9】

ナチスドイツの対英軍歌

„Bomben auf Engelland“ (「爆弾(複数)をイギリスへ」1940年)

https://ja.wikipedia.org/wiki/イングランドを爆撃せよ

https://de.wikipedia.org/wiki/Bomben_auf_Engelland

https://www.youtube.com/watch?v=5iBp3bpALP4

https://www.youtube.com/watch?v=S50bcZwUoco

https://www.youtube.com/watch?v=dPItwnqsDfw (ソ連軍戦利品としてのレコード盤 0:07-2:51end)

https://www.bitchute.com/video/vWPXeeDh8rbB/

https://www.youtube.com/watch?v=I9yJZQg-azw (リンク切れ)

https://www.youtube.com/watch?v=oEUmDRnKZOQ (リンク切れ)

https://www.youtube.com/watch?v=3WwAg0912hA (中文訳字幕、英訳字幕、ドイツ語歌詞字幕付だったが、リンク切れ)

https://www.youtube.com/watch?v=hZrT2pBDogU(ドイツ語歌詞、和訳付だったが、リンク切れ)

【比較參考10】

日本戰時歌謠 「擊滅(げきめつ)行進曲(かうしんきよく) 征()けやロンドン」(昭和十八年=1943年6月發賣)

時雨音羽(しぐれ おとは, 1899-1980)作詞、出生時の氏名 池野音吉(いけの おときち)から改名して筆名を本名に

細川潤一(ほそかは じゆんいち; ほそかわ じゅんいち, 1913-91)、本名 淺川正躬(あさかは まさみ; あさかわ まさみ, 1913-91)作曲

永田絃次郎(ながた げんじらう; ながた げんじろう, 1909-85)、本名 金永吉(김영길; キム・ヨンギル; Kim Yeong-gil, 1909-85)と富士合唱團(ふじ がつしやぅだん; ふじ がっしょうだん)による歌唱

[動画]

https://www.youtube.com/watch?v=8nPL-jWKamI

[歌詞]

http://www.kget.jp/lyric/242072/征けやロンドン_永田絃次郎,+富士合唱団

1

征()けや進(すゝ)めやロンドンへ

海賊(かいぞく)の國(くに)イギリスの

傲慢無禮(がうまん ぶれい)の鼻柱(はなばしら)

見事(みごと)へし折()る東洋(とうやう)に

ユニオンジャックの影(かげ)もなし

2

征()けや進(すゝ)めやロンドンへ

飢()ゑなき民(たみ)と嘯(うそぶ)きて

世界(せかい)に伸()ばす吸血(きふけつ)の

東洋(とうやう)侵略(しんりやく)三百年(さんびやくねん)

暴漢(ぼぅかん)今(いま)ぞ砕(くだ)け散()る

3

(1:24 of 3:17) 征()けや進(すゝ)めやロンドンへ

憶(おぼ)えてゐるかチャーチル

東洋(とうやう)主力艦隊(しゆりよく かんたい)の

あはれあの日()の あの最期(さいご)

新嘉坡(シンガポール)の慘敗(ざんぱい)を

4

征()けや進(すゝ)めやロンドンへ

思(おも)ひ知()つたかイギリスよ

無敵(むてき)皇軍神兵(くゎうぐん しんぺい)の

抜()く手()を見()せぬ早業(はやわざ)を

ジブラルタルも寸刻(すんこく)ぞ

5

征()けや進(すゝ)めやロンドンへ

今(いま)一息(ひといき)だ追()ひ詰()めて

城下(じやぅか)の盟(ちかひ)立()てるまで

やりぬく勝()ちぬくこの力(ちから)

吾等(われら)の覺悟(かくご)は盤石(ばんじやく)だ

(2:50 of 3:17) 討()てや殺(ころ)せやイギリスを

突()けや進(すゝ)めやロンドンへ

【比較參考11】

松竹映畫 『米英(べいえい)擊滅(げきめつ)の歌(うた) 斯(か)くして我等(われら)は戰(たゝか)へり』挿入歌(昭和十九年=1944年)

野口米次郎(のぐち よねじらう; のぐち よねじろう; Yone Noguchi, 1875-1947)=世界的に著名な米国籍彫刻家・景観設計家イサム・ノグチ(Isamu Noguchi; 野口勇, 1904-88)の父作詞

