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我子よ汝もし朋友（とも）のために保証（うけあひ）をなし 他人のために汝の手を拍（うた）ば
汝その口の言（ことば）によりてわなにかゝり その口の言（ことば）によりてとらへらるゝなり
我子よ汝友の手に陷（おちい）りしならば斯（かく）して自（みづか）ら救へ すなはち往（ゆき）て自（みづか）ら謙（へりく）だり只管（ひたすら）なんぢの友に求め
汝の目をして睡（ねむ）らしむることなく 汝の眼瞼（まなぶた）をして閉（とぢ）しむること勿（なか）れ
かりうどの手より鹿ののがるゝごとく 鳥とる者の手より鳥ののがるゝ如（ごと）くして みづからを救へ
惰者（おこたるもの）よ蟻（あり）にゆき其（その）爲（な）すところを観（み）て智慧（ちゑ）をえよ
蟻（あり）は首領（かしら）なく有司（つかさ）なく君主（きみ）なけれども
夏のうちに食をそなへ 収穫（かりいれ）のときに糧（かて）を斂（をさ）む
惰者（おこたるもの）よ汝いづれの時まで臥（ふし）息（やす）むや いづれの時まで睡（ねむ）りて起（おき）ざるや
しばらく臥（ふ）ししばらく睡（ねむ）り 手を叉（こまぬ）きてまた片時（しばらく）やすむ
さらば汝の貧窮（まづしき）は盗人（ぬすびと）の如（ごと）くきたり 汝の缺乏（ともしき）は兵士（つはもの）の如（ごと）くきたるべし
邪曲（よこしま）なる人あしき人は虚偽（いつはり）の言（ことば）をもて事を行（おこな）ふ
彼は眼をもて[めくば]せし 脚（あし）をもてしらせ 指（ゆび）をもて示す
その心に虚偽（いつはり）をたもち 常に惡をはかり 争端（あらそひ）を起（おこ）す
この故（ゆゑ）にその禍害（わざはひ）にはかに來（きた）り 援助（たすけ）なくして立刻（たちまち）に敗（やぶ）らるべし
ヱホバの憎（にく）みたまふもの六（むつ）あり 否（いな）その心に嫌（きら）ひたまふもの七（なゝつ）あり
即（すなは）ち驕（たかぶ）る目 いつはりをいふ舌 つみなき人の血を流す手
惡（あし）き謀計（はかりごと）をめぐらす心 すみやかに惡に趨（はし）る足
詐僞（いつはり）をのぶる證人（あかしびと） および兄弟のうちに争端（あらそひ）をおこす者なり
我子よ汝の父の誡命（いましめ）を守り 汝の母の法（おきて）を棄（すつ）る勿（なか）れ
常にこれを汝の心にむすび 之（これ）をなんぢの頸（くび）に佩（おび）よ
これは汝のゆくとき汝をみちびき 汝の寝（いぬ）るとき汝をまもり 汝の寤（さむ）るとき汝とかたらん
それ誡命（いましめ）は燈火（ともしび）なり 法（おきて）は光なり 教訓（をしへ）の懲治（こらしめ）は生命（いのち）の道なり
これは汝をまもりて惡（あし）き婦（をんな）よりまぬかれしめ 汝をたもちて淫婦（いんぷ）の舌の諂媚（へつらひ）にまどはされざらしめん
その艶美（うるはしき）を心に戀（した）ふことなかれ その眼瞼（まなぶた）に捕（とら）へらるゝこと勿（なか）れ
それ娼妓（あそびめ）のために人はたゞ僅（わづか）に一撮（ひとつまみ）の糧（かて）をのこすのみにいたる 又（また）淫婦（いんぷ）は人の尊（たふと）き生命（いのち）を求むるなり
人は火を懐（ふところ）に抱（いだ）きてその衣（ころも）を焚（やか）れざらんや
人は熱火（あつきひ）を踏（ふみ）て其（その）足を焚（やか）れざらんや
その隣（となり）の妻と姦淫（かんいん）をおこなふ者もかくあるべし 凡（すべ）て之（これ）に捫（さは）る者は罪なしとせられず
竊（ぬす）む者もし飢（うゑ）しときに其（その）飢（うゑ）を充（みた）さん爲（ため）にぬすめるならば人これを藐（かろん）ぜじ
もし捕（とら）へられなばその七倍を償（つくの）ひ其（その）家の所有（もちもの）をことごとく出さゞるべからず
婦（をんな）と姦淫（かんいん）をおこなふ者は智慧（ちゑ）なきなり 之（これ）を行（おこな）ふ者はおのれの霊魂（たましひ）を亡（ほろぼ）し
傷と凌辱（はづかしめ）とをうけて其（その）恥（はぢ）を雪（すゝ）ぐこと能（あた）はず
[ねたみ]その夫をして忿怒（いかり）をもやさしむればその怨（うらみ）を報（むく）ゆるときかならず寛（ゆる）さじ
いかなる贖物（あがなひもの）をも顧（かへり）みず 衆多（おほく）の饋物（おくりもの）をなすともやはらがざるべし
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