投稿日: Oct 03, 2011 1:45:45 PM
萩市菊屋界隈では、日輪が甍に輝いていました。
勢いというものは恐ろしいもので、
晴れ女が広島の天気まで変えてしまいました。
おかげで、広島駅新幹線口に集う着物美人は顔も晴れやか。
バスに乗り込み、交わす朝の挨拶に、思わず笑顔がこぼれます。
女の力、恐るべし。
バスは一路、山陽道防府ICから山口市を経て、萩市へ。
萩の宿 常茂恵 到着 午前11時30分
着物で歩く萩の町に到着。
何はさておき、優雅に歩く前には、腹ごしらえです。
常茂恵は大正14年創業の老舗旅館。
萩焼の展示室などに、歴史を刻んでいました。
昼食の常茂恵会席膳は5,250円。
食前酒、(ラ・フランスでつくった、甘さを抑えた上品なお酒でした。)
前肴、(椎茸笠焼き、尾羽毛水晶寄せ、丸十)
向付、(鯛、ヒラソ、烏賊細造り)
やき肴、(鰆胡麻味噌焼き、栗渋皮煮)
ここまでの献立が、まずお膳に並んでいて、ビールで乾杯しました。
写真は、手前透明グラスが食前酒、その奥に前肴、さらに奥右が向付、左やき肴。
さらに次々と、献立の品が見計らって運ばれてきます。
進肴、(長州鶏赤茄子煮)
揚げ肴、(海老長芋巻き、青唐)
止椀、(清汁仕立て)
ご飯、(白飯、山口県産コシヒカリ)
香の物(三種盛り)
果物、(梨)
いずれも、献立に肴と銘打って有るので、ここは酒の肴に徹することにし、
温燗のお酒で、じっくり味わいながらいただいた至福の時でした。
で、残念ながら、写真を撮るのをうっかり失念してしまいしました。
昼食を終えた常茂恵の広いロビーでは、着物談義に花が咲きました。
萩市はこの日、最高気温23度の秋晴れ、出発地の広島は曇り空。
第7回の邦楽いろは談義は、8月に続いてのスペシャル版でした。
これまで何度か、着物をテーマにいろは談義をしていますので、
今回は実際に、着物を着て、おしゃれをしようというスペシャル企画でした。
舞台となった山口県の萩市へ,、広島からのツアーで出かけました。
10月1日(土)、午前7時50分集合、8時出発。
着物が似合うまち、萩へのバスツアー参加者は総勢17名。
着物で町を歩くというので、一番心配だったのは天気。
前々日まで予報では、週末の萩市は、雨の模様に。
雨だと着物で歩くのは難儀だし、参加を取り止める人が出るかも?
ところが! このバスツアーには勢いがありました。
なんと、晴れ女が居たのです! それも、あろうことか二人も!
晴れ女が鼻息荒く、しかもなまめかしい鼻声で、
「フン!雨雲さん。あんたなんか、あっちに行ってなさいよぉ~。」
とでも言ったのでしょうか、雨雲はほうほうの体で退散しました。
萩市城下町の呉服町筋を歩く 午後1時30分
秋空の日差しとはいえ、暑く強い陽なのですが、風が吹きぬけ心地よい。
萩の町着物ウイーク初日とあって、すでに多勢の着物姿がグループで行きかっています。
今回、着物ウイークイン萩の舞台は萩市城下町エリア。
菊屋横丁、伊勢屋横丁、江戸屋横丁、そして呉服町すじ。
呉服町すじを曲がり江戸屋横丁に入ると、黒板壁の屋敷が連なります。
日本の歴史に残る町並みを歩くと、萩名物の風景に出会いました。
塀越しにこんもりと夏みかんの木が茂るお屋敷がありました。
塀の瓦にちょこんと二つ、青々とした夏みかんが仲良く並んでいました。
すぐ近くには、幕末の風雲児、高杉晋作の生まれ育った家を見つけました。
「山口県は、動乱の時期に歴史を動かす人物を生み出す。」
と、仰っていた着物美人は、いそいそと誕生の地を見学に入っていきました。
さらに、角を曲がるとどこからともなく、ほのかな柑橘系の香り。
香りをたどってゆっくり顔をむけると、金木犀が眼に飛び込んできました。
すでにもう盛りの時期は過ぎ、花は散りかけています。
心浮き立つ萩の町着物歩きも、そろそろ終わりに・・・。
金木犀の残り香を胸いっぱいに吸い込んで、萩をあとにしました。
16時 萩市 出発
広島駅新幹線口 午後8時30分着。
着物美人に混じって、付録で楽しんだ萩の町と常茂恵のお酒の一日でした。
常茂恵のぬる燗の酒、少し辛口でコクのある上品な酒で、美味しかったなぁ。
何という銘柄だったんだろう、聞いとけばよかった。