投稿日: Apr 01, 2021 7:17:45 AM
感染防止に配慮してマスク着用でライブ
みだれは、「六段の調」を作曲した八橋検校の作曲と伝わる段物で古典の名曲です。
「乱輪舌(みだれりんぜつ)」とも「輪舌りんぜつ」「十段の調」などの呼称があります。
「みだれ」というのは、他の段物の曲は各段の区切りや小節の数がきちんと決まっていますが、
この曲はそれが乱れているからだそうです。
そのため、楽譜の無い時代にチントンシャンと擬音で音程を教えていた師匠が、
独特の緩急で急な個所では、舌が回らないため「輪舌」となったなどの説もあるそうです。
生田流では大阪中之島公会堂に明治天皇が行幸された御前演奏の際に
「みだれ」の名称では畏れ多いということで、「十段の調」と名付け
10段に区切ったと言われているそうです。
鶴の聲は、玉岡検校の作曲。
たまたま雨宿りに立ち寄った宿で共に一夜を明かし、
行く末を誓い合う仲になりましたと夫婦が共に白髪の生えるまでと唄ったお目出度い歌。
軒の雨 立ち寄るかげは難波津や
蘆ふく宿の しめやかに
語り明かせし 可愛とは 嘘か誠か
その言の葉に 鶴の一声 幾千代までも
末は互いの共白髪
ミニライブの最後は、コロナの早期収束を願って、おめでたい曲で締めました。
和楽器ライブ 「芦垣育子 お覚悟、 ソロミニライブ」
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開催、3月18日(木) 10時30分~
タイトル:「芦垣育子 お覚悟、 ソロミニライブ」
ライブ日時: 3月18日(木) 午前10時30分~
会 場: 一樹会紙屋町稽古場
演奏曲目:
箏 組歌 明石 (作曲:北島検校)
箏 みだれ (作曲:八橋検校)
三絃 鶴の聲 (作曲:玉岡検校)
縁あり公演 訳ありライブで紹介した、
「芦垣育子 お覚悟、 ソロミニライブ」のレポートです。
新型コロナウイルスの感染は首都圏では下げ止まりのままで、
啓蟄をすぎて上振れリスクを抱えながら、世の中は動き始めていました。
活動停止やリモートレッスンだった演奏家も慎重にそろり再開した3月中旬、
「芦垣育子 お覚悟、ソロミニライブ パートⅡ」は開催されました。
東京の感染を広島に持ち込むことを警戒して、
芦垣育子さんは広島入りをためらっていましたが、
事前にPCR検査を受け、道中は感染対策をきちんととることで、
感染を持ち込まないと、重い決断のもとに、広島へ移動しました。
昨年12月から3カ月ぶりの広島での活動でした。
とはいえ、英国株の変異ウイルスが市中感染する状況で、
感染防止には細心の注意と対策をしての和楽器ライブ開催でした。
入場時のアルコール消毒、演奏中の換気、マスクの着用などをして、
入場者は間隔をあけて、限定人数でのライブのスタイルでした。
参加者は6名、Den10の会と一樹会の有志。
演奏曲目は、箏と三絃で3曲。
箏 組歌 明石 (作曲:北島検校)
箏 みだれ (作曲:八橋検校)
三絃 鶴の聲 (作曲:玉岡検校)
組歌明石は、昨年6月のミニライブで演奏した曲で、
筝曲演奏家芦垣育子誕生のきっかけとなった曲です。
芦垣さんは東京芸大入学前に組歌明石を聴く機会があり、
会場での演奏を聴いて、曲が終わるまで号泣していたそうです。
感動のあまり演奏の中田久美子さんに師事することを決意して芸大に入学、
人生の転機となった大切な因縁の曲だと、前回のミニライブで秘話を披露しています。
組歌明石は、源氏物語の明石を題材に北島検校が作曲しています。
全6組の構成で、通常二人で演奏する場合は交互に歌を歌いますが、
今回のはソロ演奏のため、一から六まで全組をひとりで歌いました。
コロナ感染防止に配慮してマスクをつけたままで、組歌を歌うのは、
芦垣さんも初めてのことでしたが、みごとに歌いとおしきりました。
ライブの後での話しでは、息を吸うときマスクが鼻と口元にくっついて
苦しい時もあったとの裏話も…。