ダビデ、ナハライムのアラムおよびゾバのアラムとたゝかひをりしがヨアブかへりゆき塩谷(しほのたに)にてエドム人(びと)一萬二千をころしゝとき教訓(をしへ)をなさんとてダビデがよみて「證詞(あかし)の百合花(ゆり)」といふ調(しらべ)にあはせて伶長(うたのかみ)にうたはしめたるミクタムの歌
神よなんぢわれらを棄(すて)われらをちらし給(たま)へり なんぢは憤(いきど)ほりたまへり ねがはくは再びわれらを歸(かへ)したまへ
なんぢ國(くに)をふるはせてこれを裂(さき)たまへり ねがはくはその多くの隙(すき)をおぎなひたまへ そは國(くに)ゆりうごくなり
なんぢはその民にたへがたきことをしめし 人をよろめかする酒をわれらに飮(のま)しめ給(たま)へり
なんぢ眞理(まこと)のために挙(あげ)しめんとて汝(なんぢ)をおそるゝものに一つの旗(はた)をあたへたまへり セラ
ねがはくは右の手をもて救(すくひ)をほどこし われらに答をなして愛(いつく)しみたまふものに助(たすけ)をえしめたまへ
神はその聖(きよき)をもていひたまへり われ甚(いた)くよろこばん われシケムをわかちスコテの谷をはからん
ギレアデはわがもの マナセはわが有(もの)なり エフライムも亦(また)わが首(かうべ)のまもりなり ユダはわが杖(つゑ)
モアブはわが足盥(あしだらひ)なり エドムにはわが履(くつ)をなげん ベリシテよわが故(ゆゑ)によりて聲(こゑ)をあげよと
たれかわれを堅固(けんご)なる邑(まち)にすゝましめんや 誰かわれをみちびきてエドムにゆきたるか
神よなんぢはわれらを棄(すて)たまひしにあらずや 神よなんぢはわれらの軍(いくさ)とともにいでゆきたまはず
ねがはくは助(たすけ)をわれにあたへて敵(あた)にむかはしめたまへ 人のたすけは空(むな)しければなり
われらは神によりて勇(いさま)しくはたらかん われらの敵をふみたまふものは神なればなり