伶長(うたのかみ)にうたはしめたるダビデのうた
ヱホバよ王はなんぢの力によりてたのしみ汝(なんぢ)のすくひによりて奈何(いか)におほいなる歓喜(よろこび)をなさん
なんぢ彼がこゝろの願望(ねがひ)をゆるし そのくちびるの求(もとめ)をいなみ給(たま)はざりき セラ
そはよきたまものの惠(めぐみ)をもてかれを迎(むか)へ まじりなきこがねの冕弁(かんむり)をもてかれの首(かうべ)にいたゞかせ給(たま)ひたり
かれ生命(いのち)をもとめしに汝(なんぢ)これをあたへてその齢(よはひ)の日を世々かぎりなからしめ給(たま)へり
なんぢの救(すくひ)によりてその榮光(えいくわう)おほいなり なんぢは尊貴(たふとき)と稜威(みいづ)とをかれに衣(き)せたまふ
そは之(これ)をとこしへに福(さいは)ひなるものとなし聖顔(みかほ)のまへの歓喜(よろこび)をもて樂しませたまへばなり
王はヱホバに依頼(よりたの)み いとたかき者のいつくしみを蒙(かうむ)るがゆゑに動かさるゝことなからん
なんぢの手はそのもろもろの仇(あた)をたづねいだし 汝のみぎの手はおのれを憎(にく)むものを探(たづ)ねいだすべし
なんぢ怒(いか)るときは彼等をもゆる爐(ろ)のごとくにせん ヱホバはげしき怒(いかり)によりてかれらを呑(のみ)たまはん 火はかれらを食(くらひ)つくさん
汝(なんぢ)かれらの裔(すゑ)を地よりほろぼし かれらの種(たね)を人の子のなかよりほろぼさん
かれらは汝にむかひて惡事(あしきこと)をくはだて遂(とげ)がたき謀略(はかりごと)をおもひまはせばなり
汝かれらをして背(そびら)をむけしめ その面(かほ)にむかひて弓絃(ゆづる)をひかん
ヱホバよ能力(みちから)をあらはしてみづからを高くしたまへ 我儕(われら)はなんぢの稜威(みいづ)をうたひ且(かつ)ほめたゝへん