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なんぢ惡（あし）き人を羨（うらや）むことなかれ 又これと偕（とも）に居らんことを願ふなかれ
そはその心に暴虐（しへたげ）をはかり その口唇（くちびる）に人を害（そこな）ふことをいへばなり
家は智慧（ちゑ）によりて建（たて）られ 明哲（さとり）によりて堅（かた）くせられ
また室（へや）は知識によりて各種の貴（たふと）く美しき寳（たから）にて充（みた）されん
智慧（ちゑ）ある者は強し 知識ある人は力をます
汝よき謀計（はかりごと）をもて戦闘（たゝかひ）をなせ 勝利は議者（はかるもの）の多きによる
智慧（ちゑ）は高くして愚（おろか）なる者の及ぶところにあらず 愚（おろか）なる者は門にて口を啓（ひら）くことをえず
惡をなさんと謀（はか）る者を邪曲（よこしま）なる者と稱（とな）ふ
愚なる者の謀（はか）るところは罪なり 嘲笑者（あざけるもの）は人に憎まる
汝もし患難（なやみ）の日に氣を挫（くじ）かば汝の力は弱し
なんぢ死地に曳（ひか）れゆく者を拯（すく）へ 滅亡（ほろび）によろめきゆく者をすくはざる勿（なか）れ
汝われら之（これ）を知らずといふとも心をはかる者これを暁（さと）らざらんや 汝の霊魂（たましひ）をまもる者これを知（しら）ざらんや 彼はおのおのの行爲（おこなひ）によりて人に報（むく）ゆべし
わが子よ蜜（みつ）を食（くら）へ 是（これ）は美（よき）ものなり また蜂のすの滴瀝（したゝり）を食（くら）へ 是（これ）はなんぢの口に甘し
智慧（ちゑ）の汝の霊魂（たましひ）におけるも是（かく）の如（ごと）しと知れ これを得（え）ばかならず報（むく）いありて汝の望（のぞみ）すたれじ
惡者（あしきもの）よ義者（たゞしきもの）の家を窺（うかゞ）ふことなかれ その安居所（やすむところ）を攻（せむ）ること勿（なか）れ
そは義者（たゞしきもの）は七次（なゝたび）たふるゝともまた起く されど惡者（あしきもの）は禍災（わざはひ）によりて亡（ほろ）ぶ
汝の仇（あだ）たふるゝとき樂しむこと勿（なか）れ 彼の亡（ほろ）ぶるときこゝろに喜ぶことなかれ
恐くはヱホバこれを見て惡（あし）しとし その震怒（いかり）を彼より離れしめたまはん
なんぢ惡者（あしきもの）を怒（いか）ることなかれ 邪曲（よこしま）なる者を羨（うらや）むなかれ
それ惡者（あしきもの）には後の善賚（よきむくい）なし 邪曲（よこしま）なる者の燈火（ともしび）は滅（け）されん
わが子よヱホバと王とを畏（おそ）れよ 叛逆者（そむくもの）に交（まじは）ること勿（なか）れ
斯（かゝ）るものらの災禍（わざはひ）は速（すみやか）におこる この兩者（ふたつのもの）の滅亡（ほろび）はたれか知（しり）えんや
是等（これら）もまた智慧（ちゑ）ある者の箴言（しんげん）なり 偏（かたよ）りて鞫（さばき）するは善（よか）らず
罪人に告（つげ）て汝は義（たゞ）しといふものをば衆人（ひとびと）これを詛（のろ）ひ諸民これを惡（にく）まん
これを譴（せむ）る者は恩（めぐみ）をえん また福祉（さいはひ）これにきたるべし
ほどよき應答（こたへ）をなす者は口唇（くちびる）に接吻（くちつけ）するなり
外にて汝の工（わざ）をとゝのへ田圃（はたけ）にてこれを自己（おのれ）のためにそなへ 然（しか）るのち汝の家を建（たて）よ
故（ゆゑ）なく汝の鄰（となり）に敵して證（あかし）することなかれ 汝なんぞ口唇（くちびる）をもて欺（あざむ）くべけんや
彼の我に爲（な）しゝ如（ごと）く我も亦（また）かれになすべし われ人の爲（な）ししところに循（したが）ひてこれに報（むく）いんといふこと勿（なか）れ
われ曾（かつ）て惰人（おこたるひと）の田圃（はたけ）と智慧（ちゑ）なき人の葡萄園（ぶだうばたけ）とをすぎて見しに
荊棘（いばら）あまねく生え 薊（あざみ）その地面を掩（おほ）ひ その石垣くづれゐたり
我これをみて心をとゞめ これを観（み）て教（をしへ）をえたり
しばらく臥（ふ）し 暫（しば）らく睡（ねぶ）り 手を叉（こまぬ）きて又しばらく休む
さらば汝の貧窮（まづしき）は盗人（ぬすびと）のごとく汝の缺乏（ともしき）は兵士（つはもの）の如（ごと）くきたるべし
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