神は、むかしは、預言者たちにより、いろいろな時に、いろいろな方法で、先祖たちに語られたが、
この終りの時には、御子(みこ)によって、わたしたちに語られたのである。神は御子を万物の相続者と定め、また、御子によって、もろもろの世界を造られた。
御子は神の栄光の輝きであり、神の本質の真の姿であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。そして罪のきよめのわざをなし終えてから、いと高き所にいます大能者の右に、座につかれたのである。
御子は、その受け継がれた名が御使(みつかい)たちの名にまさっているので、彼らよりもすぐれた者となられた。
いったい、神は御使たちのだれに対して、
「あなたこそは、わたしの子。
きょう、わたしはあなたを生んだ」
と言い、さらにまた、
「わたしは彼の父となり、
彼はわたしの子となるであろう」
と言われたことがあるか。
さらにまた、神は、その長子を世界に導き入れるに当って、
「神の御使たちはことごこく、彼を拝すべきである」
と言われた。
また、御使たちについては、
「神は、御使たちを風とし、
ご自分に仕える者たちを炎とされる」
と言われているが、
御子については、
「神よ、あなたの御座(みざ)は、世々限りなく続き、
あなたの支配のつえは、公平のつえである。
あなたは義を愛し、不法を憎まれた。
それゆえに、神、あなたの神は、喜びのあぶらを、
あなたの友に注ぐよりも多く、あなたに注がれた」
と言い、
さらに、
「主よ、あなたは初めに、地の基をおすえになった。
もろもろの天も、み手のわざである。
これらのものは滅びてしまうが、
あなたは、いつまでもいますかたである。
すべてのものは衣のように古び、
それらをあなたは、外套(がいとう)のように巻かれる。
これらのものは、衣のように変るが、
あなたは、いつも変ることがなく、
あなたのよわいは、尽きることがない」
とも言われている。
神は、御使(みつかい)たちのだれに対して、
「あなたの敵を、あなたの足台とするときまでは、
わたしの右に座していなさい」
と言われたことがあるか。
御使たちはすべて仕える霊であって、救を受け継ぐべき人々に奉仕するため、つかわされたものではないか。
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ヘブル人への手紙 第1章
© 日本聖書協会 (Japan Bible Society) 小形新約聖書(口語)1954年改訳