山田耕筰(やまだ かうさく; やまだ こうさく; Kósçak Yamada, 1886-1965)作曲

[動画1]

藤原義江(ふじはら よしゑ; ふじわら よしえ, 1898-1976)歌唱=映画の一場面

https://www.youtube.com/watch?v=5RTggJpnAKs (1:00 & 2:10 of 5:12)

[動画2]

伊藤久男(いとう ひさを; いとう ひさお, 1910-83)と波平曉男(なみひら あきを; なみひら あきお, 1915-83)歌唱=レコード錄音(昭和廿年=1945年1月販賣)

https://www.youtube.com/watch?v=tF39n4z7BkM (0:07-3:42end)

[歌詞]

1

濤(なみ)は哮(たけ)る 擊滅(げきめつ)の時(とき)は今(いま)だ 空母(くうぼ)戰艦(せんかん) 斷(だん)じて屠(ほふ)れ

海(うみ)が彼奴(きやつ)らの 墓場(はかば)だ 塚(つか)だ 海(うみ)が彼奴(きやつ)らの 墓場(はかば)だ 塚(つか)だ

2

風(かぜ)は咆()える 覆滅(ふくめつ)の時(とき)は今(いま)だ 魔翼(まよく)妖鳥(えうてふ) 斷(だん)じて墜()とせ

雲(くも)が彼奴(きやつ)らの 經帷子(きやぅかたびら)だ 雲(くも)が彼奴(きやつ)らの 經帷子(きやぅかたびら)だ

3

草(くさ)は燃()える 殲滅(せんめつ)の時(とき)は今(いま)だ 鬼畜(きちく)米英(べいえい) 斷(だん)じて斃(たお)せ

山(やま)が彼奴(きやつ)らの 墓標(ぼへう)だ 墓石(いし)だ 山(やま)が彼奴(きやつ)らの 墓標(ぼへう)だ 墓石(いし)だ

4

時(とき)は今(いま)だ 決勝(けつしよぅ)の時(とき)は今(いま)だ 興亞(こぅあ)聖戰(せいせん) 斷(だん)じて遂()げよ

み民(たみ)われらの 命(いのち)が的(まと)だ み民(たみ)われらの 命(いのち)が的(まと)だ

【附録1】

上記以外で、チャーチル(Sir Winston Churchill, 1874-1965; 首相在任1940-45 & 1951-55)による第二次世界大戦(1939年9月3日~1945年8月15日)初期の頃の1940年と、末期1945年の演説名言集

1940年5月13日(月)、「血と労苦と涙と汗(blood, toil, tears and sweat)」演説

https://en.wikipedia.org/wiki/Blood,_toil,_tears,_and_sweat

I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat.

私には何も(国民に)提供するものがありません。血と労苦と涙と汗の他には。

註: 負け戦(いくさ)が続く中、1940年5月10日(金)にチャーチルが総理大臣に就任。週明けの5月13日(月)の議会下院(the Lower House of Parliament)=庶民院(the House of Commons)にて、新首相のチャーチルは上記の言葉で国民を鼓舞(こぶ)した。2016年9月13日(火)に市中に出た新五ポンド・ポリマー札(紙幣ならぬポリマー製の札)の裏面にチャーチルの肖像が描かれているが(表面は相変わらず現役の国家元首である女王エリザベス二世)、そこには上記の言葉、I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat が書かれている( https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/5-pound-note )。ところが終止符(英 full-stop; 米 period)も引用符(英米 quotation marks; quote marks; 英のみ inverted commas)も省略された形で印刷されたことが2017年4月下旬に問題になり、文法学者の間でも擁護派と批判派で意見が割れた。なお、今回の意匠(いしょう: design)変更で、イングランド銀行は伝統的な紙幣をやめて、英連邦の豪州とNZとカナダに倣(なら)ってポリマー札を導入した。ポリマー札は紙幣に比べて丈夫で皺(しわ)になりにくいのが特徴である。

1940年6月4日(火)、「我々は決して屈服しない(We shall never surrender)」演説

http://www.youtube.com/watch?v=5IHadByMvXk

We shall fight in France. We shall fight on the seas and oceans. We shall fight with growing confidence and growing strength in the air. We shall defend our Island, whatever the cost may be. We shall fight on the beaches. We shall fight on the landing grounds. We shall fight in the fields, and in the streets. We shall fight in the hills. We shall never surrender. And if, which I do not for a moment believe, this Island, or a large part of it were subjugated and starving then our Empire beyond the seas, armed and guarded by the British Fleet, would carry on the struggle, until, in God’s good time, the New World, with all its power and might, steps forth to the rescue and the liberation of the Old.

