絶滅危惧種に指定されている事が、ある意味で不似合な感じを持つ。県内のどこにでも生育していると言ったらちょっと言い過ぎかもしれないが、低地の湿地であれば、決して珍しくない。特に、あまり整地されていない公園の水辺では、良く見かける。
実は、県RDBが刊行された2006年には、国の絶Iに指定されていた。国のRDBは頻繁に見直しが行われているが、県RDBは2006年以降改訂が行われていない。そのため、国の絶滅危惧種リストからは早々と削除されたが、県RDBには未だ残っている。今後、県RDBの見直しが行われれば、削除されるか、あるいはランクが下げられる可能性が大きそうだ。
県RDBには、横浜市緑区四季の森公園、同栄区市民の森、川崎市多摩区ホタルの里などの都市部が、箱根仙石原イタリ湖や相模原市(愛川町、城山町など)と並んで、名前を連ねている。又、その後の調査で、新たな産地が多数報告されている。
但し、低地の湿地が、宅地造成で次々と埋め立てられており、自然の植生が急激に減っているので、今後都市部にあって生き残れるのは、公園内緑地だけになってしまうかもしれない。
県内各地に産地が多数分布するので、分布図については、省略した。均茶庵が、2015年3月と2017年12月に標高20mの藤沢市新林公園の石川池傍の湿地で採取した標本の写真を、代表例として添付した。ヤナギゴケ Leptodictyum ripariumと仲良く同居していた。尚、当地は、未だ文献上の記録を見ていない。{文献記録ナシ}
【野口】taxi Taxus属の phyllum葉。Taxus属に似た葉の着き方をする
【e-Floras】G. taxis, arrangement, and phyllon, leaf, alluding to leaf pattern
【Crum】The name refers to the arrangement of leaves in two apparent rows.
【均】Taxus イチイ属
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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作成: 180201