亜高山帯の林の地上に生える。非常に派手やかなコケで、体も大きい。毎年新しいシュートがでるが、前年の植物体が枯れないため、階段のように伸びて行く。従って、大きな群落をつくり、良く目立つ。
均茶庵の標本箱にも沢山あるが、改めてチェックしてみると、県外産ばかりが目立つ。県内にも箱根・丹沢と比較的広範に生育しているので、特には採取しなかったのかもしれない。何しろ、均茶庵に許された標本箱を置くスペースが狭いので、イワダレゴケのような大形のコケをどうしても敬遠してしまう。
① 箱根上二子山 (標高1,099m){未}
箱根には、二子山が名の通り二つ並んでいるが、北側の方を上二子山と呼んでいる。
頂上には、NTTの無線中継所が置かれている。この設備がある事、及び、自然保護のため、現在は入山禁止となっている。
② 箱根神山 (標高1,438m){未}
箱根を代表する山だが、火山情報発令のため、2015年6月から入山禁止となっている。
③ 丹沢畔が丸 標高1,292m {再確認}
山頂のブナ林の地上で、2017年9月に採取した。西丹沢自然教室から、片道3時間程度で登れる手軽な山だ。頂上は、東海自然歩道の中継点となっている。
④ 丹沢檜洞丸 標高1,500m {未}
頂上は丹沢第二の標高で、1,601mある。この山も、片道3時間程度で登れるため、塔が岳1,490mや鍋割山1,273mと並ぶ大人気の山となっている。
⑤ 丹沢山 標高1,460m {未}
頂上は、丹沢第四の標高で1,567mある。ちょっと遠いので、人影は比較的少ない。頂上にある山小屋の「みやま山荘」は、食事が美味しいので有名だ。土曜日や休前日には、泊りの登山客でごったがえす。山頂は、広場になっていて林はないが、登山道に従って山頂を少し下ると、ブナやクヌギの森が心地よい。
⑥ 丹沢つつじ新道 標高1,400m {未}
西丹沢自然教室から檜洞丸に登る人は、殆どがこのルートをたどる。名前の通り、季節には山ツツジが美しい。
⑦ 丹沢やぶ沢の頭 標高1,250m {未}
大石キャンプ場から石棚山を通って檜洞丸にのぼる主ルートの一つとなっている。但し、石棚山稜が急なため、つつじ新道に比べて、遥かに人影が少ない。ブナの立ち枯れが未だ進んでないので、他のルートに比べて、「丹沢」のオリジナルの気分が味わえる。
【野口】 hyloco森に comium生育する
【e-Floras】 G. hylokomos, forest inhabitant, alluding to habitat
【Smith】according to Schimper 1852 meaning an inhabitant of woods
【Crum】The name means woods-inhabiting.
【秋山】「hyl=樹幹/森林+comeo=住所/生活する」 森林に生じることから.
【田中】hyloは森に、comiumは生育するを意味する。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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