投稿日: Mar 14, 2018 10:37:24 AM
第39回 いろは談義は、「幻想文学と大正浪漫の舞」(西宮)鑑賞会でした。
ときは春、弥生4日の日曜日。
会場は西宮、兵庫県立芸術文化センター。
39回いろは談義に参加したのは、Den10の会の7人。
ひと組は広島から当日会場へ。
またある組は東京歌舞伎見物の帰途、会場へ。
またある組は、前日の神戸から会場の芸文センター神戸女学院小ホールへと向かいました。
以下、鑑賞会の「鏡花と夢二、そして古典の世界」公演のレポートと会場の感想です。
会場の兵庫県立芸文センターは、西宮北口駅(阪急)の2階改札を出ると、
歩いて芸文センターまで通路がつながっていて、そのまま入れるようになっています。
大ホール、中ホール、小ホールを備え、広々とした空間が広がる共通ロビーから
各ホールの会場へと入場します。
空間の広さといい、設備といい、使われている構造物といい贅沢なつくりです。
人口550万人余の大県ならでは、と思わせる立派な設備です。
公演会場の神戸女学院小ホールは、8面体の観客席が、舞台を取り囲んで
階段状に配置された舞台客席一体型のホールで、天井までの高さは13メートル。
客席は400席ほどありますが、この日の公演は地歌舞の舞台とあって、
バックステージと、舞台両サイドの中央あたりから後ろの席は観客を入れていなかったので、
客席は300席ほどだったでしょうか。ほぼ満席の観客でした。
舞台中央付近に、高さ13メートルの天井バトンから巨大なタペストリーが垂れ下がっています。
緑がかった半透明の7枚のタペストリーは御簾がわりに使われ、また、表舞台と裏舞台、
あるいは創作舞の「姫路城幻想」~泉鏡花「天守物語」より~では、
あの世とこの世を仕切る境界を暗示する仕掛けになっていました。
写真撮影がダメで許可されていませんでしたので、鮮明な画像が無いのは残念ですが、
こっそり、舞台をご覧いただくとこんな具合でした。
階段状の座席から、舞台をみると・・・・
「鏡花と夢二、そして古典の世界」公演について
待つ恋、追いすがる恋、夢想する恋、過ぎ去りし恋。
女の情念と恋を主題にした舞を追求する古澤侑峯が
泉鏡花の幻想文学と竹久夢二の大正浪漫の世界を描いた創作舞を上演しました。
ゲストの直木賞作家志茂田景樹氏のお話は、
大正浪漫の時代風景をリアルに描写する内容でした。
男は文学で大正浪漫を語り、女は社会活動の分野で実践していた。
それが大正浪漫の花開いた民主的な時代で、
やがて関東大震災を口実にした戒厳令、治安維持緊急勅令など
軍部が台頭する風潮が広まり、大正浪漫は窒息していった、と喝破しました。
開催日 2018年3月4日(日)
開 演 14:00 (開 場 13:30)
会 場 芸術文化センター 神戸女学院小ホール
(兵庫県西宮市高松町2-22)
料 金 全席指定 ¥2,500
発売日 先行 2017年12月9日(土)
一般 2017年12月10日(日)
. プログラム
<待つ恋>夢二の世界
「まてどくらせど」(地歌舞)~竹久夢二作詞「宵待草より」~
「夜は更けて」(創作舞)~竹久夢二の手紙~
<追いすがる恋>
「古道成寺」(地歌舞)
トーク「幻想文学と大正ロマン文学」 志茂田景樹(作家)
聞き手 河内厚郎(兵庫県立芸術文化センター特別参与)
<夢想する恋>鏡花の世界
「姫路城幻想」(創作舞)~泉鏡花「天守物語」より~
<過ぎ去りし恋>「雪」(地歌舞)