本種は、西日本では比較的豊富に見られる。隣の静岡県でも、函南町の函南原生林入口には、大きな群落がある。神奈川県内での一番古い確認記録は、箱根の箱根峠と須雲川(勝俣, 1972)だが、県RDB(2007)発刊時点では再確認されていない。
箱根以外では、大山参道石垣(均茶庵は未確認){未}及び下記3か所から報告されている。
1. 大雄山最乗寺は、南足柄市にある曹洞宗の名刹で、全国に4千の門流を数える。杉の大木に覆われ昼なお薄暗い境内の、開山祖師座禅石脇にあるムチゴケに埋もれた碑にへばり付いていた。(県RDB) {再確認} 均茶庵は、2013年8月に生育を確認した。標高350m。尚、最乗寺では、毎月2回日曜日に参禅会を開いている。
2. 伊勢原市の日向川奥にあるふれあいの森キャンプ場入口の大岩に、ムチゴケと混生して生育している。(佐々木,2006)2013年10月、2016年1月、同11月、2017年3月とその無事を確認しているが、今にも消滅してしまいそうな弱々しい群落だ。標高376m。{再確認}
2020年11月にチェックした時には、大岩を覆っていた木の枝が殆ど無くなっており、ムチゴケも非常に乾燥していた。コキジノオゴケの生育は見られなくなっていた。
3. 大山三峰山の登山口に当たる林道二の足線終点の一ノ橋近くの岩上に、少々弱々しい群落がある。(県RDB)標高375m。すぐ近くを流れる谷太郎川の渓流が涼し気な音を立てている。但し、夏場は山蛭が沢山出るので、要注意。2017年11月に確認した。{再確認}
現在では、Cyathophorumが使用されている。 (220616)
【野口】cyathophorum コップを有する に似ている。蒴の形
【Meagher】kyathos, wine ladle, cup, and phoreos, to bear, referring to the shape of the capsule
【他】— kyathos (wine ladle, cup) + phoreos (to bear), referring to the shape of the capsule: ‘gaine longue, cylindrique, très-ouverte, cyathiforme’ (Palisot de Beauvois 1804: 324).
【田中】コ ップを持ったよ うに見えるを意味す る。
【秋山】「cyathoid=倒円錐形,壺型+phorum=形」朔の形状から.
1.コケここ 蘚類目次に戻る
{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
*写真の拡大は、PCの拡大機能を使ってください。
作成: 180201