ルイスさんが行ってしまわれるとお部屋は急に静かになった気がして。私は妙に怖く感じました。ゼオラさんはお部屋の鍵を内側からガチャリとかけられると、まっすぐ私のほうへ歩いてこられます。
私はもうどこにも逃げ場はないのだと感じて。観念して目を閉じました。ゼオラさんはそんな私に覆いかぶさるようにギュッと抱きしめて下さると、私を押し倒しながらベッドへ入られました。
「俺のこと怖くなっちゃった?」
耳元で囁かれて。ドキリとしました。ゼオラさんは私の髪を優しく撫でられながら、何度も頬ずりして下さいます。
「人間の脳にはね、微弱な電流が流れてるんだ。俺は電流使いだからね。君のことも操ってあげるよ」
ゼオラさんは大きな御手を横になさって私の両目を覆われると、同じ言葉を何度も囁かれました。
「君は俺が好き。君は俺が好き。君は俺が好き……」
ゼオラさんの御手はあたたかく、私を包んで下さるようでした。私はだんだんぼんやりしてきてしまって。
「私は、ゼオラさんが、好き……」
いつの間にか同じ言葉を何度も繰り返しています。
「そうだよ。君は俺が好き。俺も君が好き。俺たち両思いだね」
ゼオラさんはにっこり笑ってそう仰ると、優しいキスをして下さいました。
「あの魔印、見せてくれるかな。この服も俺の好みじゃないから脱いでしまおうね」
そうして、私の服をするすると脱がせてしまわれます。私は恥ずかしいけれど逆らってはいけない気がして、ただ仰せに従いました。魔印がよく見えるよううつ伏せになると、ゼオラさんは私の腰ごとギュッと抱きしめられて、薄い肌着をそっとずらされます。
「魔印ってこうなってるんだ……わあ、綺麗…………」
ゼオラさんは描かれた文字をお指でなぞるようになさると、魔印の場所にキスをなさって、何度も頬ずりなさいました。私はくすぐったいような恥ずかしいような気がして。
「君の体に俺の名が刻まれてるの、嬉しい。堪らないよ……」
ゼオラさんはため息をつくように仰って、その場所をお舐めになるので私はビクッと震えてしまいました。この姿勢もとても恥ずかしくて。
「服なら後からあげるね。俺も脱ぐから恥ずかしくないよ」
ゼオラさんは私の心がお読めになるのか、どんなことも余裕の笑みで仰います。
「やっと君が味わえる」
ゼオラさんは私の背から腕、首筋と撫でられながら這い上がるようにキスして下さいましたが
「そういえば、リテ昨日から何も食べてないよね。腹減ってない?」
ふと我に返ったように仰って、私を覗き込んで下さいました。お腹……。私は空腹を感じるような余裕は全くなくて。弱く首を横に振ります。喉は少し、渇いたかな……。
「飲み物ね。オッケー」
ゼオラさんはふわりと軽い動きでベッドを出られると、棚に備え付けの小さな冷蔵庫から細いビンを二つ取り出されました。ゆっくり上半身を起こした私のお隣に座って下さると、蓋を開けて私に渡して下さいます。
「炭酸水だよ」
ゼオラさんは私の持つビンに自分のビンを軽く打ち合わせて乾杯なさると、ゴクゴクお飲みになりました。私もゆっくり口をつけて。冷たくてシュワシュワと美味しいお水です。
「美味しいね」
「はい」
ゼオラさんがそう仰るので、私もホッとしてうなずきました。
「やっと笑った」
ゼオラさんは少し切なそうに微笑まれて。私の頭を優しく撫でて下さいました。