我々はフランスで戦う。我々は海で、大海原(おおうなばら)で戦う。我々は益々自信を持って、益々強くなっ て空で戦う。我々はこの島国を守る、どんな代償を払ってもだ。我々は浜辺で戦う。我々は上陸地で戦い、往来(おうらい)で戦う。我々は丘で戦う。我々は決して屈服しない。そしてもし仮にも、私はそんなことになろうとは、これっぽっちも信じていないが、この島国が、或(ある)いはこの島国の大部分が、敵の支配下に置かれたり、飢えに苦しむようなことがあっても、海の向こうの我らが帝国領土が英国艦隊によって武装され護衛されて戦いを続けてくれる。そしてやがては神のみぞ知るその時期が来れば新世界(アメリカ)が、その全精力を傾けて、旧世界(ヨーロッパ)の救済と解放へと歩を進めることでありましょう。

1940年6月18日、「史上最高の時(their finest hour)」演説

https://www.youtube.com/watch?v=G4BVzYGeF0M

What General Weygand called the Battle of France is over. I expect that the Battle of Britain is about to begin. Upon this battle depends the survival of Christian civilisation. Upon it depends our own British life, and the long continuity of our institutions and our Empire. The whole fury and might of the enemy must very soon be turned on us. Hitler knows that he will have to break us in this Island or lose the War. If we can stand up to him, all Europe may be free and the life of the world may move forward into broad, sunlit uplands. But if we fail, then the whole world, including the United States, including all that we have known and cared for, will sink into the abyss of a new Dark Age made more sinister, and perhaps more protracted, by the lights of perverted science. Let us therefore brace ourselves to our duties, and so bear ourselves that, if the British Empire and its Commonwealth lasts for a thousand years, men will still say, ‘This was their finest hour.’

(フランス軍の)ヴェガン将軍がフランスの戦い(フランス攻防戦)と呼んでいた物が終わりました。英国の戦い(イギリス攻防戦)がもうじき始まりましょう。この戦いにキリスト教文明の生存がかかっています。この戦いに我々自身の英国の生命、我々の慣習・しきたり、それに我らが帝国の永続がかかっています。敵の憤怒(ふんぬ)と力の全精力が、もうまもなく我々に振りかかってくるでしょう。ヒトラーはこの島国を打ち負かさねばならないこと、さもなくば戦争に負けることは分かっています。もし我々がヒトラーに立ち向かうことができれば、全欧州は自由になり、世界の生命は、より広い、日の当たる高台へと前進することでしょう。しかしもし我々が失敗すれば、全世界は、合衆国を含めて、そして我々に馴染(なじ)みがあり、我々が好意を抱いてきた世界を含めて、新たな暗黒時代のどん底へと落ち込むことになります。その暗黒時代は曲学阿世(きょくがく あせい)の学問によって、おそらくはより不吉で、より引き伸ばされたものになるでしょう。そこで我々は気持ちを引き締めましょう。そして振舞おうではありませんか。 もしイギリス帝国とその連邦が一千年続くとしたら、人々はそれでも言うでしょう、「(ドイツ軍に負けそうで負けない)この時こそが史上最高の時であった」と。

1940年8月20日(火)、ドイツ軍の英国侵略を防いだ英国空軍(RAF: Royal Air Force)の英雄的な活躍を称(たた)えた演説

http://www.youtube.com/watch?v=SX700vsKasA

http://www.youtube.com/watch?v=0SD17Rv3lu8 (2:23-3:08end: 戦時中1942年公開のイギリス映画 The First of the Few =直訳 『少数者の中の先頭の者たち』の開始場面と終盤)

Never in the field of human conflict was so much owed by so many to so few.

