春先に山の雪が溶けると、カヤックで湘南の海を漕ぐ時を除いて、丹沢通いをしていた。ハイキングと景色を愛でるだけではなく、「コケのぼり」と称して、登山道に沿って生えているコケを楽しんだ。これぞと思う群落を見つけると、愛用のBausch & Lombのルーペでのぞき込む。だから、頂上に到着しないうちに、昼の時間になってしまうことも、ままある。老眼が段々進んで、コケのような小さな物を見るのが次第に辛くなって来たが、それでも季節の到来とともに、気分が舞い上がる。
所が、今年は様子がちょっと変った。3月初めからコロナが流行初め、4月7日には全国に緊急事態宣言が出された。外出は、原則自粛となった。まさか山の上まではと思ったが、こちらも登山協会の指導で、自粛となった。非常事態宣言は、神奈川県では5月25日に解除された。丹沢・箱根の山は、4月29日~6月1日の間の登山自粛が、やっと終わった。部屋の中で悶々とする毎日を過ごしたが、遂に解放された。
ここから話が大きく変った。これまでは、玄倉林道など一部の登山道が、台風による路面崩落のため、通行禁止となっていた。どちらかと言うと、例外的な場所だった。所が、ふと気がつくと、今や丹沢は殆ど全部が通行禁止になっていた。
2019年10月の台風19号は、異常に強力だった。茅ヶ崎では余り被害が出なかったものの、山間部では交通網がずたずたになった。甲相国境の道志みち国道413号は、何と2018年10月~2019年4月に交通止めになっていたが、その後復旧していた。所が、この台風で、2019年10月~2020年3月の5ケ月間、再び交通止めになってしまった。丹沢山地は南側からの主要な登山道を除き、ほぼ全面通行禁止となった。南側からでも、例えば用木沢や白石沢への道が流れてしまったため、通行不能となった箇所もある。北側は通れる道路がまるで無い状態になってしまった。
そして、改めて調べると、丹沢だけではなかった。神奈川県の山では、通れる道路の方が珍しくなっていた。箱根山は、火山情報のため、数年前から登山禁止になっている。これに加えて、芦ノ湖西岸や外輪山も閉ざされてしまった。箱根登山電車は、箱根湯本~強羅の間がずっと不通になっている。相模湖のハイキングコースも殆どが通行止めだし、あの鎌倉の遊歩道でさえも、あちらこちらで切れている。
鮮明な地図は、上記神奈川県のサイトを参照
その内、順次登山道が再開するだろうが、何時になるかまるでわからない。何事も出来る内にやっておかないと、気がついた時には、不可能になる。今年の様子は、まるでそんな教訓を証明したようなものだ。平年では、6月8日~7月21日が梅雨となる。丹沢・箱根登山に残された日は、もう少ない。ひたすら県の自然環境保全センターのHPと睨めっこをしている。
何と、南足柄市関連のハイキングコースも、大部分通行止めになってしまった。当分の間、足柄峠から金時山 へは登れなくなった。
詳しくは、こちら→ 足柄峠~金時山の登山道路情報
200531 /Rev 200802
注)2020年6月11日に、関東地方の梅雨入りが宣言された。梅雨明け宣言は、例年より遅い8月1日だった。 200622/Rev. 200801