このコケは、均茶庵にとって厄介な種の一つだ。区別はそれなりにはっきりしているものの、どうしても名前と特徴が一致しない。だから、同定の際には、必ず図を用意している。
ツルゴケPilotricopsisとスズゴケForsstroemiaは、イトヒバゴケ科Crypaheaceaeで、イタチゴケLeucodonとリスゴケDozyaはイタチゴケ科Leucodontaceae、そして、キツネゴケRigodiadelphusは、ウスグロゴケ科Leskeaceae。全く違うわけだが、覚えてから3日もするともう忘れてしまい、完全にこんがらかってしまう。何度も同じことを繰り返す。歳かな~。
本種は、神奈川県でも決して珍しくない。山に登ると、樹幹や枯れ木や岩等、色々な所で結構見かける。県RDBには、①~⑥の6ケ所を記載している。尚、①~④及び⑦については、少々怠慢で、均茶庵は生育を確認していない。
① 丹沢 用木沢 標高700m {未}
西丹沢自然教室から北へ向かい、加入道山と犬越路への登山道の分かれ目に当たる。
② 丹沢 ヤブ沢の頭 標高850m {未}
大石キャンプ場から東へ向かい、石棚山のすぐ手前に当たる。
③ 丹沢 ツツジ新道 標高1,200m {未}
西丹沢自然教室から東へ向かい、檜洞丸へ登る道筋に当たる。
④ 丹沢 菰釣山 標高1,353m {再確認}
2018年10月に、菰釣山頂下~ぶなの丸の間の樹幹から下がっているのを確認した。何故か、イボヤマトイタチゴケLeucodon atrovirensと同居していた。
菰釣山は甲相国境尾根にあり、神奈川県属だが、神奈川県側から登るには非常に不便だ。均茶庵は、菰釣山への登山を長年懸案としていたが、こんな事情で延々と懸案事項のままだった。神奈川県茅ケ崎市から、オートバイで静岡県を抜け、登山口の山梨県山伏峠に至る。これで往復6時間かかる。山伏峠から菰釣山頂まで往復6時間、山頂でのお昼ご飯と休憩に1時間。疲れた。
⑤ 丹沢 畔が丸 標高1,290m {再確認}
均茶庵は、2006年5月及び2017年9月に、山頂の枯れ木の上で生育を確認している。県RDBでは1,200mの場所だが、ほぼ同じ所だろう。
⑥ 丹沢 白石峠 標高1,168m {再確認}
加入道山から用木沢に下る途中にある。均茶庵は、2017年9月に、樹幹で生育を確認した。
⑦ 丹沢 三国山標高1,240m {未}
静岡、山梨、神奈川の県境にあたる。神奈川県側の倒木及びブナ樹幹から報告されている。(金井 ,2011)均茶庵は、未だ確認していない。
⑧ 箱根 山伏峠 標高1,035m {未}
記録はあるが、(生出, 1984)再確認されていない。
【野口】 Pilotrichumに似ている
【牧野】Pilotrichum属に似たの意
【秋山】「Pilotrichum 属+opsis=似ている」 Pilotrichum 属は新世界産蘚類
【均】Pilotrichumは日本産がない。pilo, felt, tricho, hair
参考 【他】Pilotrichum: poor development of the hair point on the stem leaves
作成: 190715
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{文献記録ナシ} 均茶庵が生育を確認。文献記録が見当たらない。
{再確認} 均茶庵が生育を確認。文献記録あり。
{未} 均茶庵は生育を確認できていないが、文献記録あり。
*引用文献及び略語については、「コケの参考書」をご覧ください。
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