投稿日: Dec 03, 2018 9:37:22 AM
第42回いろは談義の、公演鑑賞会のレポートをお届けします。
12月のいろは談義は、
『平家物語~語りと波紋音~』宮島公演の鑑賞会でした。
紅葉がまだ残る宮島大元公園にほどちかい、大聖院が公演会場。
大聖院の付近の紅葉はちりはじめの見頃で、紅が目に染みるようでした。
(広島大学デジタル博物館のHPより)
いろは談義第42回の鑑賞会であると同時に、公演のお手伝いをすることになり、
Den10の会は受付の担当をするため、清盛茶屋でのアナゴ丼で腹ごしらえをして
開場時間より早めの午前12時半には会場に到着しました。
主催の永田さんと打合せ、金子さんに公演前のごあいさつをして開演を待ちました。
12月とはいえ、日中の陽ざしは心地よい温かさをふりまいてくれ、
大聖院の本堂も思っていたより寒気のやわらいだ会場でした。
「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」と、
金子あいが公演のプロローグを告げる語りにつづいて、
高らかな鉄打楽器の共鳴音が本堂内に響き渡り、
永田砂知子の波紋音で、禿髪(かぶろ)が幕を開けた。
清盛の異例のスピード出世と平家の栄華を、語りと波紋音が
交互に、禿が京の町を闊歩するさまを描いてみせる。
西光被斬(さいこうがきられ)では、平家討伐の陰謀が発覚する場面を、
永田は、男同士のひそひそ話を音色を変えた波紋音の連打で表現した。
つづく物怪之沙汰(もっけのさた)では、たくさんのどくろや天狗の仕業を
波紋音の独奏で、観客に想像を迫った。
圧巻は入道死去(にゅうどうしきょ)。
高熱が続き体を冷やそうとした水が湯となり、
清盛の妻時子は閻魔庁から火車が迎えに来た夢を見る。
清盛の魂が乗り移ったかの如く、金子の語りは舞台を支配し、
観客を平安の都へと誘った。
本堂はまるで清盛の臨終の席と化したかの迫力あふれる終幕だった。
平家物語 ~語りと波紋音~ 広島・宮島公演
清盛生誕900年記念
1、公演開催日時
12月2日(日) 午後2時00分開演
2、会 場
宮島弥山 大本山 大聖院 TEL(0829)44-0111
(広島県廿日市市宮島町210)
3、出演者
語 り 金子あい (かねこ あい)
波紋音 永田砂知子(ながた さちこ)
4、演 目
1) 禿髪 平家物語 巻第一
2) 西光被斬 平家物語 巻第二
3) 物怪沙汰 平家物語 巻第五
4) 入道死去 平家物語 巻第六
5、主 催
主 催 : art unit ai+
協 力 : NPO法人 Den10の会(でんとうのかい)