願(ねがは)くはなんぢ天を裂(さき)てくだり給(たま)へ なんぢのみまへに山々ふるひ動かんことを
火の柴(しば)をもやし火の水を沸(わか)すがごとくして降(くだ)りたまへ かくて名(みな)をなんぢの敵にあらはし もろもろの國(くに)をなんぢのみまへに戰慄(ふるひをのゝ)かしめたまへ
汝(なんぢ)われらが逆料(はかり)あたはざる懼(おそ)るべき事をおこなひ給(たま)ひしときに降(くだ)りたまへり 山々はその前(みまへ)にふるひうごけり
上古(いにしへ)よりこのかた汝(なんぢ)のほかに何(いか)なる神ありて俟望(まちのぞ)みたる者にかゝる事をおこなひしや いまだ聽(きか)ず いまだ耳にいらず いまだ目にみしことなし
汝(なんぢ)はよろこびて義(ぎ)をおこなひなんぢの途(みち)にありてなんぢを紀念するものを迎(むか)へたまふ 視(み)よなんぢ怒(いか)りたまへり われらは罪ををかせり かゝる状(さま)なること既(すで)にひさし 我儕(われら)いかで救(すく)はるゝを得(え)んや
我儕(われら)はみな潔(きよ)からざる物のごとくなり われらの義(ぎ)はことごとく汚(けが)れたる衣(ころも)のごとし 我儕(われら)はみな木葉(このは)のごとく枯(か)れ われらのよこしまは暴風(はやち)のごとく我らを吹去(ふきさ)れり
なんぢの名をよぶ者なく みづから勵(はげ)みて汝(なんぢ)によりすがる者なし なんぢ面(みかほ)をおほひてわれらを顧(かへり)みたまはず われらが邪曲(よこしま)をもてわれらを消失(きえう)せしめたまへり
されどヱホバよ汝(なんぢ)はわれらの父なり われらは泥塊(つちくれ)にしてなんぢは陶工(すゑつくり)なり 我らは皆なんぢの御手(みて)のわざなり
ヱホバよいたく怒(いか)りたまふなかれ 永(なが)くよこしまを記念したまふなかれ 願(ねがは)くは顧(かへり)みたまへ 我儕(われら)はみななんぢの民なり
汝(なんぢ)のきよき諸邑(まちまち)は野となりシオンは野となりヱルサレムは荒廢(あれすた)れたり
我らの先祖が汝を讃(ほめ)たゝへたる榮光(えいくわう)ある我儕(われら)のきよき宮は火にやかれ 我儕(われら)のしたひたる處(ところ)はことごとく荒(あれ)はてたり
ヱホバよこれらの事あれども汝(なんぢ)なほみづから制(おさ)へたまふや なんぢなほ默(もだ)してわれらに深くくるしみを受(うけ)しめたまふや