投稿日: Nov 11, 2014 5:42:29 AM
11月のいろは談義(22回)は、「俳句と歳時記」をテーマに、
お正月の季語を取り上げました。
いろは談義19回で、俳句をやさしく手ほどきしてもらった稲穂先生の
2回目のご登壇です。
いろは談義が始まるや、いきなり稲穂先生からクイズです。
次の中で、正月の季語でないものは?
1、羽子板
2、福笑い
3、独楽
4、綱引き
5、凧
会場の参加者の解答は、全員が「綱引き」でした。
羽子板、福笑い、独楽、凧、どれも正月の子供の遊びなのに対して、
綱引きは、正月とは無縁と思えたのです。
ところが、正解は、「凧」でした。
凧揚げは、春の季語
綱引きは正月の季語で、1月15日ごろになる。
山の神と海の神が今年はどっちが豊作か、豊漁かと、
綱引きをして決める年占いの行事からきているそうだ。
かたや、凧は春の季語で、イカ、イカノボリともいうそうだ。
これだから、やっぱり季語は難しい。
大晦日から正月にかけて、年が変わる瞬間の季語はなんでしょう?
除夜の鐘を107つ聞いて、次の108つ目が鳴って
新年を告げるまでの間を指す瞬間を、季語ではなんというか・・・・
むっ、むむ?
正解は、会場の参加者から出ました。
「去年今年(こぞことし)」。
「去年今年貫く棒の如きもの」 高浜虚子の有名な句。
こうして、お正月の季語に、つぎつぎ話題は移りました。
元旦お午前中の季語だけで、100から200はあるそうです。
元旦の、午前中の季語は・・・、
元旦、鶏旦、大旦(おおあした)、
新年のすがすがしい雰囲気を、表す季語は、
初空、初明り、初霞、初凪、初東雲、初茜、初日の出、
午前中に振るめでたい雨のことを、「御降り(おさがり)」。
これら新年の風景を、まとめて「淑気(しゅくき)」。
初のつく季語は、新年の食べ物は??
初荷、初詣、初夢、初笑、初泣、書初め、初景色、初釜・・・
数の子、雑煮、田作り、クワイ、大服、年酒・・・。
話は、ひめはじめにもおよび、健全な意味の季語の一つに、
飛馬はじめ、と書いて武家の姫が新年初めて馬に乗ることをさしたなど,
多岐にわたる、楽しい季語のお話で、あっという間の1時間半でした。