投稿日: May 18, 2011 10:17:36 AM
「舞と地歌を愛でる会」西条公演が、盛況のうちに滞りなく終了しました。
公演当日の模様を詳しくお知らせします。
1、会場の上野邸に
赤瓦と白壁の昭和古民家上野邸は、前々日までの雨をたっぷり吸った
新緑が一段と輝きを増し、まぶしいほどの鮮やかさでした。
出演者の古澤侑峯さんも一緒に集合時刻の午前11時、
公演会場にスタッフが集結しました。
余談ですが、公演会場となった上野邸の地名は、
いまでこそ西条中央三丁目に変わりましたが、
以前は、西条町御薗宇和泉と呼ばれていたほどで、
和泉から湧く自然水が非常においしい土地柄です。
その上野邸の井戸から汲み上げたお水で、
この日のお抹茶を点てていただきました。
それはそれは、たいへんおいしいお茶だったと好評でした。
5、開演へ
午後3時30分、いよいよ開演。
開演告知で、心地よい緊張が会場を支配しました。
客席となった座敷と廊下は、座布団席と椅子席で満席です。
予備席で鑑賞するスタッフも座布団をもって着席します。
6、公演前半
最初の演目は、源氏物語から葵の上。
六条御息所の生霊が、嫉妬にかられ葵の上を苦しめ、
闇へと帰って行くさまを、
古澤流家元が熟達の舞で会場を魅了しました。
きびきびとした動きで設営準備は進み、会場は整いました。
演奏者の託見育子さんが到着し、箏の音を会場に馴染ませました。
お昼の弁当がすむころには、午後からのスタッフもつぎつぎ到着。
3、リハーサル
そして、リハーサルは、午後1時。
舞台位置が少し変更になり、出演者の位置も動きました。
座席と大花瓶もすこし移動して変化がでました。
MC、出演者の登場と退場。楽器の搬入、搬出。
地歌の演奏と舞の演技、とリハーサルは進み、
照明、音出しの手直しと確認。
開場直前には、最終のスタッフミーティングで公演運営の
全員が気持ちをひとつにしました。
4、開場と入場
やがて、午後2時45分からの開場。
予定時刻前から来場者があり、入場は早めに始まりました。
来場者の出足は快調で、受付に人は途切れません。
お庭の茶席と座席では、お抹茶の接待が行われ、
開演前のひとときを寛いでもらいました。
2、公演会場を設営する
すでに会場はあらましの準備が進んでおり、
音響、着物、座席、椅子、スダレなどの搬入や設置にかかりました。
晴天の五月空、上野邸の公演座敷を吹き抜ける風が心地よい。
舞台を飾る大花瓶に生けた藤の花がゆれて映えます。
会場に和やかな空気がただよいます。
次いで、舞のワークショップ。今回公演には、
広大のインドネシアからの留学生を招待しました。
留学生3人には、舞のワークショップに参加してもらい、
たいへんなごやかな雰囲気の会場となりました。
留学生の愛嬌に加えて、古澤流家元の古澤侑峯さんの
巧みな舞の指導と話術による和み効果は絶大でした。
まい(舞)体操も古澤さんの指導で会場の全員が挑戦しました。
観客席の全員が舞体操で身体をほぐして、
おまけに会場は一体感が生まれ、たいへん和んだ雰囲気でした。
留学生がワークショップ 舞体操でリラックス
敷居が高いと思われがちな地歌舞を、見せる芸としてだけでなく、
参加する身近かな芸に感じてもらえたワークショップでした。
7、さらには、後半の公演
休憩をはさんでいよいよ後半に。
五十鈴川と雪は、聴かせる芸、魅せる芸の極致です。
ワークショップで寛いだ来場者は、一転、じっくりと
伝統芸能の奥深さへ足を踏み入れることになりました。
地元広島の新進の演奏家、託見郁子さんの箏独奏。
五十鈴川は、サラサラ流れる伊勢神宮前の五十鈴川の情景が
みごとに浮かぶような、すばらしい演奏でした。
二十歳代から雪を舞ってきた古澤侑峯さんには、
ひとかたならぬ思い入れが雪にありました。
男に捨てられたさびしい女の心をうたう雪を舞い、
代表作とした武原はんさんに遠慮して、
だれもが雪を舞おうとしなかったころから、
古澤侑峯は、雪を舞い続け今日に至っています。
「若かろうが、老齢だろうが、その歳でないと舞えない舞が
必ず、その人にはある。私にとって雪がそうだった。」
その信念が古澤侑峯に、雪へと駆立てるのです。
そして、いよいよ舞台は「雪」に。
気鋭の三絃演奏のなか、古澤さんが座敷に登場します。
円熟味を感じさせる古澤流家元の舞が、
地歌にのせて、実にしっとりと女の情感を表わします。
気鋭と円熟が、互いを盛り立て競い合うみごとな芸でした。
会場のみなさんも、伝統芸能を堪能したようでした。
8、みなさんからの声
公演終了後の感想では、良かった、すばらしかった。
和やかでよかった、良い演奏と舞だった。と、すこぶる好評でした。
(主催者が尋ねるのですから、悪く言う人はいませんけど。
でも・・・、決してお世辞だけの言葉ではなかった、と、
みなさんの話し振りや表情から、強く感じました。)
9、公演終了のお礼
公演直前まで、いくつか不確定な要素が残っていましたが、
超満員の公演が実現でき、すばらしい舞台となりました。
NPO法人の旗揚げを、すばらしい公演で実現できて、
こんなに嬉しいことはありません!
公演終了で、ひと段落となりました。
多くの方々に、たいへんお世話になりました。
ほんとうに、ありがとうございました。