投稿日: Apr 14, 2011 1:47:14 PM
邦楽いろは談義の第4回は、手描き友禅でした。
着物のもとになる染めがどのようにして出来るのか、を
この目でしっかり確かめようと、職人技を見学する企画でした。
めざす、手描き友禅の職人の作業場は、
なんと、広島市中心部のど真ん中、中区胡町にありました。
三越デパート1階のライオンに集合して、東に渡り、
電車通り沿いに少し歩いて5分もしない場所が、
手描き友禅作家、中村穂湖(ずいこ)さんのお店兼作業場です。
(ずいこ、広島市中区胡町4-24クリタビル1F)
お店の名前もそのまま、「ずいこ」。珍しいお名前です。
穂湖さんは、京都の生まれ育ちで、縁あって広島へたどり着きました。
この下の写真が、手描き友禅作家の穂湖さんです。
(手描き友禅作家 中村穂湖さん)
店内は、大小の友禅作品が心地よいゆとりで配置され、
「さすがは、友禅のお店」と、思わせる雰囲気が漂っていました。
Den10の会のメンバーは、穂湖さんの作業台の前に陣取りました。
いよいよ、手描き友禅のお話です。
まずは、友禅の出来るまでの工程の説明から。
最初は、染匠が企画することから始まります。
染匠というのは、総合企画をする友禅のプロデューサーです。
出来上がった着物をイメージして、黒染め生地のすそに花柄をあしらい、
花弁の色は、薄い黄色と薄紅色で、などと企画プランをたてて、
それぞれの工程の職人に指図をして、仕上げるまでをこなします。
友禅が生み出した固有名称とでも言えばいいのでしょうか。
ざっと、工程を連ねます。
染匠→ゆのし→検尺・墨打ち→下絵羽→下絵→湖置(ゴム糸名)
→伏湖→引染(地染め)→蒸し・水元→挿友禅→蒸し・水洗・水元
→ゆのし(上げのし)→金彩→刺繍→補正(地直し)→仮絵羽
これだけの工程を経て、友禅は仕上がるのです。
工程ごとに、数多くの優れた職人が手間をかけ次の職人へと送られます。
そして出来るのが眼にも鮮やかな友禅です。
風呂敷を、穂湖さんが友禅に染めるとこんな仕上がりになります。
右の風呂敷は、パリに出品する予定の新作です。