人類の戦(いくさ)の歴史に於いて、これほど多くの者がこれほど少数の者から恩を受けたことは、いまだかつてなかった。

当時のポスター

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/46/Plakat1940.jpg

大戦末期の演説

German armed forces agree to surrender unconditionally, and Churchill makes a radio broadcast (also filmed for cinemas) on Tuesday 8th May 1945, at 1500 hours, announcing that hostilities in Europe will end officially in ten hours’ time, at one minute past midnight.

ドイツ軍の無条件降伏を受け、1945年5月8日(火) 15時にチャーチル首相がラジオで演説(映画館用に動画も収録される)し、十時間後の深夜零時1分過ぎに欧州に於ける戦闘状態が公式に終了する旨を伝える[註]

http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/may/8/newsid_3580000/3580163.stm

http://news.bbc.co.uk/player/nol/newsid_6560000/newsid_6564400/6564477.stm

https://www.youtube.com/watch?v=efvwJjzqKUk

Yesterday morning at 2.41am at General Eisenhower’s Headquarters, General Jodl, the representative of the German High Command, and Grand Admiral Doenitz, the designated head of the German State, signed the act of unconditional surrender of all German land, sea, and air forces in Europe to the Allied Expeditionary Forces, and simultaneously to the Soviet High Command.

Hostilities will end officially at one minute after midnight tonight, Tuesday the 8th of May. We may allow ourselves a brief period of rejoicing. Today is Victory in Europe Day, tomorrow will also be Victory in Europe Day; but let us not forget for a moment the toil and efforts that lie ahead. Japan, with all her treachery and greed, remains unsubdued. The injuries she has inflicted upon Great Britain, the United States and other countries, and her detestable cruelties, call for justice and retribution. We must now devote all our strength and resources to the completion of our task, both at home and abroad. Advance, Britannia! Long live the cause of freedom! God save the King!

昨日午前2時41分、アイゼンハワー米陸軍元帥の司令部にて、ドイツ軍最高司令部の代表者であるジョードル(訳者註: 正しくはヨードルだがチャーチルは故意に間違って英語読みしている)陸軍大将と、ドイツ国の国家元首に指名されたデーニッツ海軍大元帥が文書に署名しました。欧州に於ける全ドイツの陸海空の兵力の無条件降伏の行為を、連合国の派遣軍と、同時にソビエト軍最高司令部に対して約した文書です。

交戦状態が公式に終わるのは今晩、五月八日火曜日午前零時1分です。我々は束(つか)の間()の喜びに浸(ひた)るのも良いでしょう。今日は欧州戦勝の日であり、明日もまた欧州戦勝の日であります。しかし今ここで忘れてはならないのは、来(きた)るべき労苦と努力です。日本はその欺瞞(ぎまん)と強欲(ごうよく)に塗(まみ)れ、未(いま)だに征圧されていません。日本が英国、米国、その他の国々に与えた損害、そしてその軽蔑すべき残虐行為の数々は、司法による処罰と報復が必要とされます。我々は今やあらゆる力と資源を傾(かたむ)けて任務を国内でも海外でも遂行せねばなりません。進め、ブリタニアよ! 自由の大義万歳! 神よ国王を護り給え!

(日本語訳: 原田俊明)

