「へら鮒~?ちっこい鮒なんか釣って楽しいのか?」と思ってる人の為のぺージ(笑)
やってみれば想像以上に楽しいものなので、以下、どの様に楽しいかを書いてみようかと。
「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」って格言があるぐらいなので、鮒釣りは親しみやすく奥が深いのだ。
1.高いゲーム性
ゲームフィッシングと言えばバス釣りって感じだが、へら鮒釣りも日本発祥の立派なゲームフィッシング。
厳格に定められたルールに則って競技が行われる。当然、競技だけではなく単に遊びとしても楽しめるけど。
前述のバス以外にも、色々とゲームフィッシングはあるが、へら鮒釣りは特にゲーム性が高いと思う。
まず、基本的にハリには返しが無い(バーブレス)。よって、へたな釣り方だと魚がバレる。
バーブレスになっている理由は「ゲームなので無駄に魚を傷めない為」と言いたいところだが、「すぐにハリをはずせて手返しが良くなる」という理由も考えられるので、なんとも言えない(笑)
他の釣りでは容認されている事が多いスレも基本的には禁止である。
「ちゃんと魚に餌を食わせた証拠に口の中にハリが掛かっていて、返しが無いハリでバラさない様に取り込まなくてはいけない」のである。
なんでもかんでも、ハリに魚が付いてくれば良いという訳では無いのだ。
2.想像以上に強い引き
へら鮒を釣った事無い人は「30cmぐらいの鮒なんかロクに引かないだろ」と思うかも知れないが、想像以上にへら鮒の引きは強い。
活性の良い時期などはキュキュンと糸鳴りするぐらい引く時もあるし、45cmを超すサイズになると竿を折る事もある。
それを柔らかいヘラ竿で0.4号ぐらいのハリスで釣り上げる。
基本的に片手で竿を持つというのもあるのだが、魚を掛けて握力が無くなる思いをしたのはへら鮒ぐらいである。
リールだと、基本的に両手持ちになるし、ドラグがあるから手がだるくなるというのはまず無い。
もっとも、1mの鯉とか、GTとかと比べられても困りますが(笑)
サイズの割には引くって事です。
3.シビアなアタリ
普通の釣りでは大抵の場合、アタリは「魚が餌をくわえて持っていく時」に取る。
この場合、くわえて持っていく時にライン、または竿に出るアタリを取るのだから「あぁ、アタリがあったな。ではアワセをするか」という風にのんびりアワセを行っても問題ない。
場合によると、さらに食い込ませる為にアタリを送る事さえある。
へら鮒釣りの場合には基本的に「餌を吸った時にウキに出る微妙なアタリ」を取る。当然、食って持っていくアタリもあるが、コレだけ狙っていては数は釣れない。
アタリに対してゆっくりアワセをするとどうなるかというと、ヘラ鮒はすぐに餌を吐き出すので、空振りに終わる。
一瞬の微妙なアタリに対して素早くアワセをしないといけないのだ。
一見するとぼんやり釣りしてる様に見えるヘラ師だが、目だけは鷹の様に鋭くウキをみつめているのだ(笑)
4.高い戦略性
どの釣りにも戦略と言うのはある。季節、当日の気温・水温、水色、潮の状況等を考慮して、その日の釣り方をまず決める。
で、実際に釣りをしてみて、さらに修正して行き魚の居場所、食い気を突き止め、釣れるパターンを探す。
まあ、この辺はへら鮒釣りも同じであるが、へら鮒釣りの場合には「目的の釣り方で釣る戦略」というのが、さらに加わる。
底釣りの場合などは、数時間もアタリも無いのに餌を打ち込み続ける場合がある。底でたくさん釣る為の下地を作る為なのだ。
他の釣りでは魚の状態に合わせて釣り方を変えざるを得ない場合が多いが、へら鮒釣りは自分の釣り方に合わせてある程度魚をコントロールして釣りが出来る。
当然、いつも成功するとは限らないのだが、自分の狙い通りにへら鮒を寄せる事が出来て、たくさん釣れた時には嬉しいものである(笑)
5.繊細なウキ
「3.シビアなアタリ」 と関連しているが、ヘラ鮒釣り用のウキは他の釣りに比べ繊細・高感度・見た目が綺麗って事で有名である。
ヘラ鮒釣り好きの人はウキ(または、ウキの動き)が好きだと言っても過言では無いと思う。
リールでラインやロッドに出る食いアタリでしか釣った事が無い人には分からないかも知れないが、へらウキには「魚が寄ってきたアタリ」までもが出る。
その他にも「餌を突くアタリ」「糸に触ったアタリ」等、食いアタリ以外に様々なアタリ(魚の動き)をウキを通して知る事が出来る。
