投稿日: Nov 12, 2013 12:18:14 PM
11月ともなれば、日が暮れるのは早い。
集合時間の午後6時30分ともなると、街灯の明かりがなくては参加者の顔も良くわからないほど。
宵闇迫る段原の街角に、予定の参加者が三々五々集合して、いざ会場へ。
会 場は、 広島市南区段原3丁目3-26 2階に事務所がある、(有)ダグ・プレゼンツ。
開催日時は、 2013年11月11日(月)午後6時30分からおよそ2時間。
講 師は、 タイポグラファーの汲地一郎 氏 (くみじ いちろう)さん。
でした。
第17回 邦楽いろは談義(11月)
「体験入門、墨字を描こう!」 の報告です。
(有)ダグの事務所に上がり会場に入ると、まだ仕事の社員たちが出迎えてくれ、
すでにテーブルには、墨と筆と半紙と下敷きの新聞紙が用意してあり、
それぞれ、思い思いの席に、参加者11人は腰掛けました。
講師の汲地さんから、個性ある墨字を書くコツについて、話が始まるかと思いきや、
いきなり、
「最初は、自分の名前を書いてみましょう。」
と、汲地さんの号令で体験入門は始まってしまった。
「気に入ったのが描けたら、私がもらいます。」
と、汲地さん。
11人の参加者は、ともかく、目の前に用意された筆を握り、
墨汁を皿に注いで、半紙に姓名を書くことになりました。
上手に書く習字ではない、思い思い自分の字を描く墨字への挑戦です。
会場はこんな按配で始まりました。 半紙に自分の名前を書きました。
自宅に居て、筆を取って、墨で字を書くことなど、今ではまずありません。
参加のみなさん、次第に神妙に、言葉少なくなり、自分の姓名を半紙になぞっていました。
やがて、自分で気に入った字体の姓名が書けた人が現れ始め、
汲地さんは、その半紙を持って事務所の奥のほうへと入っていきます。
姓名が描けた人から、つぎは自分の好きな言葉を半紙に書いていきます。
5枚、6枚、・・・10枚、と
あっという間に、墨字を描いた半紙が増えていきました。
その中から、お気に入りのが出来た人は、それを汲地さんに。
墨で普段、字を書きなれた人は次々に、
自分の言葉を生み出して、半紙に書き付けていきますが、
墨にも筆にもなじみの薄い人は、
1時間あまりも過ぎたころから、集中力は途切れ、少々緩慢と退屈の風情に・・・。
そして2時間が過ぎて、体験入門が終了。
まもなく、汲地さんにわたした自分の文字はどうなったのか? と、
いぶかる参加者のもとに、
自筆の姓名の入った「一筆箋」と、小さな額に入った「墨字作品」が次々届き、
参加者全員に贈られたのには、みなさんが驚き、歓声と、喜びの声が会場にあふれました。
一筆箋や名詞、額など自分のお気に入りの文字や言葉を
作品や商品に仕上げるビジネスを、(有)ダグ・プレゼンツ では手がけていています。
そのノウハウを、居残りの社員全員がフルに発揮し、
この日のいろは談義に参加した体験入門者のために、
参加者が書いた墨字を、作品に仕上げる作業を
それまでズーッと、やっていてくれたのです。
自分の描いた字が作品に仕上がる過程を目の当たりにし、
手に取った作品を見てみると、思いのほかのできばえです。
あらためて、わが字の美しさを見直し、感激しきり、
ひとしお、タイポグラフの威力を知った体験入門でした。