註: ここに挙げたのは1分49秒の縮小版であり、もっと長い6分50秒( https://www.youtube.com/watch?v=JNTWyqVCBZc )もある。この勝利演説から二ヶ月も経たぬ1945年7月5日(木)に総選挙(general election)が実施されたが、海外に派兵されている有権者の票を回収し集計するのに三週間の時を要したため、結果が発表されたのは7月21日(木)のことだった。国難を救った英雄チャーチル率いる保守党(Conservative Party)がまさかの敗北を喫し、アトリー、後の初代アトリー伯爵(Clement Attlee, 1st Earl Attlee; 首相在任1945-51)による労働党(Labour Party)内閣が組閣して(1951年10月26日(金)まで)、英国は福祉国家(welfare state)へと大きく舵を切った。英国民にとってチャーチルは戦争指導者であり、戦後再建の指導者ではないとされ、まだ日本の降伏が成立していないうちから早々とチャーチルに見切りをつけてしまった。つまりチャーチルは対日戦勝(VJ: Victory over Japan)を内閣総理大臣として祝うことが叶(かな)わなかったのである。しかしながら、転んでも只では起きないチャーチルは満77歳を目前に控え、1951年10月25日(木)の総選挙で保守党を率いて再び勝利し、翌日(1951年10月26日(金))には首相に返り咲いた。翌年(1952年)2月6日(水)には国王ジョージ六世(George VI, 1895-1952; 在位1936-52)が満56歳の若さで薨去(こうきょ)し、ケニア訪問中の長女エリザベス王女(Elizabeth, Princess of Wales, b.1926)=25歳が自動的に女王エリザベス二世(Elizabeth II, b.1926; 在位1952-)として即位したが、その戴冠式(たいかん しき: Coronation)は準備の都合で翌年(1953年)6月2日(火)まで持ち越された。チャーチルは亡き国王の葬儀と新国王(女王)の戴冠式で存在感を示したが、齢(よわい)満80歳に達すると自他ともに健康不安を認めるようになり、1955年4月6日(水)に辞任した。ところがその後も十年近く生き延び、1965年1月24日(日)に満90歳で大往生した。そして死後六日の同年(1965年)1月30日(土)、当時としては史上最大級の国葬(state funeral)が、ロンドンのシティー特別区(City of London)内の聖パウロ主教座聖堂(St Paul’s Cathedral)にて執()り行なわれた(当時の記録映像 https://www.youtube.com/watch?v=87Xkr8z3lEo )。なお、このチャーチルのラジオ演説の七十五年後に当たる2020年5月8日(金)、終戦時にはまだ弱冠19歳のウェールズ女大公エリザベス王女(Elizabeth, Princess of Wales, b.1926)だった女王エリザベス二世(Elizabeth II, b.1926; 在位1952-)=94歳が欧州戦勝記念七十五周年テレビ演説( https://sites.google.com/site/xapaga/home/queen75thveday )を行なっている。

【比較参考】

昭和廿年(西暦1945年)8月14日(火)付「大東亞戰爭(だいとぅあ せんさう)終結(しゆぅけつ)の詔勅(せうちよく)」、翌15日(水)正午にJOAK(ジェイ・オウ・エイ・ケイ)ラヂオ(現在のNHKラジオ第1放送の前身)で玉音(ぎよくおん: 天皇の聲)放送として流された文章の一部(太字は引用者 xapaga =原田によるもの)

https://ja.wikipedia.org/wiki/玉音放送

https://en.wikipedia.org/wiki/Jewel_Voice_Broadcast

https://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/01/017/017tx.html

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/indices/JPUS/index45-60.html

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19450814.O1J.html

https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19450814.O1E.html

https://www.youtube.com/watch?v=UGcOEyakDGI (3:03-3:29 of 4:47)

https://www.youtube.com/watch?v=CiGtQ8mu1qc (英語字幕付 3:29-3:54 of 5:06)

[前略] 惟(おも)フニ今後(こんご)帝國(ていこく)ノ受()クヘキ苦難(くなん)ハ固(もと)ヨリ尋常(じんじやぅ)ニアラス(。)爾(なんぢ)臣民(しんみん)ノ衷情(ちゆぅじやぅ)モ朕(ちん)善()ク之(これ)ヲ知()ル(。)然(しか)レトモ朕(ちん)ハ時運(じうん)ノ趨(おもむ)ク所(ところ)(、)()へ難(がた)キヲ堪()へ(、)忍(しの)ヒ難(がた)キヲ忍(しの)(、)以(もつ)テ萬世(ばんせい)ノ爲(ため)ニ太平(たいへい)ヲ開(ひら)カムト欲(ほつ)ス(。)[後略](原文に加へて讀假名(よみがな)と句讀點を括弧内に補足追加)

[前略] 考えてみれば、今後我が国が受けようとしている苦難はきっと並大抵のものではない。あなたがた国民の心中(しんちゅう)も私はよく分かっている。しかしながら私は時の運に従い、耐えられないことに耐え、我慢できないことでも我慢し、全世代のためにも大きな平和への道を切り開いて行きたい。[後略](原田試訳の現代語訳)

The hardships and sufferings to which Our nation is to be subjected hereafter will be certainly great. We are keenly aware of the inmost feelings of all ye, Our subjects. However, it is according to the dictate of time and fate that We have resolved to pave the way for a grand peace for all the generations to come by enduring the unendurable and suffering what is insufferable.(訳者不詳日本国政府公式英訳)

