八音(やつのね)ある琴(こと)にあはせて伶長(うたのかみ)にうたはしめたるダビデのうた
ヱホバよねがはくは忿恚(いきどほり)をもて我をせめ烈(はげ)しき怒(いかり)をもて我をこらしめたまふなかれ
ヱホバよわれを憐(あはれ)みたまへ われ萎(しぼ)みおとろふるなり ヱホバよ我を醫(いや)したまへ わが骨(ほね)わなゝきふるふ
わが霊魂(たましひ)さへも甚(いた)くふるひわなゝく ヱホバよかくて幾何時(いくそのとき)をへたまふや
ヱホバよ歸(かへ)りたまへ わがたましひを救ひたまへ なんぢの仁慈(いつくしみ)の故(ゆゑ)をもて我をたすけたまへ
そは死にありては汝をおもひいづることなし 陰府(よみ)にありては誰かなんぢに感謝せん
われ歎息(なげき)にてつかれたり 我(われ)よなよな床(とこ)をたゞよはせ涙をもてわが衾(ふすま)をひたせり
わが目うれへによりておとろへ もろもろの仇(あた)ゆゑに老(おい)ぬ
なんぢら邪曲(よこしま)をおこなふ者ことごとく我をはなれよ ヱホバはわが泣(なく)こゑをきゝたまひたり
ヱホバわが懇求(ねがひ)をきゝたまへり ヱホバわが祈(いのり)をうけたまはん
わがもろもろの仇(あた)ははぢて大(おほい)におぢまどひ あわたゞしく恥(はぢ)てしりぞきぬ