ダビデがガテにてペリシテ人(びと)にとらへられしとき詠(よみ)て「遠きところにをる音をたてぬ鴿(はと)」のしらべにあはせて伶長(うたのかみ)にうたはしめたるミクタムの歌
あゝ神よねがはくは我をあはれみたまへ 人いきまきて我をのまんとし終日(ひねもす)たゝかひて我をしへたぐ
わが仇(あた)ひねもす急喘(いきまき)てわれをのまんとす誇(ほこ)りたかぶりて我とたゝかふものおほし
われおそるゝときは汝(なんぢ)によりたのまん
われ神によりてその聖言(みことば)をほめまつらん われ神に依頼(よりたの)みたればおそるゝことあらじ肉體(にくたい)われになにをなし得(え)んや
かれらは終日(ひねもす)わがことばを曲(まぐ)るなり その思念(おもひ)はことごとくわれにわざはひをなす
かれらは群(むれ)つどひて身をひそめ わが歩(あゆみ)に目をとめてわが霊魂(たましひ)をうかゞひもとむ
かれらは不義をもてのがれんとおもへり 神よねがはくは憤(いきど)ほりてもろもろの民をたふしたまへ
汝(なんぢ)わがあまたゝびの流離(さすらへ)をかぞへたまへり なんぢの革嚢(かはぶくろ)にわが涙をたくはへたまへ こは皆なんぢの冊(ふみ)にしるしあるにあらずや
わがよびもとむる日にはわが仇(あた)しりぞかん われ神のわれを守りたまふことを知る
われ神によりてその聖言(みことば)をほめまつらん 我(われ)ヱホバによりてそのみことばを讃(ほめ)まつらん
われ神によりたのみたれば懼(おそ)るゝことあらじ 人はわれに何をなしえんや
神よわがなんぢにたてし誓(ちかひ)はわれをまとへり われ感謝のさゝげものを汝にさゝげん
汝(なんぢ)わがたましひを死よりすくひたまへばなり なんぢ我をたふさじとわが足をまもり生命(いのち)の光のうちにて神のまへに我をあゆませ給(たま)ひしにあらずや