The hardships and sufferings to which Our nation is to be subjected hereafter will be great. We are keenly aware of the inmost feelings of all of you, Our subjects. However, it is according to the dictates of time and fate that We have resolved to pave the way for a grand peace for all generations to come by enduring the unendurable and suffering what is insufferable. (訳者不詳 New York Daily News 字幕: 日本国政府公式英訳との違いは青字の箇所のみ)

【附録2】

チャーチル 鉄のカーテン演説 Churchill Iron Curtain Speech

1946年3月5日(火)、米国ミズーリ州フルトン市内のウェストミンスター大学(Westminster College in Fulton, Missouri, USA)にて

https://www.youtube.com/watch?v=dO0qmI2lpaE (英和字幕付)

最後に

チャーチル(Sir Winston Churchill, 1874-1965; 首相在任1940-45 & 1951-55)は歴代の米国大統領とは異なり、自分でスピーチの原稿を書いた。そして自伝や戦史などの膨大な著書を刊行しており、1953年にはノーベル文学賞(典 Nobelpriset i litteratur; 英 Nobel Prize in Literature)を受賞した( https://www.nobelprize.org/prizes/literature/1953/churchill/facts/ )。2002年に英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)が放送した「100名の最も偉大な英国人」(100 Greatest Britons)で堂々の1位に選出された( http://en.wikipedia.org/wiki/100_Greatest_Britons / https://ja.wikipedia.org/wiki/100名の最も偉大な英国人 )。一般大衆の投票で決定した。

2016年9月13日(火)、チャーチルはイングランド銀行(Bank of England)発行の新五ポンド・ポリマー札(the new five-pound polymer banknote; 俗称 the new fiver https://www.bankofengland.co.uk/banknotes/5-pound-note )の裏面に過去の偉人として登場した。もちろん表面には相変わらず現在の国家元首(Head of State)である女王エリザベス二世(Elizabeth II, b.1926; 在位1952-)の肖像が描かれている。なお、今回の意匠(いしょう: design)変更で、イングランド銀行は伝統的な紙幣=紙の札をやめて、英連邦の豪州とNZとカナダに倣(なら)ってポリマー札を導入した。ポリマー札は紙幣に比べて丈夫で皺(しわ)になりにくいのが特徴である。そして上述したように、I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat. (私には何も [国民に] 提供するものがありません。血と労苦と涙と汗の他には。)という言葉が書かれている。

また、2017年にはイギリス映画 『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』(原題 Darkest Hour; 直訳『最も暗い時』)が制作され、同年(2017年)9月1日(金)にまず米国で公開され、翌年(2018年)1月12日(金)には英本国で、そして3月30日(金)には日本で公開された( http://www.churchill-movie.jp/ リンク切れ / https://www.youtube.com/watch?v=GodU9xUtqLI / https://en.wikipedia.org/wiki/Darkest_Hour_(film) / https://ja.wikipedia.org/wiki/ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 )。原題の『最も暗い時』とは、英語の諺(ことわざ) The darkest hour is just before the dawn. =「陰(いん)窮(きは)まつて陽()を生(しやぅ)ず。」=「最悪の状況の後には必ず良いことがある。」=「つらいことの後には必ずいいことがあるものだ。」=「物事が最悪の状態にあると思える場合でも、まもなく事態はいい方向に向かうだろう。」に因(ちな)んでいて、チャーチル自身も演説の中で何度かその言葉を用いている。

ところが2020年上半期にアメリカに端を発した「黒人の命は大切だ」(#BlackLivesMatter)という反人種差別キャンペーン(anti-racist campaign)の一環として、同年(2020年)6月にウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)こと、国会議事堂(Houses of Parliament)前のチャーチル像(the statue of Winston Churchill)の台座の CHURCHILL と彫られた文字の下に、「は、人種差別主義者だった」(Was a Racist)と落書きされ、銅像が一時防護壁で囲まれる事態となる。チャーチルが当時の価値観から有色人種(非白人)に対して侮蔑的態度をとっていたことは事実であるが、それを現代の価値観で糾弾(きゅうだん)することについてはジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-)内閣総理大臣などから批判の声が上がっている。

[関連コラム]

「ワーカホリック」チャーチルの文章制作工場を訪ねる

ヤフーニュース(Yahoo Japan! News)個人

在英ジャーナリスト 小林恭子(こばやし ぎんこ, b.1958)署名コラム

2016年4月7日(木)

https://news.yahoo.co.jp/byline/kobayashiginko/20160407-00056317/

[関連コラム]

