ヱホバの言(ことば)また我にのぞみていふ
汝(なんぢ)この處(ところ)にて妻を娶(めと)るなかれ子(むすこ)女(むすめ)を得(う)るなかれ
此處(このところ)に生(うま)るゝ子女とこの地に之(これ)を生む母と之(これ)を生む父とに就(つき)てヱホバかくいひたまふ
彼らは慘(いたま)しき病(やまひ)に死し哀(かなし)まれず葬(はうむ)られずして糞土(ふんど)のごとくに田地(はたけ)の面(おもて)にあらんまた劍(つるぎ)と饑饉(ききん)に滅(ほろぼ)されて其(その)屍(しかばね)は天空(そら)の鳥と地の獸(けもの)の食物(くひもの)とならん
ヱホバかくいひたまへり喪(も)ある家にいる勿(なか)れまた往(ゆき)て之(これ)を哀(かなし)み嗟(なげ)く勿(なか)れそはわれ我(わが)平安と恩寵(めぐみ)と矜恤(あはれみ)をこの民より取(とれ)ばなりとヱホバいひたまへり
大(おほい)なる者も小さき者もこの地に死(しぬ)べし彼らは葬(はうむ)られずまた彼らのために哀(かなし)む者なく自(みづか)ら傷(きずつ)くる者なく髮をそる者なかるべし
またその哀(かなし)むときパンをさきて其(その)死者のために之(これ)を慰(なぐさ)むるものなく又父あるひは母のために慰藉(なぐさめ)の杯(さかづき)を彼らに飮(のま)しむる者なかるべし
汝(なんぢ)また筵宴(ふるまひ)の家にいりて偕(とも)に坐(ざ)して食飮(くひのみ)する勿(なか)れ
萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視(み)よ汝の目の前汝の世に在(あ)るときにわれ欣喜(よろこび)の聲(こゑ)と歡樂(たのしみ)の聲(こゑ)と新娶者(はなむこ)の聲(こゑ)と新婦(はなよめ)の聲(こゑ)とを此處(このところ)に絶(たえ)しめん
汝(なんぢ)このすべての言(ことば)を斯民(このたみ)に告(つぐ)るとき彼ら汝に問ふてヱホバわれらを責(せめ)てこの大(おほい)なる災(わざはひ)を示したまふは何故(なにゆゑ)ぞやまたわれらに何の惡事(あしきこと)あるやわが神ヱホバに背(そむ)きてわれらのなせし罪は何ぞやといはゞ
汝(なんぢ)かれらに答ふべしヱホバいひたまふ是(これ)汝らの先祖われを棄(すて)て他(ほか)の神に從ひこれに奉(つか)へこれを拜(はい)しまた我をすてわが律法(おきて)を守らざりしによる
汝らは汝らの先祖よりも多く惡をなせりみよ汝らはおのおの自己(おのれ)の惡き心の剛愎(かたくな)なるにしたがひて我にきかず
故(ゆゑ)にわれ汝らを此(こ)の地より逐(お)ひて汝らと汝らの先祖の識(しら)ざる地にいたらしめん汝らかしこにて晝夜ほかの神に奉(つか)へん是(これ)わが汝らを憐(あはれ)まざるによるなりと
ヱホバいひたまふ然(され)ばみよ此後(こののち)イスラエルの民をエジプトの地より導(みちび)きいだせしヱホバは活(い)くといふことなくして
イスラエルの民を北の地とそのすべて逐(おひ)やられし地より導出(みちびきいだ)せしヱホバは活(い)くといふ日きたらん我かれらを我(わが)その先祖に與(あた)へしかれらの地に導(みちび)きかへるべし
ヱホバいひたまふみよ我おほくの漁者(すなどるもの)をよび來(きた)りて彼らを漁(すなど)らせまたその後おほくの獵者(かりうど)を呼來(よびきた)りて彼らを諸(もろもろ)の山もろもろの岡および岩の穴より獵(かり)いださしめん
我目(わがめ)はかれらの諸(すべて)の途(みち)を鑒(み)る皆我にかくるゝところなし又その惡は我目(わがめ)に匿(かく)れざるなり
われまづ倍(ばい)して其(その)惡とその罪に報(むく)いんそは彼らその汚(けが)れたる者の屍(しかばね)をもて我地(わがち)を汚(けが)しその惡(にく)むべきものをもて我(わが)産業に充(みた)せばなり
ヱホバ我の力 我の城 難(なやみ)の時の逃場(のがれば)よ萬國(ばんこく)の民は地の極(はて)より汝(なんぢ)にきたりわれらの先祖(せんぞ)の嗣(つげ)るところの者は惟(たゞ)[いつはり]と虚浮事(むなしきこと)と益(えき)なき物のみなりといはん
人(ひと)豈(あに)神にあらざる者をおのれの神となすべけんや
故(ゆゑ)にみよわれ此度(このたび)かれらに知らしむるところあらん即(すなは)ち我手(わがて)と我能(わがちから)をかれらに知らしめん彼らは我名(わがな)のヱホバなるを知るべし