物を取るとき、洋服だとバーと、こう取りますよね。
着物ですと、どうしても引っ掛るというのもありますし、不思議と私なんかも若いころは
ミニスカートでしたし、お洋服だと肌を露出しても平気ですが、着物ですと
ここガ~と開いていると変ですし、手がにゅーと出ると恥ずかしいんですよね。
ですから、何か取るときもこういうふうに手を添えて袂を持つて取るとか、
それがちょっと、奥ゆかしく、美しく、そして隠す色気。
でも結構色っぽいですよねぇ。
あの若い女の子が髪の毛ロングで、おしゃれなお嬢さんが浴衣で髪の毛あげて
襟足が見えると、ちょっとゾッとするほど色っぽかったりしますよね。
そういう隠してみせる、という演出が、すごくされていると思います。
ですから、風がすごく吹いてきたときでも、やはり裾がめくれるからここをちょっと押さえる。
それから、座る時でもほんとうは左手でこう押さえて、右手でこうスーとこうして座ると
座ったこの先がすこし出るんですよね。これがのしの形になっている。
そうやって相手さまにのしをつけて、というふうな礼儀にもなっています。
- 前の きものと洋服へ - 次の しぐさと姿勢へ