これにより、ヘラ鮒の寄り具合、食い気等を推察し、餌、棚等を修正して釣れる食いアタリが出る様にしていく。
これが俗に言う「ウキと会話する」という事で、へら鮒釣りの醍醐味だと言われている。
個人的にはなんの前触れも無く、消し込むアタリも好きですが(笑)
6.隣席との勝負・協調
大抵の釣りは隣で並んで釣りをしていようが、隣席の釣り方が自分の釣果に影響を与える事はまず無い。
たとえば、ヒラメ釣りで「いやー、隣の人にヒラメを寄せられて全然釣れなかった」なんてのは100%無い。
だが、へら鮒釣りの場合はこれが往々にしてある。隣に魚を寄せられ切ってしまうと、同じ釣り方なのに隣は毎回アタリがあり、自分は全く無いなんて事すらある。
他の釣りは「自分と魚」との勝負なのだが、へら鮒釣りは「自分と魚と隣席」との勝負なのだ。なので、隣席が居ない空いている平日は戦う相手が減って釣れる(笑)
「隣席は敵なのか?」というとそうでも無い場合がある。一人で宙釣りをしていて、トイレに行って帰ってくるとしばらくアタリは無いが、隣で同じ釣りをしてる人が居れば、その人が魚をキープしてくれているので、すぐにアタリが出たりする。
会話をしなくても、釣りを通じて隣席との微妙なコミュニケーションがあるのもへら鮒釣りの面白いところかと。
7.奥が深い
まあ、コレに関してはどの釣りも同じなんだが・・・。
「へら鮒釣りを極めた!」なんて人はまず居ないし、居たとしたら勘違いしているだけである。
50年、60年やっても極められず、飽きないのがへら鮒釣り♪
8.多彩な釣り場
釣りの中では1、2を争う程、釣り場のバリエーションがある。
たとえば鮎を釣ろうと思ったら綺麗な河川、鯵を釣ろうとしたら海・・・となってしまうが、へら鮒は違う。
関東圏の場合、ほとんどの河川、池、湖に生息している上、管理釣り場も豊富でいつでも何処でも釣りが出来る。
特に管理釣り場などは年中無休のところ(ありがたい話である)もあるので、まさに一年中釣りが出来、釣果も期待出来る。
湖でのんびり舟釣りをする、管理釣り場で数釣りをする等、釣りの楽しみ方も色々出来るのである。
9.若者~年配まで
へら鮒釣りは年配の人が一日座りっぱなしでのんびり・ボーッとウキを見ているだけの楽な釣りの様なイメージがある。
が、それは間違っていて、ちゃんとやると非常にハードな釣りなのだ。
朝の5時から夕方の3時頃までぶっ通しで、餌を打ちまくり、ウキを見続け、さらに釣り方を色々考えている。
20歳代でも釣りが終わるとバテバテになる程のハード具合なのである。
釣り方にもよるが、餌打ちなんかは「1分間に数発打つ」という事もある。
それを10時間続ける。
そんな釣りが他にあるだろうか?
とまあ、若者向けの忙しい釣りもあるかと思えば、年配向きの世間一般のイメージ通りののんびりした釣り方もある。
のんびり釣っていればあまり釣れないだろうと思いきや、のんびりした釣りが忙しい釣りに勝ったりする時もあるのがおもしろい。
また、座って釣りをするので、歳をとって足腰が弱くなっても問題なく釣りが出来る。
へら鮒釣りは一生楽しめる釣りなのだ。
10.道具を自作する楽しみ
他の釣りでも道具を自作するって事はあるが、へら鮒釣りの場合、自作出来る道具の範囲は格段に広い。
主要道具(竿、ウキ、万力、竿受け、玉網、フラシ)は難易度の差はあるが全て自作出来る。
特にウキの自作は一般的なので、器用な人だったら作ってみるのも良いかと。
自分で作ったウキで釣ったへらは格別の1枚となるでしょう。
全て自作の道具でへら鮒釣りをやる・・・ってのは最高でしょうが、普通の人にはまず夢です(竿が難しい・・・)
最後に:以外と低い敷居
前述だけだと「難しい釣りなのでは・・・」と思われそうなので、フォローを入れておこう(笑)
へら鮒釣りも他の釣りと同じく、「人よりたくさん釣ろう」「釣り場で1番になろう」とか思わなければ気楽で簡単な釣りなのだ。
道具はこだわらなければ2万円もあればとりあえず揃うし、釣りシーズンに管理釣り場に行けば、適当な餌でもそれなりに釣れる。
管理釣り場の料金も市営だと1日1500円程度と他の釣りと比べると格段に安いし、管理釣り場に行かなくても大抵の河川、池等にへら鮒は居る。
関東圏なら家から30分~1時間程度の所に釣り場の一つぐらいあるはずなので、非常に気軽である。
という訳で難しくは無いので、やった事無い人はやってみましょう♪
そして・・・。一人での釣りに飽きたら二水会へご入会を♪
こんなもんかな?