投稿日: Oct 04, 2015 7:29:40 AM
「祈りの鐘」 「月と揺り篭のうた」
竹内ふみの(ヴァイオリン):
知った顔の人たちの中で、安心して演奏できたことに感謝しています。
「祈りの鐘」の曲は、尺八の芦垣さんと育子さんがいなかったら、
知られていない曲なので、広島で再演されることは難しかったのではないかと思う。
リハーサルで作曲者の藤原さんと話をして、曲のシーンを伺えたうえで、
それを被爆70年の年に演奏できたことは、広島で育ってきた私にとって力になったし
考えさせられたりした曲だったな、と感謝しています。
「月と揺り篭のうた」など3曲は、いいクッションになったとお客さんからも声を頂いて、
選曲に苦労したが良かったかと思います。選曲した甲斐がありました。
「月と揺り篭のうた」演奏後に花束が・・・ 「珠取海士」
15) 70年の節目の公演で、会場の狭い窓から見ていて、
人生のアルバムにしまっておきたいほど、
会場のみなさんの横顔がすばらしかった。(30歳代 男性)
16) 大盛況でよかった。一生懸命やってきてその努力が実った。
小学校1年生のとき終戦を迎えた。
戦後70年にあたる年に、こういう公演を持てて記念になった。 (70歳代 男性)
17) 「珠取海士」を始めて観て今までにない地歌舞を観た。動きのスピードや激しさに
こういう地歌舞もあるのだと、再認識をした。(60歳代 男性)
18) リハーサルや控え室でのリハを見せてもらった。
戦後70年ということでいうと、叔父が戦死していたり叔母が被爆していて、
被爆二世ということもあり、平和に関する思いがいろいろある。
こういう舞や音楽で平和の大切さを、伝えていくことができるのだと感じた一日だった。
これからも伝えていけたらいいな、と思った。 (50歳代 女性)
19) すごくすばらしいと思ったのは、地歌舞をまったく知らなかった友達が、
公演の帰りに「いやぁ、すばらしかった」と、感激していたこと。
バイオリンやピアノが入っていて楽しかった、と言っていた。(60歳代 女性)
20) 侑峯さんの目力(めぢから)に、「えっぇ!」と思って、感動した。
童謡がすばらしかった。バイオリンが良かった、とみなさんがいっていた。(70歳代 女性)
21) Den10の会5周年にふさわしいし、公演になった。
別院さんの「非戦平和を願って70年」の企画にどんぴしゃはまって良かった。(60歳代 女性)
22) 本日公演入場者は、170人。これまで5年間に750人の人に見てもらい、聴いてもらった。
広島に馴染みのうすい地歌舞を観に来てもらって、広がりを少しは作れたかな、と思っている。
(60歳代 男性)
◇◆ 出演者の感想と意見 ◆◇
古澤侑峯(地歌舞):
戦後50年のときは、長崎で舞わせてもらった。戦争のことを忘れてはいけないので、
70年節目の年に広島で舞わせてもらい嬉しい。
私にできることは舞しかできませんが、今日はメッセージ性の強いイベントを、
しかもヘンに表立ってツノを立てていうわけでなく、はんなりと進行ということで良かった。
広島で70年目ということはほんと意味深いと思うので、
今日は来させていただいて舞わせていただき感謝しています。
倉橋文子(三絃):
始めて広島で演奏させていただき、
侑峯先生のご縁でみなさまともご縁ができありがとうございました。
みなさんのヒロシマへの思いがよくわかりすごくいい経験ができました。
演目も私にとって新鮮だったので嬉しい会になりました。
私の4分の1(父方の母)が広島で、ご縁がありました。
芦垣育子(三絃):
いつも気持ちよく演奏だけに専念できるDen10の会で、
たくさんのお客さんに来ていただいて、演奏できて感謝しています。
東京に引っ越したので、鎮魂をテーマにした70年の演奏会は無理と思っていたのに、
呼んでいただいて「残月」を演奏できたことは、広島生まれ育ちの私にとっては
意味があり嬉しい会でした。「残月」は難しすぎる曲で務まるかどうか心配でした。
あんなに一音一音を考えさせられる曲はそうそう無い。
普通は箏が入るんですが、箏が入ると(三絃)は楽になるんですけど、
それを一丁一管で二人で演奏するのは稽古もたいへんでしたが、
舞台でひかせていただいたことで勉強になりました。
毎回Den10の会は、「雪」もそうですが怖い舞台を勤めさせていただいて
しごかれているなと、その面でも感謝しております。
芦垣皋盟(尺八):
演奏に集中させてもらえる会なので、演奏しやすい会。
嬉しかったのは「祈りの鐘」のアナウンスで、「広島にゆかりのある3人」と案内されて、
8年間ほど広島市民となり、原爆の日の報道の仕方や8月6日が小学校の
登校日になっているなど、広島でないと感じる事のできないことを感じてきた。
