荒野(あれの)とうるほひなき地とはたのしみ 沙漠(さばく)はよろこびて番紅(さふらん)の花のごとくに咲(さき)かゞやかん
盛(さかん)に咲(さき)かゞやきてよろこび且(かつ)よろこび且(かつ)うたひ レバノンの榮(さかえ)をえカルメルおよびシヤロンの美(うるは)しきを得(え)ん かれらはヱホバのさかえを見(み)われらの神のうるはしきを見るべし
なんぢら萎(なえ)たる手をつよくし弱りたる膝(ひざ)をすこやかにせよ
心さわがしきものに對(むかひ)ていへ なんぢら雄々(をゝ)しかれ懼(おそ)るゝなかれ なんぢらの神をみよ 刑罰(けいばつ)きたり神の報(むくい)きたらん 神きたりてなんぢらを救(すく)ひたまふべし
そのとき瞽者(めしひ)の目はひらけ聾者(みゝしひ)の耳はあくことを得(う)べし
そのとき跛者(あしなへ)は鹿(しか)の如(ごと)くにとびはしり唖者(おふし)の舌はうたうたはん そは荒野(あれの)に水わきいで沙漠(さばく)に川ながるべければなり
やけたる沙(すな)は池となり うるほひなき地はみづの源(みなもと)となり 野犬(のいぬ)のふしたるすみかは蘆葦(あしよし)のしげりあふ所となるべし
かしこに大路(おほぢ)あり そのみちは聖道(きよきみち)ととなへられん 穢(けが)れたるものはこれを過(すぐ)ることあたはず たゞ主(しゆ)の民のために備(そな)へらる これを歩(あゆ)むものはおろかなりとも迷(まよ)ふことなし
かしこに獅(しゝ)をらず あらき獸(けもの)もその路(みち)にのぼることなし 然(され)ばそこにて之(これ)にあふ事なかるべし たゞ贖(あがな)はれたる者のみそこを歩(あゆ)まん
ヱホバに贖(あがな)ひすくはれし者うたうたひつゝ歸(かへり)てシオンにきたり その首(かうべ)にとこしへの歡喜(よろこび)をいたゞき樂(たのしみ)とよろこびとをえん 而(しか)して悲哀(かなしみ)となげきとは逃(にげ)さるべし