韓国には宮廷舞踊もあり、サンムルノリという農民の踊りもあり中では、
色々分かれているんですけれども、言葉まで変えるというのは、多分日本だけです。
それで、明治に何でも西洋風にしなければいけないという風潮でした。
この時、二つの言葉が有るのはちょっと時代遅れじゃないか、一つにしようというので
日本の舞と踊りをひとつにして、日本舞踊という言葉ができました。
この時点では、地歌舞は舞で、日本舞踊というとみなさまぱっと思い浮かべる、
藤娘とか鷺娘など派手な歌舞伎の中で踊られる舞踊がございますねぇ、
これが踊りでございました。
地歌舞のほうが、なにせ地味なものと、歴史がございますのとで、
当時の人はちょっと時代遅れと思いまして、
歌舞伎舞踊のほうがモダンだったのですねぇ。それが全盛期を迎えました。
そして、やっと最近になって、
地歌舞の良さも皆さん分かってきてくださっているようでございます。
この二つがあります。
舞と踊りの語源
踊りのほうは、歌舞伎舞踊の踊りと盆踊り。各地でこう派手に動くものですね。
元もと踊りと言う語源が、飛び上がると言う跳躍の躍というイメージだったんです。
こういう意味を踊りのほうに転化して、舞のほうは廻るという意味だったんですね。
それから分かりますように動きも飛び跳ねる激しいものと、廻るだけの静かなものになりました。
飛び上がるのは、神様とか仏様とか天上にいらっしゃる人の力を超えた
何がしかの方にメッセージを送るために飛び上がる。
雨を降らせてほしい、今年は豊作ありがとう。
もうこんな地震やめて頂戴とか、そういうことですね。
で、廻るほうは神様とかが降りていらして見えて、人々の間を周りながら、
お前たちは大人しくしていたか。ちゃんと勤勉にしていたか。
悪いことをしたら、悪いことがまた起きるぞ、みたいな。
そういうお話をされた、というのが廻る。これが語源でした。
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外国ではダンスという言葉で、それひとつで表します。
日本には、舞と踊りがございます。