貴重な体験をさせてもらった。そのうえで、祈りの鐘を再演させてもらい、
「広島にゆかりの3人・・」とアナウンスされてほんと嬉しかった。
「残月」は大学学部の卒業試験と大学院の修士演奏曲で、思い入れのある曲。
それを広島で演奏できたことを感謝しています。
水入恵(ピアノ):
ふみのさんと大学の先輩後輩で、尺八とバイオリンの曲があるので、と声をかけていただいて。
楽しそうだなと受けたら、ビックリするような楽譜が届いて・・・、
どっから踏もうかなと頑張って参りました。
初めての会で演奏もやりやすく、サポートがすごいなと思いました。
頻繁に連絡のある主催者は初めてでしたので、励みになりました。
「袖の露」 「残月」
9) 「残月」を聴いて、侑峯さんのおかあさん(古澤侑:古澤流宗家初代家元)の
「残月」を観たことがあるのですが、伊勢神宮で舞ったのですが、
その時の風とか空気とか思い出して、最後の5分間ぐらいもうろうとしていました。
「残月」に酔っていました。すてきな演奏でした。(70歳代、女性)
◆◇◆ 注文や辛口の意見と、舞台についての「?」の声も ◆◇◆
10) 地歌で歌う歌詞は、現代の人間が聞くとあれは外国語にしか聴こえない。
地歌の歌詞の意味を知ったうえで聴くのと、知らずに聴くのとではまったく聴き方は違う。
会場で配られたプログラムに、歌詞と解説が書いてあるのを読むと、
外国語の地歌はわからなくても、舞のしぐさの意味が少しは理解できる。
歌舞伎の解説イヤホーンやオペラの字幕スーパーのように
伝統芸能・文化に馴染みのない人にも、舞台がわかるための工夫が要る。
11) 舞の裾が乱れていたのはどうなのかねぇ。
その昔、観た武原はんさんの舞ではあんなことはなかったと思う。
12) バイオリンの絃が切れていたのは、あれは何なのか?
13) 地歌舞のあと次の演奏になると、舞台中央の引き扉を開けていたけど、
あれはなにか意味があるのかしら?
◇◆ スタッフの意見と感想 ◆◇
14) 侑峯さんの、「袖の露」も「珠取海士」も(演目の)意味を聞かせていただいて拝見した。
「祈りの鐘」は、皋盟先生かっこよかったですね。
「月と揺り篭のうた」など3曲もすごく良くて、会場の雰囲気がすごく変わって、
緊張して聞いていた会場が、ほっとした感じになって効果があった。(50歳代 女性)
9月の邦楽いろは談義で、「鎮魂 ヒロシマ70年」公演の感想を語り合いました。
公演にご来場いただいた方々からの声とあわせて、感想特集です。
公演の内容を、豪華写真で報告しています。こちらからご覧ください。
来場者は170人ほどになりました。
半数以上の方が、地歌舞は始めてみるという人で、
広島での地歌舞への確かな広がりを感じさせる公演でした。
多彩な来場者に公演を終えてお尋ねした、感想などをまとめました。
◇◆ 地歌舞と公演の感想 ◆◇
◆◇◆ 賞賛の感想 ◆◇◆
1) 全体のバランス、1つ1つが良かった。(30歳代、男性)
2) 地歌舞公演、とてもよかったです。
どんな由来の芸で、どんな歌詞で・・・など、何も知らないのですが、
舞台に引き込まれてしまったという感想です。
ヴァイオリンが和洋馴染んで素晴らしかったです。
ありがとうございました。 (広島市、男性、60歳代)
3) 古澤さんの眼力がハンパないですね。
事前にパンフレットであらすじを読んだおかげで、ストーリーがよくわかりました。
素養のない人間にとっては、親切でよかったです。
踊りは、素人の私でも、そのすごさがわかりましたが、
歌の方は、声量不足な感じで、ちょっと歌が聞き取りにくかったです。
異素材のコラボ演奏も面白かったです。
バイオリニストの独創的な髪型と衣裳に、目を奪われてしまいました。
いずれも、こういうことでもなければ見ることのできないもので、
いい機会をいただき、どうもありがとうございました。(??歳代 男性)
4) 解らないまでも地歌舞の迫力には圧倒されました。
自分的には、バイオリン・ピアノと和楽器のコラボを楽しみました。
やはり生の音は良いですね!魅惑の迫力です!
旧友に会えたのも良かったです。 (60歳代、男性 会社代表)
5) この歳になるまで全く知らなかった日本文化に触れることができました
不思議な空間でした。ありがとうございました。(60歳代 男性)
6) こんな機会がないと経験できない貴重な体験でした。(55歳 女性)
7) 今日も頭の中は古澤侑峯さんの舞と、三弦、尺八、ヴァイオリン、
ビアノの音色が残っています。そしてあの会場の感じも!
素敵な体験をさせていだだいてありがとうございます。(50歳代 講師女性)
8) 古澤さんの首筋に、流れる珠のような汗を見た。
あれだけ静かに、舞のしぐさは緩やかなのに汗をかいていることに感動した。
地歌舞の芸の深さを見る思いがした。