あなたがたは間違っていたのですよ
だまされていたのです
あなたがたも被害者ですよ
大丈夫
これからは私たちが守りますから
女はびっくりしました
私たちがまちがっていた
ずっと正しいと思っていました
少なくとも
まちがってはいないと思っていました
ご主人はご存命ですか
いえ
灰になりました
男は哀悼の意を示しました
あなたはお子さんがいらっしゃるから
特に手厚く保護しましょう
住居を差し上げます
水と食料を差し上げます
そんな服は脱いでしまいなさい
もっといい服を差し上げましょう
女は脱ぐのをためらいました
怖く感じたのです
慎んで辞退しようとしました
お子さんのためです
男は支援をやめませんでした
あなたがたはいいかたです
だまされるのも無理ありません
これからは間違ってもいいのですよ
何度でも
直してあげますから
女は怖く感じました
私はまた
まちがったかもしれない
でも感謝しなければならない
女は男の言葉に
身をゆだねていました
息子は豊かさを喜びました
もっとほしいと思いました
あの方は正しいよ
母さんはもっと感謝しなければならない
息子に言われて
息子もきっと正しい
女は境界線がわからなくなっていました
気がつくと
身も心も捧げて
二人の男に尽していました