たった3段落で世界を変えたチャーチル、5600字かけても日本を動かせない安倍晋三

プレジデント・オンライン

社会学者 橋爪大三郎(はしづめ だいざぶろう, b.1948)東京工業大学名誉教授・元東京工業大学世界文明センター副センター長署名コラム

2020年8月17日(月)

https://president.jp/articles/-/37976

https://president.jp/articles/-/37976?page=2

https://president.jp/articles/-/37976?page=3

https://president.jp/articles/-/37976?page=4

https://news.yahoo.co.jp/articles/fed9a6e2d30cdba757606eaa676d1ebd0c88fe0c (リンク切れ)

[関連コラム]

いくつ知っていますか? 歴史を動かした100のスピーチ

コリン・ソルター(Colin Salter, 生年非公開)『世界を変えた100のスピーチ 上』大間知知子による訳者あとがき

All Reviews

https://allreviews.jp/review/5015

https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00005015/

https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00005015/?p=2

https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00005015/?p=3

https://www.excite.co.jp/news/article/AllReview_00005015/?p=4

https://news.yahoo.co.jp/articles/87f8276a4ab25f6ef5fa1f3d20d5eb2781f9d41d

https://news.yahoo.co.jp/articles/87f8276a4ab25f6ef5fa1f3d20d5eb2781f9d41d/comments

[動画1]

Why was Churchill’s statue defaced?

(なぜチャーチル像は落書きされたのか)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年6月8日(月)

https://www.bbc.com/news/av/uk-england-london-52972531/black-lives-matter-protest-why-was-churchill-s-statue-defaced

[動画2]

Winston Churchill: Hero or villain?

(ウィンストン・チャーチル: 英雄か悪党か)

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2020年6月10日(水)

https://www.bbc.com/news/av/uk-52969447/winston-churchill-hero-or-villain

https://news.yahoo.co.jp/articles/6eab6d365cb7a16f7d3b15f99e8b930b7e11aa44 (リンク切れ)

[関連コラム]

チャーチルやネルソン提督も標的にされた 白人帝国主義の粛清をほくそ笑むのは誰だ

ヤフーニュース(Yahoo Japan! News)個人

在英国際ジャーナリスト 木村正人(きむら まさと, b.1961)署名コラム

2020年6月12日(金)

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200612-00183064/

小見出し1: 「警察官は社会のパンチバッグではない」

小見出し2: 「私には夢がある(I Have a Dream)」

小見出し3: 南ア「白人は大量虐殺を犯した」

小見出し4: チャーチル像や戦争追悼記念碑も標的に

小見出し5: 歴史の粛清は強烈な反動を引き起こす

[関連記事]

「チャーチルは人種差別主義者」イギリスを救った名宰相がなぜ今、やり玉にあげられる?

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版2020年6月30日(火)号掲載

アレックス・ハドソン(Alex Hudson)記者署名記事

2020年6月25日(木) 公開

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93779.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93779_2.php

https://news.yahoo.co.jp/articles/ae818329dd7eebd8901c28fe99916cb9bd4e7d63 (リンク切れ)

[もとの英語記事]

How Has Winston Churchill Become a Central Figure in the British Black Lives Matter Debate?

(如何(いか)にしてウィンストン・チャーチルが英国の「黒人の生命は大切だ」=反人種差別運動=の議論に於いて中心的人物になったのか)

米ニューズウィーク誌(Newsweek

アレックス・ハドソン(Alex Hudson)記者署名記事

2020年6月17日(水)

https://www.newsweek.com/churchill-statue-black-lives-matter-protest-1511361

[関連コラム]

