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視（み）よわが目これを盡（ことごと）く觀（み）わが耳これを聞（きゝ）て通逹（さと）れり
汝らが知るところは我もこれを知る我は汝らに劣（おと）らず
然（しか）りと雖（いへ）ども我は全能者（ぜんのうしゃ）に物言（ものいは）ん我は神と論（ろん）ぜんことをのぞむ
汝らは只（たゞ）[いつはり]を造り設（もう）くる者 汝らは皆（みな）無用の醫師（くすし）なり
願（ねがは）くは汝ら全（まつた）く默（もく）せよ然（しか）するは汝らの智慧（ちゑ）なるべし
請（こ）ふわが論（ろん）ずる所を聽き我が唇（くちびる）にて辨爭（いひあらそ）ふ所を善（よ）く聽（き）け
神のために汝ら惡（あし）き事を言（いふ）や又かれのために虚僞（いつはり）を述（のぶ）るや
汝ら神のために偏（かたよ）るや またかれのために爭（あらそ）はんとするや
神もし汝らを鑒察（しらべ）たまはゞ豈（あに）善（よか）らんや汝等（なんぢら）人を欺（あざ）むくごとくに彼を欺（あざ）むき得（え）んや
汝等もし密（ひそか）に私（わたく）しするあらば彼かならず汝らを責（せめ）ん
その威光（ゐくわう）なんぢらを懼（おそ）れしめざらんや彼を懼（おそ）るゝ畏懼（おそれ）なんぢらに臨（のぞ）まざらんや
なんぢらの諭言（さとし）は灰（はひ）に譬（たと）ふべし なんぢらの城（しろ）は土の城となる
默して我にかゝはらざれ我（われ）言語（ものいは）んとす何事にもあれ我に來（きた）らば來（きた）れ
我なんぞ我（わが）肉をわが齒の間（あひだ）に置き わが生命（いのち）をわが手に置かんや
彼われを殺すとも我は彼に依賴（よりたの）まん惟（たゞ）われは吾道（わがみち）を彼の前に明（あきら）かにせんとす
彼また終（つひ）に我（わが）拯救（すくひ）とならん邪曲（よこしま）なる者は彼の前にいたること能（あた）はざればなり
なんぢら聽（きけ）よ我言（わがことば）を聽（き）け我が述（のぶ）る所をなんぢらの耳に入（いら）しめよ
視（み）よ我すでに吾事（わがこと）を言並（いひなら）べたり必ず義（たゞ）しとせられんと自（みづか）ら知る
誰か能（よく）われと辨論（いひあらそ）ふ者あらん若（もし）あらば我は口を緘（とぢ）て死（しな）ん
惟（たゞ）われに二（ふたつ）の事を爲（なし）たまはざれ然（さら）ば我なんぢの面（かほ）をさけて隱（かく）れじ
なんぢの手を我より離したまへ汝の威嚴（ゐげん）をもて我を懼（おそ）れしめたまはざれ
而（しか）して汝われを召（めし）たまへ我こたへん又われにも言（ものい）はしめて汝われに答へたまへ
我の愆（とが）われの罪（つみ）いくばくなるや我の背反（そむき）と罪とを我に知（しら）しめたまへ
何とて御面（みかほ）を隱（かく）し我をもて汝の敵となしたまふや
なんぢは吹廻（ふきまは）さるゝ木の葉を威（おど）し干（ひ）あがりたる籾殼（もみがら）を追（おひ）たまふや
汝は我につきて苦（にが）き事等（ことども）を書（かき）しるし我をして我が幼稚時（いとけなきとき）の罪を身に負（おは）しめ
わが足を足械（あしかせ）にはめ我（わが）すべての道を伺（うかゞ）ひ我足（わがあし）の周圍（まはり）に限界（かぎり）をつけたまふ
我は腐（くさ）れたる者のごとくに朽（くち）ゆき蠹（むし）に食（くは）るゝ衣服（ころも）に等（ひと）し
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