投稿日: Jan 24, 2020 3:55:35 AM
「地歌舞と京料理 ~街道の町家で~」公演の報告です。
Den10の会 地歌舞 広島公演(7回)
「 地歌舞と京料理 ~街道の町家で~ 」
地歌舞と、京料理、そして街道の町可部の吟醸酒を楽しむ公演でした。
「しっとり、ゆったり、こじんまり」をモットーに、
可部町の街道の町家を会場に、参加者23人の公演でした。
これまでの公演でももっとも少ない参加者で、
地歌舞本来の座敷での舞う姿に近いスタイルでした。
なごやかな雰囲気のなかに、華やぎの香りがたち、
伝統芸能へのあこがれと思いが漂うなか会場では、
「かしわや入江」ご自慢のコーヒーでくつろいでいただきました。
こじんまりと、しっとりした地歌舞を観た後は、
京料理を地元の素材で堪能し、可部の吟醸酒をいただく贅で、
ゆったりと時の流れる趣あふれる公演となり、たいへん好評でした。
ご来場をいただき、ありがとうございました。
Den10の会 地歌舞 広島公演(7回)
地歌舞と京料理 ~街道の町家で~
京料理と可部の吟醸酒をおともに
公演日時 2019年9月7日(土)
開場 午後3時30分
開演 午後4時00分
会 場 かしわや入江 広島市安佐北区可部三丁目46-24
出 演 地歌舞 古澤流二代目家元 古澤侑峯
プログラム 地歌舞 山姥
地歌舞 こすのと
それでは、演目解説をもとに、公演の模様をご紹介します。
最初の舞台は、「山姥(やまんば)」。
能や歌舞伎にもある曲です。
能では山姥の山巡りの曲舞を作って演じ有名になった都の遊女「百萬山姥」が、
山中で本物の山姥に出会い、その舞を見ると言う物語。
歌舞伎や歌舞伎舞踊での山姥は「金太郎(坂田金時)」の母とされています。
地歌舞では、曲の前半が遊女、後半は山姥となっています。
元は遊女だった山姥が郭勤めの昔話をして後に山巡りの舞を舞う、
という解釈をされることもありますが、定かではありません。
しかし、前半の艶っぽさと、後半の勇壮さとの対比も見事で、
なかなかの名曲です。
特に後半は雄大な自然の描写が巧みに歌われ、
山姥が季節毎に変わる山の風情を訪ねながら、あちらの峰、
こちらの谷を一飛びにして、山巡りする様子を描き、
やがて山姥は連なる山々の向こうへと消えて
見えなくなってしまった、と、余韻を残して終わります。
尚、この山姥は恐ろしい鬼女ではなく、人々に山の幸をもたらす
女神であり、自然そのものとも言える存在として現されています。
中休みを挟んでの舞は、「こすのと(小簾の戸)」。
こすのと(小簾の戸)、とは、元々「御簾の外」と書いて、
「みすのと」と言われていたのが、間違って伝わったと言われています。
「浮舟は思案の他の誘う水」人の世は思いの外の事が起きるもの。
ふとしたことで出会った二人の恋の行方は「二人して釣る蚊帳の紐」と言う、
ちょっと意味深な歌詞で終わります。
萍(うきくさ)は 思案のほかの 誘ふ水
恋が浮き世か 浮き世が恋か
ちょっと聞きたい 松の風
問へど答へも 山時鳥(やまほととぎす)
月やは ものの遣瀬(やるせ)なき
癪(しゃく)に嬉しき 男の力
じっと手に手を 何にも言はず二人して
釣る 蚊帳の紐
作曲は峰崎勾当、作詞は、滝沢馬琴とも恋仲であったという芸妓首のぶ。
江戸時代の天明~享和のころ大阪で活躍した盲人の音楽家で、
自らも三味線を弾いた峰崎勾当の作曲です。
さて、それでは、舞公演のあとの、京料理とお酒を紹介。
この日の京料理は、一期特製の一期弁当。
写真は、お店のサイトから拝借しました。
ご飯
音戸ちりめんの山椒煮
上根のこしひかり羽釜焚き
昆布の佃煮
取肴
石本さん家の真卵のだしまき玉子
瀬戸内産 さわらの幽庵焼き
広島産 小なすの京味噌田楽焼き
北海道産 秋鮭の真丈
広島産 おくらの胡麻よごし
熊本産 丸十の蜜煮
高知産 里芋の唐揚げ
北海道産 秋刀魚のわた醤油煮
瀬戸内産 真鯛の笹巻き寿司
広島産 和牛のがんもどき
広島産 大根の煮物
広島産 千両なすの煮浸し
広島産 南京の煮物
鹿児島産 春菊おひたし
高知産 みょうがの甘酢漬け
胡麻豆腐
そうめん南京ときのこのバター焼き
そしてお酒は、
旭鳳 純米大吟醸 雄町など四種類でした。
写真は、旭鵬のサイトから拝借しました。