クリックすると、蘚類 外伝の目次に戻る
神奈川県産コケ植物チェックリスト(2019年改訂版)で、新たに記載された。
平凡社では、学名がAulacopilum japonicumとなっているが、A Revised New Catalogue of the Mosses of Japan, Tadashi Suzuki, 2016では、Erpodium noguchianumの名称が採用されている。
西日本では、それ程珍しい種ではないが、神奈川県では下記3ヶ所から報告されているだけだ。何れも、低地からの報告となっている。
1.小田原市入生田 {未}
2009年に佐々木によって県新産として報告されている。下記3箇所から採集しているが、いずれも陽当たりの良い石垣上に生育し、蒴を付けていた由。
① 山神神社石段
② 宮沢川ぞいの石垣
③ 吾性沢下流林道沿いの石垣
2.南足柄市清左衛門地獄池 標高25m {未}
2009年に佐々木によって報告された。落葉樹の幹に着生し、胞子体をつけていた由。
3.横浜市青葉区恩田町 標高37m{未}
2018年に高橋によって報告された。梅の樹幹に着生していた由。
写真は、均茶庵が2010年に大分県湯布院の金鱗湖の樹幹で採集した標本を使用した。
【野口】 aulaco溝のある pilum投げ槍。帽の様子を表すものか。
【他】溝のある帽に対して、William Wilsonが1848年に名付けた
【秋山】「aulaco=皺+pilos=毛氈(獣毛から作られたフェルト状の敷物)」皺があり毛を有 する蘚帽を持つことから
【田中】aulacoは溝のあるを意味する、pilumは 投槍を意味する。帽の形態に由来する。
【均】G. aulaco-, furrowed L. pili-, javelin 現在では、Erpodiumが使われている。
参考: Erpodium
【e-Floras】G. erpo, creeping, alluding to growth habit
【Crum】The name apparently was taken from the G. erpo, a word meaning creeping (related to the L. serpens, and to the word herpetology). It seems appropriately chosen, in the context of the original publication, as a subgeneric division of Anoectangium.
【Meagher】erpo (creeping) 均注)【Crum】からの引用。
分布図
{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。