伶長(うたのかみ)にうたはしめたるダビデのうた
ヱホバよねがはくは惡人(あしきひと)よりわれを助けいだし 我をまもりて強暴人(あらぶるもの)よりのがれしめたまへ
かれらは心のうちに殘害(そこなひ)をくはだて たえず戦闘(たゝかひ)をおこす
かれらは蛇(へび)のごとくおのが舌を利(とく)す そのくちびるのうちに蝮(まむし)の毒(どく)あり セラ
ヱホバよ願(ねがは)くはわれを保(たも)ちてあしきひとの手よりのがれしめ 我をまもりてわが足をつまづかせんと謀(はか)るあらぶる人よりのがれしめ給(たま)へ
高ぶるものはわがために羂(わな)と索(つな)とをふせ 路(みち)のほとりに網(あみ)をはり かつ機(おし)をまうけたり セラ
われヱホバにいへらく汝(なんぢ)はわが神なり ヱホバよねがはくはわが祈(いのり)のこゑをきゝ給(たま)へ
わが救(すくひ)のちからなる主(しゆ)の神よ なんぢはたゝかひの日にわが首(かうべ)をおほひたまへり
ヱホバよあしきひとの欲(ねがひ)のまゝにすることをゆるしたまふなかれ そのあしき企図(くはだて)をとげしめたまふなかれ おそらくは彼等みづから誇(ほこ)らん セラ
われを圍(かこ)むものの首(かうべ)はおのれのくちびるの殘害(そこなひ)におほはるべし
もえたる炭(すみ)はかれらのうへにおち かれらは火になげいれられ ふかき穴になげいれられて再びおきいづることあたはざるべし
惡言(あしきこと)をいふものは世にたてられず 暴(あら)ぶるものはわざはひに追及(おひしか)れてたふさるべし
われは苦しむものの訴(うたへ)と まづしきものの義(ぎ)とを ヱホバの守りたまふを知る
義者(たゞしきもの)はかならず聖名(みな)にかんしやし直者(なほきもの)はみまへに住(すま)ん