Q:舞の作法で、扇を前に置いて舞ったのは、どんな意味が?
A:扇子の作法ですね。
流派によって全部違うが、古澤流は姫路城の御殿舞から来ているので、
これは武家の作法。
前に置いてご挨拶するのは、私がへりくだっている。
あなたと私は、同じ部屋の中でご挨拶するのは非常にもったいないことで、
結界を置いて、そちらは身分の高い方、私は身分の低いものですという意味で、
前においてご挨拶する。
あとは扇子をきれいに入れたり出したりする仕草なんです。
ご挨拶の時、左手を先にまっすぐ出して右手を脇から出しました。
左は、和ものでは目上なんです。ですから明治以前はお殿様は向かって右、
お殿様の側から見るんですが、左にいらっしゃる。左が目上。
左手が先にまっすぐ出ます。右手があとから出ます。
相手の気持ちを汲んで、同化する意味も有るので、意味が深いと思います。
日本人の以心伝心。心の優しい、相手を思いやる気持ちは
こういう仕草の中にも感じられるように存じます。
それと気配を感じるということですね。