地味なコケで、まるで食欲をそそらない。同じAnomobryumでも、ヒメギンゴケモドキのような楚々とした趣がなく、硬い感じがする。当種は、水性なので、綺麗な水が湧く岩の壁に見つかる。
山北町玄倉林道 第一発電所 標高 363m {再確認}
RDBには、当件のみが記載されており、その後新規の生育地は確認されていない。「林道脇の流水の多い崖上に群落がある。生育状態は良好。」と記載されている。
均茶庵は、玄倉林道の第一発電所前の水が流れる岩壁で、2020年6月に生育を確認した。多くの群落が見られた。又、第一発電所のトーナル岩製石垣上にも、生育を確認した。この石垣は、発電所のリハビリ工事により、全面的に造り替えられ、2018年3月に完工している。当地は、RDBに記載されている場所と同一と思われる。
現在玄倉林道は、石崩隧道付近の崩落のため、2018年1月から通行禁止となっている。又、2018年及び2019年にも、数度に亘って強い台風に襲われ、崖面は更に全面崩壊した状態にある。道路状況は、下記を参照いただきたい。
【e-Floras】G. anomos, lawless or different, and bryon, moss, alluding to somewhat hypnaceous distal laminal cells
【Smith】meaning diverging from Bryum
【秋山】「anomo=abnormal な+bryum=コケ」
【田中】存在しないを意味するギリシャ語の a,ルールを意味するギリシャ語のnomo,コケを意味するラテン語のbryumが語源。
追記)220520
玄倉林道が通行可能になったとの事で、久しぶりに行ってみた。第一発電所前の群落は、以前に比べてもずっと大きく成長していた。
一方、玄倉林道は、第七隧道から先が、歩行者も含めてつい4月から通行禁止となってしまった。
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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