第二次世界大戦中も昼からシャンパン 「帝国宰相」ウィンストン・チャーチルのリーダーシップ

『悪党たちの大英帝国』より#2

文春オンライン

君塚直隆(きみづか なおたか, b.1967)関東学院大学教授

2020年9月25日(金)

https://bunshun.jp/articles/-/40341

https://bunshun.jp/articles/-/40341?page=2

https://bunshun.jp/articles/-/40341?page=3

https://bunshun.jp/articles/-/40341?page=4

https://bunshun.jp/articles/comment/40341

https://news.yahoo.co.jp/articles/2369e13d3ecbced68ef46da345f68e5c13e8c470

https://news.yahoo.co.jp/articles/2369e13d3ecbced68ef46da345f68e5c13e8c470?page=2

https://news.yahoo.co.jp/articles/2369e13d3ecbced68ef46da345f68e5c13e8c470?page=3

https://news.yahoo.co.jp/articles/2369e13d3ecbced68ef46da345f68e5c13e8c470?page=4

https://news.yahoo.co.jp/articles/2369e13d3ecbced68ef46da345f68e5c13e8c470/comments

[関連コラム]

「ガンディーはぞっとするほど不快」チャーチルの極悪非道な人種差別

プレジデント・オンライン

君塚直隆(きみづか なおたか, b.1967)関東学院大学教授

2020年10月12日(月)

https://president.jp/articles/-/39302

https://president.jp/articles/-/39302?page=2

https://president.jp/articles/-/39302?page=3

https://president.jp/articles/-/39302?page=4

https://president.jp/articles/-/39302?page=5

https://news.yahoo.co.jp/articles/286c313151b054b7b2db92c58370abc617bface0 (リンク切れ)

[関連書評]

「偉大な人物というのは大概いつも悪党ばかりである」 イギリスに変革をもたらしたアウトサイダーとは(レビュー)

細谷雄一(ほそや ゆういち, b.1971)慶應義塾大学教授評「われわれには「悪党」が必要である」

君塚直隆(きみづか なおたか, b.1967)関東学院大学教授著 『悪党たちの大英帝国』(新潮社 新潮選書, 2020年)書評

ブックバン(Book Bang)

新潮社『波』2020年9月号掲載

2021年2月23日(火) 再掲

https://www.bookbang.jp/review/article/644478

https://news.yahoo.co.jp/articles/077dc42d63b16e6d21837497b87489a8cc8d1272

https://news.yahoo.co.jp/articles/077dc42d63b16e6d21837497b87489a8cc8d1272/comments

[関連コラム]

英BLM運動、偉人像攻撃の耐えられない単純さ

米ニューズウィーク誌(Newsweek)日本版

2021年3月9日(火)号掲載記事に加筆

コリン・ジョイス(Colin Joyce, b.1970)署名コラム

2021年3月4日(木)

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/03/blm-1.php

https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2021/03/blm-1_2.php

[関連諷刺動画]

トレイシー・オルマン(Tracey Ullman, b.1959; 日本では誤ってトレーシー・ウルマン)演じる賛否両論的銅像再検討委員会(Controversial Statue Review Committee)会長のアクスリッヂ(斧崖)卿夫人(Lady Axridge)が、ロンドンのランドマーク的存在であるネルソン提督像とピカディリー円形広場のエロス(キューピッド)像をダイナマイトで破壊。

英国放送協会(BBC: British Broadcasting Corporation)

2017年11月13日(月) ウェブ公開

https://www.youtube.com/watch?v=9IfcgNwiPEI

[若き日のチャーチル]

ウィンストン・チャーチル15歳ハロウ校生徒の詩「インフルエンザ」(1890年)

https://sites.google.com/site/xapaga/home/churchillinfluenza1890

参考文献

ジョンソン(Boris Johnson, b.1964; 首相在任2019-) 『チャーチル・ファクター たった一人で歴史と世界を変える力』(プレジデント社, 2016年) *原著 The Churchill Factor: How One Man Made History (直訳 『チャーチルの要素: 一人の男が如何(いか)に歴史をつくったのか』)は2014年刊行。動画版( https://www.youtube.com/watch?v=9ciSjn2AzN8 / https://www.youtube.com/watch?v=ROboL10avS0 )もあり。

中西輝政(なかにし てるまさ, b.1947)[監修] 『チャーチル名言録』(扶桑社, 2016年)

コリン・ソルター(Colin Salter, 生年非公開)『世界を変えた100のスピーチ 上』『世界を変えた100のスピーチ 下』(原書房, 2020年)*原著 100 Speeches That Roused the World (直訳 『世界を目覚めさせた100のスピーチ』)は2019年刊行。

君塚直隆(きみづか なおたか, b.1967) 『悪党たちの大英帝国』(新潮社 新潮選書, 2020年)